決意表明


2月8日、人生の道がようやく開けたような気がしました。
予定通り、通っている大学で今年度論文を書く準備をして、再来年度で論文を執筆する、というスケジュール通り研究が進められそうです。

このことについて、少し述べさせてください。

私は、今まで負け続けの人生を送ってきました。
人生、思い通りに行ったことは殆ど無かったです。
この手で、この人生からドロップアウトしようと思ったことは何度あったか。

それでも、良いことは必ずあると信じて生きながらえてきました。

そしてとうとう2022年、「吹替」と出会いました。
『アンタッチャブル』テレビ東京版でショーン・コネリーを吹き替えた若山弦蔵さんの声を聞いて、自分の声に自信を持つようになり、『ビバリーヒルズ・コップ2』フジテレビ版でエディ・マーフィーを吹き替えた下條アトムさんの演技を観て、「洋画の日本語吹替を専門とした研究者になろう」と決意しました。

研究者になるためには、論文を執筆しないといけません。しかも、私はとびきり優れた論文を執筆したかった。そのためには優れた先生の元で執筆する必要があります。
その先生は、私が通っている大学にいらっしゃいます。
ただ、ずっといらっしゃるわけでもないし、私も可能な限り早く論文を執筆したかった。
そのためには、今年1月のテストに合格する必要がありました。
おそらく大丈夫でしょう。

「来年度と再来年度、つまり2025年3月までに、論文を書き上げる」
これが次の目標です。
2月の初めに、個人的にショッキングなことがあって気落ちしたこともありました。
「論文を書けるのだろうか」「研究者になれるのだろうか」「世間は認めてくれるのだろうか」という気持ちもあります。

ですが、そうした私の心は『ロッキー』、そして荻昌弘さんの解説を観て奮い立ちました。

「これは人生『する』か『しない』か、というその分かれ道で、『する』という方を選んだ、勇気ある人々の物語です。」

今まで私は「しない」方ばかり選んできました。元々学者になりたかった身ですが、「なれっこない」と自分自身に嘘をついてきました。

ですが今回は「する」という方を選びます。
人生を本気で変えたい。その勇気を『ロッキー』、そして荻昌弘さんの解説からいただきました。

当面の目標は論文執筆ですが、まだまだ目標はあります。

①日本語吹替の地位を上げる
②城達也、富山敬の功績についての本を執筆する
③福島県を代表するオピニオンリーダーとなる

①2010年代から、かつてテレビの洋画放送番組で放送されてきた吹替版を収録したブルーレイが販売されるようになりました。
その魁となったのは、20世紀フォックスから出された『吹替の帝王』。これに続く形でパラマウント・ユニバーサルからは『思い出の復刻版』、コロンビアからは『吹替洋画劇場』、ワーナーからは『吹替の力』というブランド名で、往年のテレビ版吹替が再度広がりを見せるようになりました。
ですが、『吹替の帝王』は廃盤となり、他のレーベルも販売する商品が減ってしまいました。
テレビ局においても、テレビ朝日『日曜洋画劇場』が2017年に終了してしまい、地上波で吹替版を放送している在京テレビ局はテレビ東京のみとなってしまいました。
「吹替は消えてしまうのか」そう思った時もありました。

ですが、希望はあります。
ハピネットから「吹替シネマ」というブランドで、往年のテレビ吹替版を収録したブルーレイが発売されるようになり、2023年には『大脱走』フジテレビ版と幻のテレビ東京版が収録されます。
また、ザ・シネマやスターチャンネルといった、有料チャンネルでは、毎日貴重なテレビ版吹替を放送しています。
さらに、日本テレビ『金曜ロードショー』でも視聴者からのリクエストを募って、往年のテレビ版吹替を放送する機会が増えました。今年3月には『アルマゲドン』日本テレビ版が放送される予定です。

これは、吹替の需要がまだまだある証拠です。
私はこの吹替の灯火を途絶えさせるつもりは全くありません。
吹替の灯火を残すためには、吹替を学問的な立場から評価する必要があると考えます。
そうすることで、吹替に対する目も変わり、吹替に対する需要はさらに高まると信じています。
名ナレーターである矢島正明さんが、1970年代からアテレコ(吹替)の質が下がっていることを指摘した上で、こう仰っていました。
「アテレコの本当の意味での評論家が出て来ていいと思うんです」
私は矢島正明さんの言う、「本当の意味での評論家」になるべく、挑戦します。

②城達也、富山敬両名は、私にとって憧れの方々です。
城達也さんのナレーションが収録された『ジェットストリーム』のCDがいまだに販売されていること、1月にテレビ朝日で放送された昭和レジェンド声優50人を特集する番組が放送された際、ツイッターで「富山敬」がトレンド上位に入ったことも、人々の心に両名が残り続けていることの証しです。
ただ、私は先日のレジェンド声優50人の番組に不満を抱いています。富山敬を扱う時間が少なすぎる。『劇場版 銀河鉄道999』のラストシーンを放送したが、城達也のナレーションまで流さなかった。
尺の都合があることは承知ですが、私としては不満が残るものでした。
私にとって城達也・富山敬は永遠の憧れです。
私としては、この両名の功績を後世にも語り継いでいきたいです。
奇しくも両名が亡くなったのは同じ1995年。
その時私はまだ物心つく前でした。
両名とお会いする機会はありません。
しかし、残された作品やインタビュー集から両名の人柄や演技は読み取ることが可能です。
私なりの方法で、城達也・富山敬という吹替史に残る名優の功績を本に認め、語り継いでいきたいと思っています。

③元々生まれ育った福島県の復興に携わりたいと思っていました。私なりの方法で。力を付けて、オピニオンリーダーになって私なりに福島を発信したいとずっと思っていました。
力の付け方がわからなかった。
今までは。
でも今は違う。
吹替を中心とした研究者となって、業績を上げれば、力を付けることができる。
そうすれば自分なりに福島を発信できる。

私がやろうとしていることは、今まで誰もやってこなかったことだと思います。
ですが、私がやろうとしていることは、吹替界、声優界、テレビ業界を変える力があるものと信じています。
私はテレビ局が生んだ「吹替」という文化を途絶えさせたくありません。
私の試みは、「吹替」という文化を後世まで残していくものだと信じています。

また、私には尊敬する方々が沢山いらっしゃいます。「こういう人になりたい」という方々が沢山いらっしゃいます。
そうした方々に実際にお会いし、「研究者になりたい」とお話したこともあります。
その言葉に背くような真似は絶対したくありません。

かつての私は何の力も無い人間でした。
しかし、今は力を付けつつあります。
仲間も、応援してくださる方々、「こうなりたい」と憧憬の念を抱く方々も沢山いらっしゃいます。
そうした方々のためにも、私は人生において「する」という選択をします。
私の人生を素晴らしい方向へと導いてくれた「吹替」を通して、自己実現してみせます。

そして、ロッキー・バルボアのように、やれるところまでやってみたいと思います。



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