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フランク・フラゼッタとボリス・ヴァレホとシェパード・ペイン

前回の記事(↓)の補足。


その手の文化に興味ある人はすぐ分かると思いますが、前回アップした私の旧作「ドラゴン・スレイヤー」は、フランク・フラゼッタとボリス・ヴァレホと、私が唯一、師として崇拝するモデラー、シェパード・ペインへのオマージュ作品です。

フランク・フラゼッタ

フランク・フラゼッタは構図や躍動感が凄く好きです。欧米由来のヒストリカルフィギュアやファンタジーフィギュア文化のフィギュアの数々も、造形やポージング、ペインティングにおいてフランク・フラゼッタに大きく影響されていると感じます。

ただ立ってポーズを決めているだけで、シチュエーションやメッセージが分からないポージングなのですが、それでいいのです。美しい造形・構図・ポーズがあればそれで良い。佇まいだけで世界観を表現するその表現力と、そこに宿る美しさがあると思います。

ボリス・ヴァレホ

ボリス・ヴァレホも同じ系統と思いますが、私は個人的に人体描画、人体造形や色使いの表現などは、フラゼッタよりもボリス・ヴァレホのほうが好きです。

欧米が文化の発祥であるヒストリカル系ファンタジーフィギュアはこのあたりのテイストがベースにあると考えてます。日本的な感覚では「なんか濃い」「みんな同じに見える」という意見もあると思いますが、私はその濃い味が好みです。

シェパード・ペイン

シェパードペイン氏は80年代に「ディオラマの作り方」という書籍で世界中のAFVモデラーの間で有名になったモデラーですが、私はAFVものよりも、ヒストリカルフィギュアやボックス・ジオラマのほうが好きです。(もちろん入口は彼のAFVジオラマでしたが、同時に彼のAFV以外の作品に魅了され、徐々にそちらのほうが興味感心が湧いていきました)

その彼が手掛けたボックスジオラマ作品の中に「The Swamp Orge」という作品があります。(↓)

素晴らしいですね。彼の他のヒストリカルやボックスジオラマ同様、すべてフルスクラッチビルドの作品です。怪物のよだれはヘアブラシの歯を利用して作った、とか。

(作品の詳しい解説とシェパード・ペイン氏のインタビューはこちら↓)


モデラーの間ではフルスクラッチ云々には色々意見はあると思います。ですが、真のモデルアーチストであるならば、フルスクラッチで作品を作れることが条件であると私は思っています。否定論は認めます。でも、私のこの考えはたぶん永遠に揺るがないと思います。それはやはり、子供の頃にシェパード・ペイン氏のフルスクラッチの名作に触れたからですね。

その中でもこの「The Swamp Orge」は、ある意味、私が一番衝撃を受けた模型作品かもしれません。

元ネタは、フラゼッタのSwamp Demonという作品と思われます。(↓)

シェパード・ペイン氏のインタビューでも書かれていますが、氏もフラゼッタ作品や色使いが好きで、「フラゼッタのような3D作品を作るのが私のやりたいことなのだ」と思い、そのトリビュートとしてこの「The Swamp Orge」を制作した、と語っています。

ただ、最初の刷り込みなのか、私が模型や立体造形が好きだからかはわかりませんが、私はシェパード・ペイン氏の作品のほうがずっと好みですね。

まとめ

以上、前回投稿した私の旧作「ドラゴン・スレイヤー」について、補足を兼ねて、大好きなフラゼッタやヴァレホ、そしてシェパード・ペインの作品について絡めて書いてみました。

本来はこういう説明的な事は作品については書かないほうが良いという意見もあると思います。説明が必要で伝わらないのは駄目だ、みたいな意見ですね。

ですが、言葉は文芸であり、芸術表現の一つであるなら、語らないと伝わらない事もある、という考えに最近は変わってきました。なので、私の言語化力の限り、語れるものは語っていこうかな、と思っています。

ではまた。

参考資料

シェパード・ペインによるボックス・ジオラマの名作の数々(↓)。
これぞ、「モデル・アート」と私は思います。


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