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とある山中の定食屋さんで、アジフライランチ
これを、いただいたんですね。
先日のことです。

アジフライとは、文字通り、
魚の「アジ」をフライにした料理です。

さて、アジフライを読者の皆様は
どれくらいの頻度で食べるでしょうか?


…これは推測に過ぎませんが、
「月イチ」で食べるくらいでしょうか?
それとも、一週間に一回くらいですか?
一年に一回、という人もいるかもしれない。

頻度は皆様のランチ、家庭によって
違うとは思うのですが。
私は、そんなに頻繁には食べない。
3ヶ月ぶりくらいに食べたんですよ。
レギュラーではないんです。

野球で例えて言えば、
「代打の切り札」「いぶし銀のベテラン」
そんな位置付け、でしょうか。

アジ、安くて美味しい魚。
うん、重々わかっています。

しかし「ランチのメインを張る」となると
なかなか登場しない、思い浮かばない。
そんな魚です。
鮭とか鯖とか、他の選手に一歩譲る。

他の食材や料理で言えば、
肉とか、カレーとかラーメンとか、
そういった「クリーンナップ」の皆様の
後ろに控える感じ
、なのです。

そんなアジがランチのバッターボックスで
スポットライトを浴びる、となると
「アジフライ」くらいしか
私にはパッとは思いつきません。

アジの干物は、朝食のイメージです。
南蛮漬けだと、小鉢の脇役。

アジの天ぷらともなると、
海老天や野菜の天ぷらとともに
その他大勢になりがち…。
寿司や刺身なら、
やはり海の近くで獲れたてのほうがいい。
そのように思ってしまう。

そう、この「アジフライ選手」が抜擢されて
食卓のスタメンにチョイスされるには、
かなりのランチライバルたちを
蹴散らさなければならない
のです。

フライならミックスフライのほうがいい?
いや、海老フライのほうが王道ではないか?
そもそも、今日は肉系の気分では?
無難にラーメン、カレー、牛丼…?

つい、起用をスルーしてしまうのです。

そんなこんなで、私の脳内で
監督の声が乱反射していました。

『ツーアウトで走者が二塁に行ったら、
今日はアジフライを代打で起用』


そう思いつつ、前のバッターが
ホームランを打ってしまったために
出番がなし…。また今度にしよう…。

そんなこんなで出番がなかなかない、
奥ゆかしいイメージ、なんです。

…ただ、あまりにも間隔が空くと、
なぜか、思い浮かんでくる。
食べたくなるんですよね。アジフライ。

シュアーなバッティング!
ここで一発、キヨシ!
完全に忘れ去られることは、無い。
頭の中のどこかには潜んでいる。
それもまた、アジフライという存在。

というわけで、この日は久々に
ランチのスタメンに起用されたのです。
皿のセンターラインに鎮座する、
どかんと我らのアジフライ!

とても肉厚でした。しかも、2尾!

タルタルにカラシの二刀流も、嬉しかった。
レモンは視覚にも爽やかさを添えて、
蕗の煮付けの小鉢に
きゅうりの浅漬けの小皿が
レフトとライトで脇を固めている。
もちろん「揚げ物の相棒」である
キャベツにトマトの生野菜たちが
カバーをするが如くフライの後ろに控える。
(フライ系には、野菜たっぷりが有難い)

出てくるのを待っている間に、
シュワー、シュアー、と揚げる音
厨房から聞こえてましたが、
その音が、けっこう長かった。

しかしこの肉厚ならば、と納得です。
アジフライはしっかり揚がっていてほしい。

目の前にどんと提供されたら、
あとはもう、あまり考えず、
ご飯とともに咀嚼するだけ、です。

…シャクッと、ジワッの、この旨味!
タルタルもカラシも醤油もソースも
何でも呼び込む、懐の深さ!
肉厚でパワーヒッターかと思いきや、
どんな球にも対応する柔軟性もある。

美味しい、本当に美味しかった。

その本体の味わいの淡白さから、
「ランチスタジアムのホームラン王」
とはいかないですけれども、

勝負強いバッティングで
チームには欠かせない選手の一人…!


私の脳内では、アジフライ選手が
「フライボール革命だ」とばかりに
まさかの思いきりの良いアッパースイング!
しぶとくライト前狙いか?と思っていた
守備陣はあっけにとられた。
レフトポール際ぎりぎりに飛び込む
今季1号をかっ飛ばしていたのです。

ここぞという時に頼りになる、いぶし銀!

そういったアジフライのようなキャリアに、
私は憧れます。


さて、読者の皆様も、たまには食卓に
アジフライ選手を起用してみませんか?
シャクッとシュアーな打撃、
いかがでしょうか?

きっと、味のある活躍をしてくれますよ。
ただでは、凡退しない。
忘れた頃にアジフライ、ぜひ、どうぞ。

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