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のり弁をにぎる ~ポジティブな感動体験~

『のり弁にぎりました』

…こんなユニークな商品があることを
ご存知でしょうか?

日常的に電車を使う方ならば、
「あれ、そんなん、常識でしょ?」と
思われるかもしれません。
でも、自動車で移動することが多い方なら
「またまた、嘘だァ、あるわけないよ!」
と思うかもしれない。

私は、後者でした。
存在に気が付きすらしなかった。
自らを恥じています。

私は、日常では、あまり電車は使いません。
自動車のヘビーユーザーです。
買い物は、ロードサイドの
スーパーやコンビニが多い。
いわゆる「駅の売店」には
現在はそんなに馴染みが無い…。

駅の売店と言えば「NewDays」が有名ですね。

NewDays(ニューデイズ)とは、
「JR東日本クロスステーション
リテールカンパニー」が運営する、
日本のコンビニエンスストア。
主に、東日本の鉄道駅に出店している。
他地域の在住の方には馴染みが無いかも
しれませんけれども、
東日本の鉄道駅では、よく見かける。

最近、私はそこで初めて
『のり弁にぎりました』のおにぎりを
見かけたんですね。
その数瞬後、それをレジで持っていき、
買っている自分に気付いた。
いわゆる「衝動買い」でした。
「こ、これは買わなきゃ!」と思った。
そんな怪しい魅力が、この商品にはある。

本記事では「のり弁にぎりました」と
その背景について書いてみます。

味は、まあ、皆様が
想像されている通りです。
ザ・のり弁ですね。
「ほっともっと」のアレなどを
思い浮かべてもらえればよい。

ご飯、海苔、白身魚フライ、
タルタルソース、ちくわ天、
唐揚げ、玉子焼き、きんぴら。
ご飯は、おかか風味です。

「…いやあ、のり弁、にぎってるなあ」

としか思えないような味!
私は咀嚼しながら、何だか涙が出てきた。

何に心を動かされたのか?

この冗談のようなメニューを考案し、
こうやって形にして、
商品として販売できるまでには
どれくらいの葛藤と試行錯誤があったのか。
生み出された背景に、何があったのか?
そんな遥かな旅路を想像して、
感動と感興をそそられたのです。

ちょっと調べてみました。
そこには、紆余曲折の道のりがあった。

まず、NewDaysについてです。

生まれは1987年4月のこと。
中曽根元総理の肝入りで始まった、
いわゆる「国鉄分割民営化」がきっかけ。
JR東日本関連事業本部が、茨城県内、
常磐線の「高萩駅」前と「友部駅」前に、
コンビニタイプのお店を開店します。
同年6月には「東日本キヨスク株式会社」創立。

民営化にともなって、
鉄道会社も新しいビジネスを始める…。
1980年代と言えば、バブル経済ですよね。
24時間タタカエマスカ。
コンビニが、徐々に全国で増加していた。
その波に乗っかったんです。

「NewDays」が爆誕したのは2001年。
ジェイアール東日本コンビニエンス株式会社が
運営する「JC」というお店と、
東日本キヨスク株式会社が
運営する「ミニコンビ」というお店、
さらに、株式会社ジェイアール東日本商事の
コンビニエンス部門が統合されて、
NewDaysという屋号が打ち出される…。

ご存知の通り、日本のコンビニ史は
合従連衡、統合と廃止の歴史です。
様々な屋号を持った駅のコンビニが
合併して「新しい日々」になる。

…でも、駅のコンビニ、と言えば、
ロードサイドのコンビニとは
一味違います。違わなければいけない。

と言いますのも、利用客のほとんどは
鉄道を利用する方々です。
鉄道には発着時間がある。
駐車場で、マイカーの中で
のんびりできるロードサイドとは違い、
とにかく回転、速度、インパクトが大事!
老若男女、通学・通勤・出張・旅行・帰省、
さまざまな事情を持った方が立ち寄る…。

(ここから引用)

『一般のコンビニのおにぎりが
自宅やオフィスへの持ち帰り需要が
メインであるのに対して、
NewDaysのおにぎりは
旅行や出張の電車内、
なかにはホームで立って
召し上がる方もいます。
そうした幅広いシーンに対応して
バリエーションが広がってきたのが、
NewDaysのおにぎりです』

(引用終わり)

そう語るのはJR東日本クロスステーション
リテールカンパニーの商品戦略部、
増村卓さん。

元々「味付海苔おにぎり」や、
厳選した具材の「こだわり黄金」シリーズ、
海苔を使わない「直巻きおにぎり」など、
ユニークなおにぎりがあったそうです。

土台は、あったのです。

しかしこの「のり弁にぎりました」のような、
ある意味「狂気」とも思えるおにぎりが
生まれるには、それだけでは足りない。
何か、強烈な契機があったはず。
なぜ生み出されたのか?

さて、問題です。
読者の皆様は、何がきっかけだと思いますか?





ピンチ。電車客。減少? 存亡の危機?

そうです、2020年から本格化した
「コロナ禍」がきっかけだったそうです。

(ここから引用)

『電車の乗降客数が減るなか、
NewDaysのお客さまには
それでも電車を利用せざるを
得ない方々が多かった。
暗い話題が多いなか、せめて
食だけでも「楽しい」「びっくり」といった
ポジティブな感動体験を提供したい
という思いから
「スゴおに」シリーズは始まりました』

(引用終わり)

ニュースは連日、コロナ罹患者数を報道。
通学や出勤は少なくなり、リモートも普及。
そんな中、感染症の恐怖に悩みつつ、
鉄道を利用し、移動する人たちがいた…。

そんな乗客に向けて、
少しでも感動体験を味わってもらいたい!
生み出されたおにぎりだそうなのです。

『スゴおに』とは、スゴいおにぎりシリーズ。

文字通り、インパクトは絶大でした。
のり弁、にぎっちゃったのかよ!
ラインナップはどんどん増えていき、
SNSでバズる。2021年6月の発売開始から
わずか1年で主力商品へと躍り出た。
まさに「おにスゴい」躍進…!!

◆スゴおに生ハムクリーミーチーズ寿司
◆スゴおにお子様ランチにぎりました
◆スゴおに豚骨ラーメンにぎりました
◆スゴおに博多明太のり弁にぎりました

などなど、ユニーク過ぎる様相を見せながら、
今日も進化し続けています。
(というか、ラーメン、にぎれるのか)

最後に、まとめます。

本記事ではNewDaysの
『のり弁にぎりました』を発見した感動から、
「スゴおに」シリーズが生まれた背景や
歴史を探ってみました。

機械で自動生産することが無理なので、
大手コンビニでは販売は難しい。
10人前後のスタッフが一つずつ具材を載せて
生産しているそうですよ。


主に自動車で移動している皆様、
時には鉄道や駅を利用してみて、
ついでにNewDaysにも立ち寄ってみては?

きっとポジティブな感動体験を
味わえますよ! 私も今度は
「スゴおに豚骨ラーメンにぎりました」
探してみたい、と思います。

※引用元の記事はこちらです↓
『「お子様ランチにぎりました」
“おにぎり”にこだわる駅ナカコンビニ
乗降客数減少でもコロナ前より売上増加なワケ』↓

※『スゴおに』シリーズのラインナップはこちら↓

※よろしければ私が以前に書いた
コンビニの記事もどうぞ↓
『銭と欲望の不夜城 ~平成とコンビニ~』

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