面白い未来の作り方22「ドル箱ピクサーの秘密」

今日の話は、ピクサーのヒット作を連発する秘密です。

「ドル箱」と称されている会社、それがピクサーです。
1995年に世界初の長編フルCG(コンピュータ・グラフィックス)アニメーション映画『トイ・ストーリー』を発表以来、26年間ヒット作を生み出し続けるクリエイティブ集団ピクサー・アニメーション・スタジオ。

例えば『インクレディブル・ファミリー』
興行収入12億4280万ドル。1億ドルは2021年2月9日のレートで計算すると約104億ですから日本円で約1248億円となります。1億円が1248コと考えるといかにすごいかわかりますね(笑)

『トイ・ストーリー4』興行収入10億7339万ドル
『ファインディング・ドリー』興行収入10億2857万ドル
『ファインディング・ニモ』興行収入9億4034万ドル
『インサイド・ヘッド』興行収入8億5761万ドル
『リメンバー・ミー』興行収入8億708万ドル

興行収入とは、映画館の入場料金収入のことですから、それ以外に、おもちゃの収益も入りますからね。まさに、ピクサーは「ドル箱」なんです。

ピクサーの凄味はもちろん様々あります。最先端テクノロジーに支えられたアートとの融合。そして、名アニメーターのジョン・ラセターの存在、他にもいろいろな要素がありますが、今回、フォーカスしたいピクサーの凄みは、監督が変わってもすべての作品が傑作と言っていいくらいクオリティが高いところなんです。子どもから大人まで、世界中、誰が見ても面白いと言えるハイレベルな作品をよくも毎回作れるものだなと。
26年前に「トイ・ストーリー」を世に出してから、ずっとずっとですよ。

その秘密をピクサー創設者の一人、エド・キャットムルが著書『ピクサー流 創造するちから』(ダイヤモンド社)で明かしてくれています。

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エド・キャトムル写真 https://www.animationmagazine.net/people/an-interview-with-disneypixar-president-dr-ed-catmull/

この本には、衝撃の一言が書かれています。

書きますよ。心の準備はいいですか?






「ピクサー映画は最初はつまらない」






僕が言ったんじゃないですよ(笑)。これね、ピクサーの共同創設者の一人で社長をやってたエド・キャットムルが言っているんです。

「ピクサー映画は最初はつまらない」と。

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はい、私が言いました(笑)

エドはこう言っています。
「どの映画も、つくり始めは目も当てられないほどの『駄作』だからだ。乱暴な言い方だが、私はよくそう言っている。オブラートに包んだら、初期段階の作品がいかにひどいかが伝わらない。謙遜で言っているのではない。ピクサー映画は最初はつまらない」

ピクサー作品、初期は駄作であり、つまらない……いかにひどいかってレベルなのだそう。だから、僕が言ったんじゃないですよ(笑)。

でもね、そのあとにエドはこう言っているのです。

「ピクサー映画は最初はつまらない。それを面白くする、つまり『駄作を駄作でなくする』のが○○だ」と。

駄作を駄作でなくする必殺技がピクサーにはあるというのです。
それが○○であると。
ピクサーは、「駄作」を「傑作」にする魔法を発明したのです。
それが監督が変わっても26年もヒット作を世に送り続けられている秘密です。

実は、一時期、停滞していたディズニーアニメーションを完全復活させたのも、このピクサーの魔法の発明ゆえなのです。『ボルト』『塔の上のラプンツェル』『アナと雪の女王』『ベイマックス』『ズートピア』『モアナと伝説の海』などディズニーの昨今の大ヒットを生み出しているのも、ピクサーチームの頭脳ジョン・ラセター、そしてエド・キャットムルがディズニーアニメーションの社長を兼任する形で加入して以降なのです。つまり、この魔法は、ピクサーでも、ディズニーでも実証済みなのです。

