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ヴィオレッタ

 暫くログインすらしていなかったブログにかつて鑑賞した映画の記録があり、これは残しておきたいなと思ったものをnoteに移すか~と思いついたので下記にコピペ。
 最近になって明日カノで主人公の雪が「好きな映画」として挙げているんだけど、読み返したら同じような感想を抱いていてちょっと嬉しかった。

 『ヴィオレッタ』 投稿:2017年1月11日18:56

 2017年は去年よりは本を読んだり映画を観たりしたい。
 手始めに映画を6本レンタルしてきたので、ちょこちょこ観ています。(ネタバレあり)

 ヴィオレッタ(原題:My little Princess)

 冒頭からアンナはヴィオレッタを「私のお姫様」と呼びかけ、「凡人になるな」と自分の写真のモデルとして扱う。美しい少女の妖艶な写真(といえば聴こえはいいが…)は芸術家から評価され、写真集として販売され、様々なパトロンからヴィオレッタを求められる。アンナはヴィオレッタを利用しながら有名になり、金を稼ぎ、自己顕示欲を満たしていく。(毒)母と娘の物語といえば簡単だけれど、この「母と娘」というのは映画全体を通して様々な形で描かれている。

 ヴィオレッタは途中から、「普通の子になりたい」「抱いてもくれないくせに」と、「普通の母親じゃない」アンナを責めるけれど、アンナはアンナで母親の愛情を知らないことがわかっていく。アンナの母親は15歳で彼女を産んだけれど、父親からレイプされての妊娠だった。現在は行方が知れず、アンナにとっては祖母(バアバ)が母親代わり。祖母とアンナが二人でどんな生活をしてきたのか、精神的に困難の連続だっただろうことは想像に難くない。
 アンナは物語の終盤で、カウンセラーへ提出するための録音に「ママに会いたい」と吐露している。アンナはヴィオレッタを育てるはずの「母親」であると同時に、自分の母親を強く強く求めている「娘」でもある。むしろ、「娘」のほうが強いままなのだろうな……と感じた。だからといって彼女のやりかたで良いとは思わないのだけれど、責める気にもなれないというか。そりゃわからないよな、というか。アンナにとっては、ヴィオレッタに対してシャッターを切ることがハグやキスのようなものだったのかもしれない。

 ヴィオレッタは最終的に施設に入る。私がこの映画を最後まで観ることができたのは、ヴィオレッタが「No!」と拒否したり逃げたりできる少女として描かれていたからというのも大きい。ラストは面会に来た母親の「Je t'aime(愛してる)」から走って逃げる後ろ姿だけが映されていて、哀しいような強いような、なんとも言えない映像だった。

 作中、二人に共通するブロンドヘアと赤いルージュとマニキュアが印象的。

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