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Little Glee Monster『紅』に見るサウンドカバー(NHKうたコンより)

ちょっと遅れましたが、先週火曜日に放送されたNHK「うたコン」に出場したリトグリのボーカルを拝見しました。
そこから見えてくるサウンドカバーについて、記事にしました。
ソロ曲をサウンドボーカルで歌うことの難しさなど専門的に分析してみました。



X JAPAN『紅』

『紅』は、誰もが知るX JAPANの名曲です。
X JAPANのサウンドの特徴は、ひとえにどの曲もボーカリストToshi
が歌うことを前提にしてして書かれていることにあります。
楽器のサウンドの激しい音質に対抗する、Toshiの持つ強い金属性のボーカル。
ハイトーンボイスの機械的な尖った音質の彼だからこそ、メンバーが作り上げるサウンドに負けないだけの歌声で対等に音楽を作り上げていける。
これが、X JAPANのサウンドの特徴と言えます。
即ち、X JAPANの楽曲は、Toshiの歌声による印象が強く、カバーするのが非常に難しい曲と言えるのです。
あえてカバーするのであれば、強い直線的でサウンドに負けないだけの太い歌声を持つボーカリストが歌うか、又は、hydeのような太く幅のある響きをの声質でボリューミーな響きで全面を覆って歌い上げていくかのどちらかが適しているように感じます。

その難曲を今回は、リトグリが歌うことになりました。
この曲は、映画「カラオケ行こ」の主題歌になっており、映画のエンディングにも流されている曲です。
リトグリ6人のメンバーの歌声と、府中市立府中第四中学校の合唱部90人のメンバーの歌声で構成されています。
府中市立府中第四中学校の合唱部は、「第76回全日本合唱コンクール」で金賞および文部科学大臣賞を受賞した合唱部で、今回、非常に完成度の高いハーモニーを披露しています。
番組では、コーラス部の音声を被せる形で歌われていましたが、実際にコーラス部の部員達と共演した場合は、非常に厚みのあるサウンドが披露されると感じます。

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