「駄作」を「傑作」にする、この魔法は、ピクサーで
「ブレイントラスト」と呼ばれているものです。
「ブレイントラスト」は「ブレイン顧問団」と訳されたり「頭脳顧問集団」と訳されたりします。

すべては卓越した作品のために、誰がアイデアを出してもいいわけで、そのためにピクサーでは、スタッフが本音で話し合いをする制度があり、数ヶ月ごとに集まり、制作中の作品にあれこれ意見を自由に忌憚なく言い合える場を作るのです。その際は、スタッフの上下の垣根を取っ払い、皆が率直に話し合う。

時には、ヒートアップして、言い合いになることも当然あります。でも、それは相手の人格を否定するものではなく、すべては卓越した作品のために問題解決に向けた熱意の表れです。人と、その人のアイデアは違うのだという共通認識と、日頃の信頼関係あってこそできることではありますが。

具体的には、最初に脚本の絵コンテを描き、それに仮の声や音楽をつけただけの超ラフな段階でそれをチーム皆で見て、真実味が感じられない箇所、改善できる点、効果のない部分について議論するのだとか。皆でいい部分、弱い部分を指摘し提案や助言をするのです。
ポイントは、この「ブレイントラスト」には権限がないところだとか。チームのメンバーは自由に発言していい。そして、その「ブレイントラスト」で出た指摘や助言を最終的にどうするかは監督に任されるのだそう。

1つの映画を作るのにだいたい4年かかるそうですが、この「ブレイントラスト」を数ヶ月ごとに何度も何度もやりながら、1つの作品を仕上げていくのです。
それがピクサーの強みです。
「何カ月も駄作に取り組んでようやくいい作品になる」
「素晴らしいアイデアが生まれるためには、素晴らしくない段階が必要」
だとか。
また、どんなに才能を持った監督でも、映画を1本作るプロセスでは必ずどこかで自分を見失うそうで、だからこそ、チームのフィードバックがとても大切になるのだとか。

例えば、大ヒットした『モンスターズ・インク』
毛むくじゃらのモンスター(サリー)とかわいらしい女の子(ブー)との友情の物語ですが、最初は、自分にしか見えない恐ろしいキャラクターたちと闘う30歳の会計士の男の物語だったそう。30歳の男会計士が主役。かわいらしさのかけらもありません(笑)。

この30歳男がメアリーという6歳の女の子になり、男の子になり、また6歳の女の子に戻り、7歳に変わり(笑)、ブーという生意気な暴君のような女の子になり、最終的に、まだ言葉を話せない幼児になったのだとか。

『モンスターズ・インク』で初監督をしたピクサーのスタッフ、ピート・ドクターの基本コンセプトは「モンスターは実在していて、子どもたちを脅かすことを業にしている」「(問題)解決には大変な苦労を伴うけれど、終わるころには愛着のようなものがわき、終わってしまうと寂しく感じてしまう、それを表現したい」というところが軸にあり、「ブレイントラスト」を通して紆余曲折しまくりながら、最終的にこのコンセプトを最もうまく表現したいまのお話に辿り着いたわけです。
 

本音で話し合い、そこでの建設的な批評を謙虚に受け入れることができるかどうかが、「まあまあ」から「ワンダフル!」に、「いいね」から「ファンタスティック!」にできるかどうかの鍵を握っているわけです。

だからピクサーでは、誰もが途中段階の作品を見せ合い、誰もが提案できることを教えるのだとか。皆が互いから学び、刺激を与え合う関係なのです。

「映画は、ブレイントラスト会議の中で生まれる」
ピクサーでは、そんな風に考えられているのです。

本音を語るのは難しいことでもありますが
それがいいものをつくる唯一の方法だとエドは断言しています。
エドは、ピクサー創業してまもない頃から、皆で「何があっても本音で話そう」と約束したのだとか。だから、この「ブレイントラスト」こそピクサーで最も重要な伝統の1つになったのです。

なんのために本音で話し合うのか?
卓越した作品を生み出すためです。
ではなんのために卓越した作品を生み出すのか?

