「全く準備の無ひものに運の来やうがない」岡本かの子

『クリスマスの朝ごはん』PJさん【#才の祭】参加作

『サンタって、ほんとはパパやママなんだよ』
　同じクラスの子が、自慢そうに言った。そんなこと、ぼくはとっくにしってる。

　うちには、パパがいない。ぼくが4さいのとき“りこん”したからだ。
　それから3年、ぼくはママとふたりで暮らしてる。
　でも。クリスマスの夜にだけパパが来る。
　ぼくが、ねてから来て、ベッドにプレゼントをおいて帰っていく。
　去年、ぼくはねたふりで目を開けてみていたんだ。
　
　ことし、ぼくはサンタに手紙を書いた。
『パパとクリスマスの朝、一緒にご飯を食べたいです』

そしてパパは、クリスマスイブにぼくのベッドに座った。
「手紙をもらったよ」
　パパはポケットから薄い封筒を出した。
　ぼくがひらいてみると中にはきれいなチケットが一枚入っていた。

『パパとの朝食券　一生、いつでも利用可』

　ぼくは笑った。
「いっしょうなんて、ながすぎるよ」
　パパは笑った。
「パパには、足りないくらいだ。今はまだ、朝ごはんしか食べられなくて、ごめんよ。いつかまた、きみやママと一緒に暮らしたいんだ。がんばるよ」

　ぼくはベッドで目を閉じる。おとなには、おとなのはなしがあるんだ。
　それでも目が覚めたら、何かが変わっている気がする。
　まず、パパと朝ごはんだ。

ーーーーー了ーーーーー

ついに、ついにコピーミスを直しました、アホヒスイですm(__)m！

こちらはPJさんの「才の祭」イベント参加作。

『メインテーマ『2人の愛』サブテーマ『クリスマス・贈り物』』
という縛りのなか、多数の方がすでに心温まる作品を投稿していらっしゃって。
ヒスイはどうしようかなーと、きのうまで薄い熱の下で、うとうとと考えていましたら。
ようやくこれが、今朝がた降りてきました。
よろしくお願いいたします、PJさん。
〆切今日まで。いつもながら、ギリギリでゴメンナサイ(笑)。

そして夜は。
昨日の100本ノック④を出します。
まだまだ絶賛　修正中(笑)。まったくあたらしく、書き直しているようなものです(笑)。
それもまた、よし、ということにさせてください(笑)

ではみなさま。よき祝日をお過ごしください。
また夜にお会いしましょう。
縁起のいいゾウと小鳥の画像（マイトリ師匠・作）を添付しておきますよー！

#才の祭 #才の祭小説