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Kodak Retina IIa - フィルムカメラレビュー

35mm レンジファインダーカメラ(蛇腹コンパクト)
1951年発売
レンズ:シュナイダー・クセノン 50mm F2.0(4群6枚)
シャッター:B、1~1/500 シンクロコンパー
焦点調節:レンジファインダー(1.0m~∞無限遠)
露出計:なし!

2つめに手に入れたフィルムカメラ、レチナです。
選んだ基準としては
・ちいさい、コンパクト
・メカメカしい
・フィルムメーカーの作るカメラは写りも素晴らしいという神話を信じてみる

まぁたまたま見たブログでベタ褒めしてたのを真に受けて、勢いでヤフーオークションで購入したのでございます。確か9,000円くらい。長野県からやってきたこの子は、説明通りフィルムカウンターが不調、というか動かない。でもその他は問題なく60歳とは思えない風貌であったのです。

そう、古い時計とか貴金属とかカメラってコレクターの人とかそうでなくても高額品だったから、めちゃくちゃ大事に保管してたんだろうなーなどと小さくもズッシリ重いカメラを片手に勝手に想像したりする。

アメリカの会社であるコダックがフィルムの普及を目的に、ドイツのナーゲル社を買収して作ったドイツコダックのカメラ。1951年当時の最新技術のカメラだったそうで、かつ当時のライカの1/3の価格で発売し、大ヒットすることで35mmフィルムの普及に貢献したとか。

バルナックライカのような、フィルム装填の儀式こそ無いけれど、まぁ何とも使いにくいカメラでした。ファインダーは小さいし(但しファインダーが小さい方がカメラのデザインとしてはバランスが取れていると思ったり)、ファインダーの中はなんか黄色いし(そういう仕様らしい)、巻き上げはゆっくりしないと壊れるらしい、ピント調整もなんかジワーッとしないと壊れそう。シャッタースピードや露出は自分で調べて、設定する。

しかし初心者の自分にとって良い修行になりました。
最初のフイルム二本くらいなんてほぼ撮れてなかったですし、ピントは合わないし。

ただそれを上回る凝縮されたメカメカしさに少年の心は奪われるものなのです。あとレンズにコーティングが無いようで、それが今のカメラにはないフレアやコントラストの無さにつながり、逆にグッときます。この時代のレンズは大体そうみたいです。

専用のケースも手に入れたり、カウンターの不調を修理すべく横浜中華街にある怪しげなカメラ修理店に持ち込んで幾度か直してもらったり。
使っている時はカメラが写真を撮る道具では無く、写真を撮るときの相談相手、そんな感じでした。今となってはその感覚が懐かしくおもいます。

ちょうどこの頃、自分の中でいろんなデザインコンペに参加してみるブームがありまして、唯一入選したのが北海道の帯広にある十勝千年の森という会場を舞台に、10メール四方のガーデンを設計するというもの。
ラッキーなことに入選できた事によって、予算をもらい設計したガーデンを実現するために帯広に定期的に通う事になり、そこでもこのレチナでパシパシとっていました。ああ一生の思い出。

そのあとから、インターネットでノスタルジックな場所を探しては撮りに行くライフワークが始まるのです。上の写真、前半は東京の三ノ輪、後半は横浜の笹山団地。この頃にはだいぶん使いこなせるようになっているようです。

レイニーナイト・イン・シブヤ・ウィズ・ネオパン400フィルム。

最後は大好きな川崎の新子安の子安浜漁港界隈。
海・漁港・色褪せる・哀愁、んんん堪りません。

このカメラ、もし、もしですよ?気になった方はぜひウェブで調べて、可能であればカメラ店でしっかり操作して納得してから購入されることをオススメします。良いカメラです。


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