その答えをジョン・ラセターがNHKのドキュメンタリーで語っていました。
どうしてピクサーは20年以上もホームランをかっ飛ばし続けていられるのか興味を持って調べていたときに、僕が最も感動したところでもあるんですが、
番組のラスト、ジョン・ラセターはピクサーのオフィスの入口に飾られているアカデミー賞受賞のオスカー像が並んでいるところへカメラを案内します。
なんのために卓越した作品を生み出すのか?
この流れは、ハリウッドで最高の栄誉と言えるアカデミー賞のオスカー像のために、という流れじゃないですか。
でも、ジョンが案内したところは、オスカー像がズラッと並べられているその最後の端っこにそっと飾られていた「トイ・ストーリー」の主人公のカウボーイ、ウッディのボロボロになった古びた人形でした。服は破れ、左足もなくなっています。写真からは伝わりにくいんですが、映像をみるともっとボロボロなんです。
その人形が、オスカー像に並んで同じ棚に大切に収められており、ラセターは「このボロボロの人形こそ最も私にとって価値あるものです」と言うのです。

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   写真 https://jp.ign.com/movie/5122/feature/16

それは、6歳の子どもがずっとずっと大切に遊んでいたウッディの人形。でも親はボロボロになった人形を、新しいウッディ人形に替えてあげたかった。6歳の男の子は、親からの頼みをなんとか了承するものの、何年もの間、ずっと一緒に遊んだボロボロのウッデイを捨てることはできなかった……
このウッデイには、仲間のバズ・ライトイヤーとずっと一緒にいてほしい……。
だからバズ・ライトイヤーのいる場所に送ってほしい……。
男の子の願いによって、ピクサーに送り届けられてきたのが、このボロボロのウッディなんです。

ラセターは言います。
「私たちがアニメーション映画を作り続ける理由はここにあるのです。自分たちが生み出した架空のキャラクターが映画を見た子どもたちの中で本物になり、映画を見た後でもずっとそばにいたいと思ってくれること、このことのために頑張るのです」

ピクサーのスタッフたちは、コンピューターで生み出された架空のキャラクターが、子どもたちの心の中で本当の友達になるために日夜邁進しているのです。
そのために皆が心を開き、本音の対話、「ブレイントラスト」を積み重ねているのです。

作家の僕の例とピクサーの話を並列にして申し訳ないんですが、ピクサーの研究をしているときに彼らの想いに深く共感しました。僕は本を作るときに、「遠慮せずに赤字(ダメ出し)を入れてください」と編集者さんに頼みます。そして編集者さんとは別に、的確な赤字を出してくれるブレインに毎回ダメ出しを頼んでいます。もちろん「これはベストだ」と思って提出している原稿ですから、たくさんダメ出しをされたら数日は凹みます。
でも、この本をいい本にしたいと思い、その本の可能性に誰よりも想いを馳せてるのは自分なんです。だから、痛いところをつかれたダメ出しほど、しばらくすると、「確かにあの箇所は直したほうがもっと良くなる……」と誰よりもわかるのもまた自分なんです。
わが子である作品が少し良くするためなら、なんでもしてあげたい……。作品作りの最後は、そんな心境になってくるので、きっとピクサーの監督たちも、この「ブレイントラスト」によるブラッシュアップは、暗闇に落とされるような恐ろしい洗礼でもあり、同時に、自分の枠を超えて、新しい光を迎えにいく聖なる儀式にもなっているんだろうと感じました。

自分の限界までは自分一人で行けます。
でも、その限界を超えさせてくれるのが、
いいものを作りたいと想いを同じくする仲間たちの本音のフィードバックです。

天は、一人に問題を解決する全てのアイデアを渡していない。だから、みんなでそのカケラを集める必要があるんです。

あなたが本当に感じてることを勇気を持って伝えるんです。
そして、あなたの大切な人の声にも愛を持って耳を傾けるのです。

お互いに心を開きあって。

最後は愛と勇気が問われます。

その先に待っているのが、あなたの感動の冒険物語です。


Hi Future !

