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8皿目:「普通」の味@さくら 新大久保

新大久保は今日も人でいっぱいだ

 JR新大久保駅改札を出て右方面に進み山手線ガード下をくぐると、その先は韓国系のお店が連なり、それを目当てに訪れる人々でいっぱいだ。まるでガード下をくぐった先は別世界のようだ。

JR新大久保駅横のガード下をくぐった先は人でいっぱい

 混雑がひどく、特に土日はまともに歩けないことが多いので、滅多にそちら方面に足を踏み入れないようにしているが、いくつか例外もある。そのひとつが今回訪問するネパールレストラン「さくら」さんだ。
 さくらさんは、JR新大久保駅横のガード下をくぐり、徒歩1分足らずの飲食店ビルの中にある。

この高級芋菓子屋さんの右隣のビルだ
お店に入るエレベーターの横にお店の看板がある
エレベーターに乗って4階、扉が開くとすぐお店の中だ

いざ、入店

 お店の中に入ると、お好きな席へどうぞと言われたので窓際の席へ。ネパールの方の先客が2組、すでに飲み会を始めているお客さんもいる。そういえばここは飲み放題メニューがお得だったはずだ、うらやましい。

ダルバートはランチでもディナーでも選べるようだ

 今回は、野菜セット(600円)の辛口、ドリンクはラッシーをオーダー。ドリンク付きで600円は安い。

すっきりしてきれいな店内

 お店の中は装飾を抑えたすっきりきれいなお店。装飾でゴテゴテしておらず私はとても好きだ。

いざ、実食

シンプルな構成、とてもやさしい味だ、ご飯の量はそれほど多くない

お店を眺めているとダルバートが届いた、提供はとても早い。

粘度はやや濃いめだが薄味、豆が多い

 ダルスープは、粘度がやや濃い目で、豆が多く食べ応えがあるが、薄味なのですいすい飲めてしまう。

豆、豆、いも、豆、いも、豆のコンボ

 野菜カレーの具材は、じゃがいも、いんげん、玉ねぎ、そして大量の豆だ。豆は、うずら豆、大豆がぎっしり。インド・ネパール料理店では、日本ではそれほどなじみがない、ひよこ豆が入っていることがあるが、この野菜カレーにはそんなものはない、「日本の豆」カレーだ。また、大ぶりなじゃがいもがゴロゴロ入っているのも食べ応えを増している。
 カレーはドライなタイプで汁気は全くなく、日本の煮物を食べている感覚だ。量は多いが、ご飯と一緒に食べると不思議と飽きず、スプーンが進む。
 辛口を頼んだが、私には「すこし辛い」程度でやさしい味だった、もっと辛くてもよかったかもしれない。

 ネパール料理店でダルバートを注文すると、ご飯やダルスープのおかわりを勧められることが多い。私は滅多におかわりをしないが、このお店ではお願いすることが多い。というのは、絶妙なタイミングでおかわりを勧められるからだ。
 今回も、食べ終わる頃合いにふと顔を上げると、おかわりご飯とダルスープを持った店員さんがにこやかに立っていた。これでは断るわけにはいかない。  
 というわけで、ご飯少しとダルスープのおかわりをお願い。ダルスープは器になみなみに注いでくれた、ありがたい。

生野菜を食べてフィニッシュだ

 おかわりをしたので満腹で残してしまうかもと思ったが、予想以上に食が進み、トマトのアチャールの辛さにも助けられ、完食できた。

ものすごく「普通」なお店


 お客さんが全くいないわけでもなければ、混雑しているわけでもない。ダルバートもケレン味のある突出した何かがあるわけではないが、普通に美味しい。接客も丁寧でフレンドリーだ。
 店内は清潔だが過剰な装飾はない、ハレの日のお店というよりも普段使いのお店、私が近場で働いていたら週2,3回来てしまうかもしれない。
 ちょっと精神的にへこんだとき、人混みに疲れてしまったときに、ふらっと入ってダルバートを食べてふらっと出ていけるような手軽さがある、とはいえ「ファスト」では決してない。
 このお店では、ネパールの方のお客さんと遭遇することが多い。おそらく、ネパールの方にとっても日常使いのお店として重宝されているのではないだろうか。
 新大久保の人混みを進むのは難儀だ。でも、あのビルの4階には、派手な飾りやモニターはないけれど「普通」のダルバートが待っている、と思えば少し我慢してこのお店まで足を運びたくなるのである。


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