新規参入PC-Engine

NECホームエレクトロニクスのファミコン対抗機です。
ファミコンに遅れること4年、1987年の発売です。
NECはエポック社のスーパーカセットビジョンにも関わっていて完全新規と言えないかも知れません。
開発はソフトメーカーのハドソンです。
後述するコア構想と世界初のCD-ROMが特長です。

【画面】512色同時発色。当時のNECのホビーパソコンが512色中8色ですし、ファミコンと比べ飛び抜けています。
※当時のセガは64色同時発色

【音】8オクターブ6重和音。相変わらずピコピコ音ですが、CD-ROMではCD音源の再生にサンプリング音も加わり、CD音源かピコピコ音をBGMに喋らせる事が出来ました。
ピコピコ音と言ってもファミコンの倍のチャンネル。表現力が増しています。

【動き】スプライト(キャラクター)がファミコンより大きくなり、THE功夫、カトちゃんケンちゃんやR-TYPEの表現に度肝を抜かれた方も多いと思います。

【価格】悪く言えば家電メーカーの値付け、24,800円。それでもファミコンより高性能で1万円高なら、選択肢に入ります。

【操作性】
コントローラーはファミコンに近いですが、後に対戦格闘ゲームを意識し6ボタン化されました。

【CPU】MOS6502互換品。ファミコンのプログラムを応用しやすく、クロック(動作速度)を上げているので「最高の8ビットゲーム機」と言われる事があります。

【カセット】
ハドソンの名を冠した「Huカード」
薄くてスタイリッシュ、ハドソンのMSX用の一部ソフトもこのカードで発売されています。※要アダプタ
しかし後にデメリット化、容量が増やしづらいです。
その為ストリートファイター2(正しくはローマ数字)のカードは中央部が少し膨らみ、挿せない本体もありました。

【参入メーカー】
任天堂とロイヤリティーで揉めたナムコが積極参入。当然ハドソンもですが、任天堂にもソフトの供給を続け仲違いではありません。
余談でNINTENDO64にナムコが参入せずプレイステーションに積極的だったのも上記理由と言われています。

【CD-ROM】
当初はビックリマン大事界(図鑑)のように正直、容量を持て余したようです。
しかしアニメに近い表現のゲームへ発展しました。「近い」とは、まだドットも粗くムービー再生が困難ですので。
例えばイース、パソコン版と比べCD音になり、音声入りのデモ演出と飛び抜けています。
天外魔境も演出が素晴らしいですが、ネット調査によると2作目の卍丸で販売20万本弱、調べてみてあの出来でこの数?!と衝撃です。
PCエンジンミニで遊べますので、ご興味を持たれた方は。

【コア構想】
本体をコア(核)とし、後から付け足していけます。
端子を廃止し除外されたPC-EngineシャトルやPC-EngineGTの例もありますが、携帯機のPC-EngineLTまで対応したのは大したものです。
CDから読み取ったデータ保管の容量も、カードを買い直す事により0.5メガビット→2メガビット→18メガビットと対応しました。

【蛇足】
PC-Engineスーパーグラフィックス。
従来品と互換有り、スプライトとバックグラウンドが倍になり39,800円。
専用ゲーム5本のみというのが、売れなかった証明です。
色数が変わらないと印象薄いし、悪しき家電メーカーの値付けです。
※パナソニックの3DO 予価79,800円、発売価格54,800円
専用アダプタが発売されCD-ROM接続可、コア構想に組み込まれたのはまだ救いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?