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駄作が傑作になる魔法、
それは、想いを同じくする仲間たちからの本音のフィードバック。
あなたもフィードバックチーム
「ブレイントラスト」を作ろう!

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100年後、僕らはこの星にいません。
だからこそエドは、自分がいなくなっても、ずっと生き続ける組織文化を創ることをずっと目指してきたのだとか。
どうしたら創造の命をつなげられるか。
その答えが「ブレイントラスト」なのです。
一人の天才に頼らない、駄作を傑作に変える魔法、
愛と勇気の本音のフィードバックを通して
皆の叡智を結集し
創造性の源泉を生み出すのです。

●THE WORK
2人でも3人でもいい。仲間を集めてあなたの夢、プロジェクトの
素晴らしいところ、
わかりにくいところ、
こうしたらもっとよくなるんじゃないかというところを
お互いに出し合う「ブレイントラスト」を始めてみよう。
今は様々なSNSがありますから、
いろんな形で、フィードバックをもらいやすくなっていますからね。
ブレインチームと一緒にお互いの人生を磨きあっていこう!


●THE WORD
「個人というのは他人の無限の可能性の1つであり、
 他人というのは自分の無限の可能性の1つである」byきつかわゆきお


さて、今回はまだまだ伝えたいことがあるんです。

このピクサーの文化を守ってくれた人が、
あのスティーブ・ジョブズななんです。


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ピクサーの前身は、元々はルーカスフィルムの新設コンピューター部門として1979年に設立しました。ルーカス自身がコンピューターに興味を持っていたから作られたのですが、当時は、全編CGの映画は「不可能」、夢のまた夢と言われていた時代ですから、ルーカスはこの部門は実写映画の向上となるツールを作ってくれたらいいという考えに留まっていました。一方、コンピュターグラッフィックスの研究者だったエドは、若い頃から、フルCGの長編アニメーションを作りたいという夢を持っており、その夢をあきらめていなかったのです。

しかし、財務状況が悪化するにつれて、この部門の売却を決められてしまうのです。業績も全く良くありませんから、全然買い手がつかないなか、手をあげたのが、自分が立ち上げたアップルを追い出されてしまっていた時期のスティーブ・ジョブズです。

そして1986年、ジョブズが買収し立ち上がったのが、ピクサー・アニメーション・スタジオです。とはいえ、ピクサーがこのあと作ることになる世界初の全編CG映画「トイ・ストーリー」で満塁ホームランを打つのが1995年です。それまで9年もあるんです。9年もどうやって持ちこたえてきたのか……紆余曲折ありながらも、ジョブズが投資し、利益を上げていない経営不振のどうなるかわからないピクサーを支え続けてきたのです。

ジョブズは無作法でわがままで、すぐに人を見下し、他人の感情をまるで気にしない、というふうに言われたりします。そういう面も確かにあったようです。
実際、マッキントッシュ・プロジェクトの考案者ジェフ・ラスキンはジョブズとは働けない11の理由を列挙し絶縁状を叩きつけてアップルを辞めています。
その11の理由には「ジョブズは人格攻撃が多い」「無責任で思いやりに欠けることが多い」などとあります。

アップルを追い出された直後のジョブズは、アップルに対して非常に感情的になっていたそうですが、一度、地獄を見たことで、ピクサーを立ち上げてからのジョブズは、次第に人の話にも耳を傾けるようになり人間的に大きく変わっていったそうです。
それにジョブズは、人と言い争ったあと、相手が正しいと納得したらその瞬間に考えを改めるような人でもあったとか。そしてジョブズと同じように情熱を燃やし、相手が正しいと納得したらその瞬間に考えを改めるピクサーの監督たちを見て、気があうと感じ始めたようです。

