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スキヤキとヤミナベ ~業務と組織の四象限~

定型業務と、非定型業務。
ルーティンなワークと、アドホックなワーク。
どちらがお好きですか?

世の中には、決まった業務を着実に
行うのが好き、性に合っている人と、
出たとこ勝負、一期一会の業務を臨機応変に
行うのが好き、という人が、いますよね。

言い換えれば、定型業務か、非定型業務か。
ルーティンか、アドホックか…。

これをあえて例えるとするならば、
ルーティンは「スキヤキ(すき焼き)」です。
様式美。いつものアレ。
割り下に牛肉を焼き、生卵を溶いたものに
絡めて食べるのがスタンダード。
具材もだいたい、決まっています。
皆様も、味を想像することができるのでは?

一方、アドホックは「ヤミナベ(闇鍋)」です。
一期一会。唯一無二。
具材はその時にあったものをぶちこむから
何が飛びだすか、わからない。
もう一度作れと言われても、作れない。
味を想像することが、全くできません。

私はこれに、組織の形態を二つ加え、
四象限に分けてみたい、と考えました。

組織:ピラミッド(固定)/ジグソー(流動)
業務:スキヤキ(定型)/ヤミナベ(非定型)

それぞれ、見ていきましょうか。
さて、読者の皆様は、四つの象限のうち、
どれがしっくりと来るでしょうか?

①ピラミッド組織でスキヤキ業務

とても、がちがちですよね。
イメージとしては、公官庁で
日々決まった事務書類を処理する感じです。
積み重ね、年功序列、定時厳守…。
役割が明確、任されたタスクを手順に則り、
着実に解決することを求められます。
ルール違反は厳禁です。

②ピラミッド組織でヤミナベ業務

がちがちの組織の中にあって、
何をやってるかわからない「爆弾処理班」。
営業や企画、内偵とか、イベント係とか…。
経営者のゴルフ商談とかも入るかもですね。
スキヤキ的な定型業務を
頑張ってやっている人たちから見れば、
「あいつ、遊んでんじゃねえの?」と
陰口を叩かれる危険性がありそうです。

③ジグソー組織でヤミナベ業務

とにかく刹那的、一発ものの職人的なお仕事。
メジャーリーグでクローザーや代打専門、または
漫画『ゴルゴ13』の暗殺業務のイメージ。
非定型で非日常、何が起こるか全くわからない。
決まった手順やルールなど、ありません。
そこで常に結果を出し続けるのは、
個人に確たる力がないと難しいかもしれません。

④ジグソー組織でスキヤキ業務

流動的でばらばらな組み合わせの組織の中で
ルーティンな定型業務をこなすイメージ。
周りが浮草稼業な流動メンバーのため、
核となり、いると安心な「事務局係」。
シフトが流動的なコンビニの店長さん、
と言ってもいいかもしれない。
責任感が必要ですよね。
ばらばらのメンバーを「統制」するので、
時には嫌がられることもありそうですが。

…あえて極端な四象限に分けてみましたが、
読者の皆様は、どれがしっくり来ますか?

念のために補足しますが、
どれが上でどれが下、というわけではないです。
着実な手順に則った、定型業務。
ケースバイケースの、非定型業務。
…どちらも必要なものですよね。

特に組織、複数でビジネスする場合には。

もちろん実際の組織や業務現場では、
どちらかに全振りする、というよりは
ハイブリッドなケースが
ほとんどだと思います。

漫画『美味しんぼ』で山岡さんが
しゃぶしゃぶっぽいスキヤキの食べ方を
編み出して「シャブスキー」と名付けたように、
定型業務でも創意工夫はできますので
(ネタが古くてすみません)…。

ただし気を付けないと、つい
①と③、②と④という、
対称的な象限にいる人のことを、

「自分とは相容れない!」と
お互いを嫌い合ったり、批判し合ったりする
傾向があるように思われます。
ほら、フリーランスの方は公務員を
「組織の犬め!」「何が面白いんだか…」と
批判したりしがちでしょう?
逆に公務員の目から見れば、フリーランスは
ギャンブラー的な「ならず者」として
映っているかもしれません。

それは、とにかく無事平穏を願う親が
子どもに「やはり安定が一番」と
自分の価値観を押し付ける様にも似ています。
人間、自分の経験や価値観に合っていないものは
どうしても想像しにくいものですから…。


ですが、たとえ相容れないとしても、
この「つながりの時代」を
乗り越えようとするのであれば、

たとえ自分がするのはまっぴらごめんでも、
お互いにやっていることを想像し、理解し、
リスペクトすることが大事

なのではないでしょうか?
顧客の足りないところを補って
報酬を得るのがビジネスでもありますし…。

最後に、まとめます。

固定(ピラミッド)か、流動(ジグソー)か。
定型(スキヤキ)か、非定型(ヤミナベ)か。


一長一短、向き不向きがあります。

スキヤキ好きな人がヤミナベを食べれば
「こんなん、思ってたんと違う!」と
ちゃぶ台をひっくり返しそうになりますし、

ヤミナベ好きな人がスキヤキを食べれば
「なんや、面白みがあらへんわ」と
つまらなく思うかもしれません。

自分自身は、どれが好きなのか?
四象限のうち、どこが適しているのか?
足りないものを、どう補うのか?
全く理解できない象限を、どう満たすのか?

そういうことを見極めて、
どうしても自分、自社にはできないことは
他人、他社に代わりにやってもらう、

そういう判断が仕事、ビジネスの上では
大事なことかな、と思いました。

ちなみに「複業」によって、
複数の象限に身を置くのもあり
です。
別にどこか一つに必ずいなきゃいけない、
という時代でもありませんし。

読者の皆様自身や皆様の組織はどうですか?
あなたは今、どの象限にいますか?

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