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渦の中にいると、自分が回り、周りが回って見えます。
渦の外から見れば、渦の中の人が、回って見えます。

当事者は日々に忙殺され、周りが見えにくい。
部外者は日々に時間があり、客観的に見えやすい。

思いきって視点を外に置いて、
外から我が身を振り返る
のも時には良いのでは。

そこで本記事では、北欧はスウェーデンより、
三つほど「働き方・生き方」のご紹介をします。

日本で言う「生きがい」
世界で言う「ikigai」にも
関わってくるものかな、と思います。

◆ラーゴム

スウェーデンではLAGOMという考え方があります。
ラーゴム、またはラゴムとも読みます。

ラーメンがゴムの様に固い、とかではない。
むしろ逆で柔らかいイメージです。

あえて日本語に訳すと、
「ちょうどいい」「適度」「良い塩梅」
という概念だそうですが、

私的にしっくりくるのは
「ぼちぼち」という言葉です。
「もうかりまっか?」
「ぼちぼちでんな」という感じ。

要は、頑張り過ぎない、力を入れ過ぎない、
中庸、腹八分目、というところでしょうか。

ついつい頑張りすぎる、全力で駆け抜ける、
根性、ガツ盛りの行きすぎた体育会系ではなく、
「ゆるゆわの文化部系」というイメージ。

ついつい頑張り過ぎてしまう方は、
「ラーゴム」の精神で、
「ぼちぼち」いくのはどうでしょう?

◆フィーカ

お次はFICA。
フィーカと読みます。

要するに「お茶しない?」
「コーヒーブレーク」ですね。

ただ違うのは、一人で飲むというよりは、
複数でわいわい話しながら、
お菓子などと一緒に飲むこと。
「茶話会」にも似ているかもしれません。

少し余談を挟みますが、

スウェーデンはシナモンロールの発祥の地で、
10月4日はシナモンロールの日だそうです。

1920年代初頭にシナモンロールが
考案されたとのこと。
第一次世界大戦後、流通が再開され、
材料であるバター、小麦粉、シナモンが
手に入るようになりましたが、
行き渡るのはまだ富裕層のみ。

それが1950年代に入ると生活水準が上昇して、
誰もが簡単に安く材料を
手に入れることができるようになりました。
当時は専業主婦が多かったため、
「それぞれの家庭でのシナモンロール」が
普及していったそうです。

家庭の味の味噌汁!ではなくて
家庭の味のシナモンロール!
があるんですね。

話を戻しましょう。

日本では、コンビニでコーヒーもシナモンロールも
買うことができますが、
どちらかというと「仕事中のお茶」は
一人でほっと一息、というイメージが強いですよね。

そうではなく、みんなで共有する
おやつとコーヒーの時間!


先ほど、茶話会と表現しましたが、
お茶菓子と抹茶でおもてなしの
「茶道」にも似ているかもしれません。

ですが、茶道には決まりがあります。
正座して「けっこうなお点前で」というイメージ。

そうではなく、フィーカは
ざっくらばらんにリフレッシュする場です。

茶道のようにもてなす側と
もてなされる側が分かれているわけではない。
「主客平等」で、フラットです。

ついつい連続で仕事をし過ぎる方は、
フィーカの精神で
メリハリをつけてみてはいかがですか?

◆ライフパズル

最後に「ライフパズル」の考え方をご紹介します。

日本には「ワークライフバランス」という
言葉がありますが、似て非なるもの。

日本ではどちらかというと「ワーク」が主、
それに対して「ライフ」をどう調和させていくか、
という考えになりがちですよね。

「ライフパズル」では、そうではない。

そもそも、ライフの一部がワークではないか?
ライフとワークは厳密に分離できるのか?
色々なものが、ピース(凸凹のかけら)が、
複雑に組み合わさってできているもの、

ではないでしょうか。

「パズル」ですから、ジグソーパズルを
思い浮かべると良いと思います。

自分のピースを、自分なりに組み立てていく。

すでに決まったピース、
大きすぎるピースに
自分という凸凹のピースを
無理やりあてはめていくのではなく、

自由にその時々の状況に合わせて
変幻自在に組み合わせていく。


「家族」というピースを増やす時期もあれば、
「仕事」というピースを増やす時期もある。
「趣味」というピース、例えば、
食べ歩きというピース、読書というピース、
色々考えられます。

しかしあくまで、組み立てるのは自分。

パズルを組み合わせるのは自分なんです。

組織が主体ではありません。
組織にあらかじめ決まったパズルを渡され
それを言われるがまま組み立てるのではなく、
自分が一からピースを
集めて組み立てていくのです。

終身雇用で、就職したら結婚して
子育てしてローン組んで、という
すでに決まった路線をなぞるのではありません。
これが、ライフパズル。

「プロティアン・キャリア」の考え方にも
(全部ではないですが)
共通する部分があるのかな?と思っています。

この先、決まった人生を
歩んでいくしかないのかな…と、
何となく軽い絶望を感じている方は、

「ライフパズル」の精神で
自分の「生きがい(ikigai)」のピースを探り、
人生を組み立てていくのはいかがでしょうか?

最後にまとめます。

本記事では

◆ラーゴム(ぼちぼち)
◆フィーカ(みんなで茶話会)
◆ライフパズル(自分が組み立てる)

という、スウェーデンの考え方を
三つほどご紹介しました。

日本発の「生きがい」という言葉・概念が
「ikigai」として、世界中で研究されています。

となれば、日本語では表現しづらい
世界の生き方、世界の言葉も、
この世にはたくさんあふれている、とも思います。

日本語の世界だけ、日本の概念だけで
生きていくのは、もしかしたら
「窮屈」に感じることがあるかもしれません。

そんな時は、ちょっと離れて、
世界の「地理や歴史」に、
世界の「言葉や概念」に触れてみる
のは
いかがでしょう?

読者の皆様は、ラーゴム精神で生きていますか?
時にはフィーカをしてみませんか?

…あなたのライフパズルは、どんなものですか?

(リンクはスウェーデン大使館の
ホームページにリンクが貼られている
「SWEDEN DIGITAL VILLAGE」です↓

スウェーデンに興味が出た方は、ぜひ)

※本記事は以前に書いた記事の
リライトです。
参考にしたホームページへの
リンクも貼っています↓
『遠い国の視点で我が身を振り返る』

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