ピクサーの文化がディズニーに介入されそうになったときも、それを救ったのはジョブズでした。なんとピクサーをディズニーに売却し、ジョブズは、ディズニーの個人筆頭株主になり、ディズニーアニメーションの社長をピクサー創設者の一人、エド・キャットムルに、そしてピクサーの頭脳、ジュンラセターをディズニーアニメーションの最高責任者に添え、逆にピクサーの文化をディズニーアニメーションに移植し、ピクサーの文化を守るというミラクルCをやってのけたのです。そして、そのことがディズニーアニメーションとしても復活の狼煙となりディズニーアニメの快進撃が再び始まります。

晩年のジョブズは、人を喜ばせることの崇高さ、そしてその使命を心から理解していたとエドは言います。
傲慢に見えるくらい全てに自信を持っていたジョブズ。しかし、エンターテインメントは自分の最も得意とする分野ではないと自覚し「関わることができて幸せだった」とジョブズは言っています。ピクサーの頭脳の一人、ピート・ドクターはジョブズから「生まれ変わったらピクサーの映画監督になりたい」と言われたそうです。

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左がエド その隣がジョブズ。右がジョン・ラセター。
写真 https://iphone-mania.jp/news-57702/


ジョブズはよくこう言っていたとか。
「アップルの製品はどんなに素晴らしくても最後は埋立地に行く運命だが、
 ピクサーの映画は永遠に生き続ける」


アップルに誰よりも誇りを持ち、人生をかけていたジョブズ。そして誰よりもアップルを愛していた男がそう言うのです。この発言からも、ジョブズが、ピクサーの文化を心から愛し大切にしていたことがわかります。

そして2011年の秋のことです。
ジョブズからエドに電話があったそうです。
長年一緒に仕事をしてきたことを振り返り、その経験ができたことに感謝しているとジョブズは言った。「ピクサーの成功に関われて光栄だった」と……。

電話を切ったあと、エドはふと感じ取ったのだとか。


「これは別れの電話だったのだ……」と。



それからまもなくジョブズは膵臓の腫瘍を原因とする呼吸停止でこの星を去りました。


実は、スティーブ・ジョブズの作った「映画作品」がピクサーにはしっかり遺っています。それがこちらです!

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 (写真はBusiness Insiderより)

ジョン・ラセターはこういっています。
「スティーブは映像作品に携わらない分、私たちの一作品相当の予算と時間を使ってこのオフィスを作りました。これは言わば彼の作品でしょう」
ジョブズがデザインしたこのビルは、「スティーブズ・ムービー」とも呼ばれていました。スティーブの作った「映画作品」という意味合いです。

ピクサーで、巨大な社屋を作る計画が立ち上がった時、設計前は4つのビルを建て、部署によって分けるデザイン案だったのをジョブズは却下。ジョブズは、1つ屋根の下に全社員が入り、社員同士の「偶然の出会い」と「予期せぬコラボレーション」が生まれるようにデザインを変更。巨大なアトリウムを玄関とし、入口をこの1箇所にすることで社員同士が顔を合わせるようにし、カフェテリアやメールボックス、ジムや映画鑑賞部屋などの共同施設はすべて中央スペースに配置。全社員が必ずアトリウムを通る導線を作りました。そのため1日中、何かの拍子に誰かと行き合うために自然にコミュニケーションが生まれ、建物内に活気が生まれました。

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(画像はSpotlightより)

アトリウムは、真ん中のスペースを挟んで右側にはクリエイティブ系のオフィス、左側にはテクニカル系のオフィスがあり、人間の右脳と左脳をイメージしたデザインになっています。アートとテクノロジーが真ん中で出会い、融合する仕掛けをオフィスデザインに落とし込んでいるのです。

建物のあらゆることが、人々が混ざり合い、出会い、話をすることを促すように考慮されていました。ジョブズは、人と人が出会う場、交流できる場を何よりも大事にしたからです。

