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シンガポールでヒヤッとした。このままの日本は、あと5年で追い越される

柳井工業は全国を拠点に、さまざまなプラント会社さんとお仕事をしております。国内のみならず、東南アジアを中心に海外にも幅を広げています。

東南アジアでは若者を中心にプラント業界を担っているのですが、彼らと仕事をすると「このままだと、日本は抜かされるだろうな……」とヒヤッとします。

今回は、私がシンガポールでの体験をお伝えしますね。「日本の技術は世界一」と思い込んでいると痛い目にあいそうです…。

28歳のとき、はじめてシンガポールに派遣された

2014年の夏。私が28歳のとき、はじめてシンガポールで仕事をしました。

まだまだ小さかった柳井工業。当時、弊社はタービンに特化していて、実績と信頼を評価していただき呼んでもらえました。とても光栄なことです。

柳井工業はスーパーバイザー(以下SV)として、現地の職人に知識や技術を伝え、指導員として携わっていました。

また、日本同様にシンガポールでも「人材不足」。ただ、技術がまだ不完全である東南アジア企業に任せるのはメーカーも不安に思ってしまう。

そのため、すでに技術力が高い日本のプラント企業から、人材を集めているのが実態でした。

技術も知識も足りなかったけど、ハッタリ力で挑戦

私もはじめてのことで、内心は不安でいっぱい。プラント業界に来てまだ3年の私が、「できます!」とハッタリをかましていたのです……。

「飛び込んだはいいけど、本当に大丈夫なのか………」

その不安は見事に的中。まだまだ知識や経験不足だったのだと、思い知らされました。「今まで周りの職人さんに助けられていたんだ」と気づきましたね。

また、知識不足に加えて多国籍。メンバーはバングラディシュ、マレーシア、インド、フィリピン、中国人の集合体。コミュニケーションや意思疎通が、そもそもままならない。

とてもしんどく、「二度と行くものか」と思っていたのですが、工事が終わった頃には達成感でいっぱいに。

現地の職人も「自分の技術にしていくぞ」と本気さが伝わってきたので、教えている私も楽しかったんです。その後もオファーをいただき、お付き合いはつづいていきました。

そして私は、あることに気づいたのです。

技術レベルが見違えるほどあがった東南アジア。そこで感じたハングリー精神

シンガポールの現場に2回、3回と数を重ねていくごとに、職人のレベルがぐんぐんと成長していたのです。「2年〜3年でこんなに変わるのか」と驚きました。

はじめて一緒にした頃から感じていましたが、目つきが違うのです。また「日本人から技術を学べる貴重な時間」とハングリー精神むき出し。日本ではあまり感じることができません。

私が伝えてきたことも、確実に自分たちの技術にしている。うれしかった反面、「このままで日本は大丈夫なのか?」と懸念してしまいました。

技術レベルが日本と匹敵している中、人件費を下げてお願いできる。ただ、他の東南アジアの現場よりも確実に高い賃金。

そして職人としてのプライドを持ち、全うしてくれる彼らと一緒に仕事をした方が双方がしあわせなのではないか、と感じているのです。

将来、柳井工業が海外とタッグを組んでやりたいこと

日本では、まだまだ外国人労働者の受け入れが厳しいのが現状です。ただ、少しずつ緩和されるのではないか、と考えています。

柳井工業は「向上心のある外国人の職人さんたちと一緒に仕事をしたい」と思っています。

・海外から腕のいい職人を集める
・柳井工業の技術を外国人に提供する
・外国人が働きやすい職場環境を構築する

すぐに叶えられることではありませんが、こんな未来を描いています。閉鎖的な日本だからこそ、海外のエッセンスがスパイスになるのではないでしょうか。

・・・

あと5年もあれば、確実に日本は追い越されると思います。

東南アジアの職人さんと仕事をすると、かつて日本でも活気があった1990年〜2000年代を思い出します。「日本が世界一」と思い込みすぎるのはあまりにも危険です。

この記事を読んで、なにか感じてもらえたら幸いです。一緒にプラント業界を良くしていきましょう。


取材・文/ヌイ(@nui_nounai

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