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3月28日。マルク・シャガール「色は、近い色同士が友人で、反対の色同士が恋人」

マルク・シャガール(Marc Chagall, イディッシュ語: מאַרק שאַגאַל, 1887年7月7日 - 1985年3月28日)は、20世紀のロシア(現ベラルーシ)出身のフランスの画家。
ロシア系ユダヤ人の土着文化と前衛芸術を融合した画家。エコール・ド・パリ(パリに定住した外国人芸術家集団。ユダヤ人が多い。藤田嗣治もその一人)の中心人物。戦後はタペストリー(室内装飾の織物)、天井画、舞台デザインなど多彩な活動を展開した。

ロシア出身のユダヤ系だったため、ナチス政権の台頭で「退廃芸術家」として迫害を受け、アメリカに亡命。世界有数のユダヤ人芸術家だった。
戦後はフランス共和国のアンドレ・マルロー文化大臣の尽力で大きな仕事をしている。パリのオペラ座の天井画を描いた。1973年、86歳の誕生日にはニース市に「マルク・シャガール聖書のメッセージ国立美術館」(現国立マルク・シャガール美術館)が開館しているのにもマルローの尽力があった。
日本では湯布院に「マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館」がある。2007年に訪ねた。聖書とサーカスがシャガールの二大テーマだった。幻想的な画風だ。サーカスにも「聖書と同じ気持ちがこみ上げてくる」と語っていた。この美術館ではサーカス関係の絵がほとんどだった。「サーカス」のオリジナル挿画本があった。一緒に観た母は「 シャガールの絵となり父母と兄、姉妹空をゆく ひとり見上げぬ」と亡くなっている父母兄弟を詠んでいる。下界を見下ろしながら男女が空を飛んでいる絵が印象に残ったのだろう。2017年には、 東京ステーションギャラリーで開催された「シャガール展」も観る機会があった。
以下、シャガール語録から。

心を込めて創り出した時は、たいてい何でもうまく行く。頭を捻ってひねって作り出しても、おおよそ無駄である

自分自身を完全に打ち込ませなければならない。仮に99パーセントしかのめりこめないのであれば、情熱が足りないか、才能が足りないかのいずれかだ。

人生には単一の色がある。芸術のパレットと同じ様に、その色は人生と芸術の意味を与えてくれる。それは愛という色だ。愛を取り巻くものとしか私はかかわりを持たない。

「色は、近い色同士が友人で、反対の色同士が恋人」は、最初の妻・ベラをよく描き「愛の画家」とも呼ばれた、シャガールらしい説明だ。反対の色とは補色のことである。色相関によれば、黄色と青紫、黄緑と紫、緑と赤紫、赤と青緑、水色と朱色、などが補色の関係にある。ゴッホの「夜のカフェテラス」や、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は、黄色と青紫という補色を意識して使っているようにみえる。両者は互いの色を最も目立たせる、お互いを引き立てあう色の組み合わせだ。ただ、近い色同士では安らぎがあるのに対し、補色関係はストレスがたまりやすい組み合わせでもある。シャガールは98歳という長寿の人だった。

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