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いろ衣都つむぎ ~どこからきたの~

わたしたちは、すでに幼児のときに、自分なりの美意識を持っていました。
それぞれに、美しいもの、醜いもの、たいせつなもの、いらないもの、みんな自分のなかで決まっていたと思うのです。
わたしは花を見て美しいと思いました。その思いはだれからも教えてもらったものではありません。ただ、そんなふうに感じただけです。
母がきれいでしょ、と持ってくる花でも、きれいだと思わないことはありました。
すべて、わたしが基準だったのです。
生まれてから3、4年しか経っておらず、なんの経験もないのに、わたしは、わたしの価値観で生きていたのです。
それは、わたしにも不思議なことです。
どうして、だれにも教わらずに、花は美しいと感じるのか。だれにも教わらなかったけど、わたしの家の台所はすごく汚いとわかったのか。
母はもちろん、台所が汚いなんて思っていません。たぶん、あれが彼女の普通なのでしょう。
たくさんの判断を、習わずに覚えていったわたしの感性はどこからきたのでしょう。
生まれる前のくにから、抱いて生まれてきたのでしょうか。善きもの、美しいもの、真実なこと。わたしは幼児の頃にもうわかっていたと思います。
ただ、そのことを表す手段がありませんでした。
だから、誤解され、先生に罵倒され、小さい頃はさんざんでした。わたしの自尊心を砕く大人ばかりだったのは、とても残念でした。
しかし、いまは、ちゃんと自分軸で暮らせています。
どこか彼方から、わたしに真実を知らせてくれる想いの戸を、ちゃんと開けて、自分の価値も方向性も、自分で決める。
そんなふうに生きていきたいです。

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