見出し画像

幽霊屋敷から始まった不思議体験3

 Yちゃんと幽霊屋敷に行ったと言う話は「エピソード1」で書きましたが。

 その夜は、車中から幽霊屋敷を眺めただけでした。
 その場所は、住宅街と言うこともあり、余り騒いだりウロウロしたり、アイドリングをしているのもはばかられるので、早々に立ち去りました。

 帰りは
「怖かったね~」とか言いながら、ひとしきり大盛り上がりしましたが、帰りに何かが有るわけでもなく、無事に帰路に就いたわけです。

 その後の話なのですが。

 私は、その幽霊屋敷を上の方から見る機会がありました。
 とても良いお天気で吹いてくる風がとても気持ちいいのです。
 ひばりか、雀か、鳥がさえずっています。

「わぁ気持ちいいなぁ~」
 なんて考えながらその幽霊屋敷を見ると。
 幽霊屋敷の後ろ側に、結構大きめの細長い公園が見えました。
 公園では子供達が遊んでいて、自分が上から見ているからか、下ではしゃぐ声がよく聞こえます。
 その公園にはブランコや鉄棒、砂場も見えます。
 大きな木が二本、公園の真ん中に均等に生えていました。

 そして、その幽霊屋敷の東側は鬱蒼とした森。
 森の向こうに道路がみえています。
『あぁ、地理的にこんな風になってるんだー、公園の向こうの道から下の道に下りられるんだー』
 なんて考えていました。

 それから1年経った頃・・・、 かもしれません。
 アルバイトで客商売をしていた時、常連で来るお客さんがいました。
 話を聞いていると、その方達はその幽霊屋敷の近くにお住まいの方で、私はどうしても、あの家の事を聞いてみたくなりました。

 結論から言うと。
「1」で書いた
「あそこはお偉いさんの家だよ」
 と教えてくれたのはその方達でした。
「多分まだその人の家だと思うけれど、持ち主は関東に引っ越してそこは空き家になってるだけだよ」と。

 それを聞いて、私は
「あーそーなんですねー」
 なんて少し、幽霊の正体見たり枯れ尾花な話に少しガッカリしながらも、そんな忌まわしい家じゃなくて良かったなとも思いました。

 で、ひとしきり話が終わった後に

「私、実はあそこの家を上から見たことがあるんですよ~。あそこの後ろって細長い公園になってるんですね~、あと東側は、森ですよね~、あの森も公園の一部ですか?」
 と聞くと。
「いやあの森は、あの家の持ち主の庭だったんだよ、今は手入れされてないから森みたいになってるけどね」

 なんてお話も聞けました。

 すると、その方が怪訝そうな顔をして。

「上から見たって、どこから見たの?」
 と聞いてきました。

 そこで、ハタと

「あれ? 私どこから見たんだっけ?」

 と見た記憶はあるのにその前後の記憶がありません。

 そして、その方達が。
「あそこらへんは住宅地で、そんな高い建物はないよ。どこから見たの?」

 と、もう私も大混乱です。

「えーどこから見たのか解らないです」

 と顔を強ばらせて言うと、その場の空気が少し凍り
軽い悲鳴が上がりました。

 でもですね、私は今でもその記憶があり、ハッキリとその時の光景が思い浮かぶので、多分、幽体離脱かもしれないな~ と今でも思って居ます。

つづく