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顔が見えるって大事

"普段飲食店やシェフは表の顔、食材を作ってくれる生産者たちの代弁者。
このイベントは生産者の方がお客さまとの最前線に立って、それをシェフが支える会になっています。"
そう話した三軒茶屋にあるお店のシェフ、盛田さん。

普段なかなか接することないシェフさんがそうやって話すのを聞いて、私はちょっと嬉しくなった。
シェフさんたちも、生産者のことを考えてくれてるんだな。

参加してよかったと思えるイベントだった。

昨日は"Harvest Restaurant 2018 in 八幡平"という野外レストランフェスの参加するため、八幡平のキャンプ場へ。

私の雇い主のひとり、弟の眞さんが去年から生産者兼運営として参加しているイベントだ。
(私は兄と弟、そしてお父さん、3人の漁師さんたちに雇われているので、「雇い主」が3人いる。社長 兼 牡蠣生産者、海上作業が主の兄。営業販売担当 兼 牡蠣生産者の弟。会長 兼 わかめ生産者の父上。書いてみるとちょっと複雑感あるね。)

自分のところの牡蠣がどんな風に調理されてるのかはもちろん見たかったけど、単純においしいご飯が食べたくての参加。ただただ楽しみにいっただけのやつ。(笑)

先日大阪のカレンダー屋さんからいただいたゆとり部Tシャツを着てゆるゆる登場したために、運営側のおじさんたちに「ゆとり」としていじられる若者と化しながら、なぜかそのままお客さんに牡蠣の殻むき体験に来た参加者の方々に牡蠣の開け方を教える感じに。
あれ??私もお客さんじゃ……。


割とざっくりな説明だった気がするけど、みんな殻を開ける作業がスムーズ。お客さんたちの理解が素晴らしかったのか、もしくは私の教え方がよかったのかな??
殻をむいた牡蠣を目の前で食べて、おいしそうにしてる顔を見れて、カキおばさん的には内心嬉しく感じました。
(それそれ!その顔見たかった!そんな感じ。)

どっちが表と裏で、どこが殻が開く方向なのか。説明しながらみなさんが感動している様を見て、自分もはじめてのときってそうだったよね〜〜って感じて、なんだか新鮮な気持ちになりました。
これ、作業場にお客さん来たらやりたいな〜。(普段お客さんが来ると蒸した牡蠣を食べてもらうことが多いから、殻開けすることってない。)

夜の部

どんなご飯が出るのよ〜〜って期待して待ってたけど、ひとつひとつに料理の説明と生産者の紹介があるのでなかなか来ず……。
ビュッフェ形式ではなく、コース料理のような形で出てくるので、なかなか食べられない。

(待ちきれなくなってるゆとりの図)

テーブルの上に置かれたdish bookがお皿のかわり。料理の隣に生産者やシェフの顔と説明が並ぶ形になっていて、とにかく洒落てる。

はじめに出てきた1品目

じゃがいものロールケーキおいしかった。

2品目

目の前に座ってた3歳のわんぱくぼーやがポタージュのことを「きのこ!」って言ってて、飲んだら本当にきのこだった。
すごい、3歳できのこってわかるんだ。

3品目

ホップってビール以外にも使えるんだなって感じた。少し苦味のある、大人味の料理。
ホップのかわいいおじさんこと、イベント主催者の旦那さんがホップ配りしててかわいかった。ホップの妖精。

4品目

うちの牡蠣ちゃん。
やっぱり普段牡蠣の養殖に関わってて愛着もあるからなのか、こうやって調理されて出てきた瞬間は本当に嬉しくて感動した。
急にうちで作った牡蠣を提供してくれてる飲食店さん巡りしたくなったよ。
どう調理されてるのか、ガンガン見たい。とりあえず三軒茶屋の店に行った方が良いだろうか。

5品目

岩手と言えば短角牛。
正直、1番食べたかったのはこれ。

6品目

薄暗くなってきてから出てきたデザート。雰囲気よい。眞さんからデザートもらって、2倍楽しめた。

最初出てきた料理を見てお腹いっぱいにならないんじゃ……?って思ったけど、そんなことはなくてお腹いっぱいを越えました。
おいしいご飯に大満足。

はじめに書いた、シェフさんの言葉がやっぱり嬉しかった。
普段はなかなか表に出ることがない生産者たちが、参加したお客さんと一緒にテーブルに座って交流する様を見るのは本当にいい。
やっぱり、自分が作った食材を食べてくれる姿を見るからこそ、生産者は一層精進して良いものを作ろうって思う。
普段食材と向き合って手間暇かけて育てているけど、正直誰に向けて作っているかわからなくなることも多くなったりするから、それを再確認できるこういうイベントは本当に大事。 (私が時々ウニおばさん、カキおばさんになるのはこれを感じたいがための活動だということを実感。)

消費者サイドとして見れば、普段何気なく食べている食材を作っている本人たちから直接話を聞いてから食べるのって、食材や料理に対してのありがたみが本当に違う。
生産者がどういう風に思って作っているのか、生産工程を知ると愛着が湧く。
どういう風に感じているのかを拡めていきたいし、もっと大事にしたい。

そして、生産者と消費者を繋いでくれるシェフさんたち。
この方々のおかげで、おいしい料理に変身して、たくさんの人に食べてもらえる。本当に感謝。

普段はなかなか感じることの少ない、たくさんの気付きを得たイベントでした。日帰りだったけど、参加できてよかった。

自分はこれからも生産者サイドでいるつもりだけど、生産者、料理人、消費者全てを繋ぐ、フードキュレーター的な存在にもなれたらいいなと思いました。楽しそう。

色々な事に目を向けつつ、これからも牡蠣作りがんばろ〜。


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