アイデアは人から生まれます。
いや、アイデアは人からしか生まれません。
そして、人と人が出会い、本音で話し、協力しあって磨きあって
駄作を傑作に変えていくのです。
それが、ジョブズ亡き後も受け継がれているピクサーの文化です。

ピクサーの頭脳だったジョン・ラセター。
ラセターは宮崎駿を師匠と仰ぎ、深くリスペクトしており、宮崎駿作品の英語字幕を監修しているほどです。
これは僕の推察になってしまいますが、宮崎駿のような天才が生み出すレベルのものを天才の不在でも生み出し続けていく魔法として辿り着いたのが、「ブレイントラスト」じゃないかと。

実は、僕も、自分の「ブレイントラスト(ブレイン顧問団)」を作って夢を叶えた一人です。
「このままサラリーマンでは終わりたくない」「フリーターでは終わりたくない」
と思っていた仲間4人でブレインチームを作って毎月1回、居酒屋に集まり、夢を語り、お互いにフィードバックし合い、それが実現するように応援し合う定例会を始めたのです。
「1人で夢を叶えようとしたら10年かかる。しかし4人で、4人の夢がみんな叶うように応援し合ったら、世界最速で夢が叶うんじゃないか?」と実験してみたわけです。
定例会を1年も続けると、奇跡が起きたかのように僕らの人生は変わっていました。作家になる僕の夢は1年で叶い、1億円プレイヤーになると夢を描いた菅野一勢さんもその夢を叶え、4人が全員想像を超える自分になれたのです。詳しくは『世界一ふざけた夢の叶え方』(通称セカフザ)をご覧ください。

この本は、ベストセラーになり、一時期はドラマ化の話まであったのですが、「ひすい役は小栗旬さんがいい」などとふざけたことを言ってましたら企画が立ち消えになりました(^^;;)
ピクサーの研究を始めた時に、「ブレイントラスト」は、僕らがやってたセカフザだって感じました。だから、この「ブレイントラスト」の効果は僕も身をもって感じていますので、あなたもぜひ自分のブレインチームを作ってやってみてくださいね。

セカフザ


僕は下記の本を書いた時もそうなんですが、ジョブズのことを書こうとするとなぜか涙が出てくるんです。

Hisui_Book_カバー_1028_帯有

ジョブズの晩年、最も長い間一緒に仕事をしたエド・キャットムルに、死ぬ前に「ピクサーの成功に関われて光栄だった」と電話するシーンがもう、泣けて泣けて……
ジョブズは、最悪なところが山のようにあり、
でも、かっこいいところもまた山のようにあった人物です。

僕もあなたもカッコ悪いこといっぱいあったと思うんです。
でも、それはいい。ジョブズだって、最悪ですから(笑)
でもね、たった1つでもかっこいいところがあったら
人生は合格じゃないかな。

このブログは、コロナ禍の中で、みんなに今こそ希望を届けたいと思って、
面白い未来を作るフォーミュラ(公式)を100個、
この星にプレゼントするんだって、僕の中で萌えています。
今日も長文最後までおつきあいいただきありがとございました。



ひすいこたろうでした。
Play with LOVE 
▲▲▲アリガ島▲▲▲ 


出典
『ピクサー流 創造するちから』(ダイヤモンド社)エド・キャットムル+エイミーワラス 石原薫訳
『メイキング・オブ・ピクサー 創造力をつくった人々』デイヴィッド・A・プライス 櫻井祐子訳(早川書房)
『DVD 魔法の映画はこうして生まれる』
『DVD ラセターさんありがとう』
ピクサー興行収入 https://castel.jp/p/5436
エドキャットムル写真 https://twitter.com/kingdomsmagic/status/773534534545514496?lang=es

まもなく開幕!
面白い未来を迎えに行くための連続ワークショップ『ひすいラボ』
シーズン4いよいよ開幕です。一緒に学び、一緒に遊ぼう。

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締め切りまでまもなくです。
https://www.reservestock.jp/events/506534

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