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史上最強の大関

ずいぶん間の空いてしまった「史上最強」シリーズですが、最後に残ったのは「大関」です。

けっして忘れていたわけではないんですよ。でも今ひとつ気が乗らなかったのは、調べるまでもなく、「最強大関」はわかっているからなんですね。まあ気を取り直していってみましょうか。

まずは、いつものように、大関在位場所数の上位十傑を紹介しましょう。

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ご覧のとおり、いずれ劣らぬ人気力士、強豪力士ばかりです。相撲協会の看板である「大関」を長年背負って、毎場所のように土俵上からの理事長挨拶にも同席しているのだから、知名度が高いのも道理。

で、そのうちで「最強大関」は誰なのか? 

在位65場所、つまりほぼ11年間にわたって大関の座に君臨した(逆に考えれば、ついに横綱にはなれなかったんですが)魁皇千代大海の二人が、在位場所数でトップに並んでいます。ごらんのとおり、在位中の勝率も悪くなく、最強大関はこのどっちかで文句のないところ。

甲乙つけがたいところではありますが、やはり大関在位中の優勝回数4回と、千代大海の2回を上回る魁皇に軍配を上げざるを得ませんね。この二人は同時代の力士なので、直接対戦成績を見るのも一手ですが、ここでも魁皇が35勝20敗(1不戦勝あり)とリード。通算勝ち星等でも大相撲記録を持つ魁皇ですが、最強大関の称号も獲得です。よっ、史上最強大関!

そのほかでは、このメンバー中で最高の在位中勝率を誇る貴ノ浪も見逃せません。先日惜しくも急逝されましたが(合掌)、勝率6割超のうえ、休場も少ないのはポイント高いんですが、この中では唯一、大関陥落(復活しましたが)があるのは、ややマイナスですかね。

ところで、奇しくも10位に並んでいる武蔵丸琴桜ですが、このメンバー中ではこの2人だけが、最終的に横綱に昇進していますね。そんな2人を「最強大関」にランクインさせるのは、ちょっとアレですねえ。

そこでこの2人を除くと、第10位には在位30場所の北葉山栃東が繰り上がりでランクインしてきます。かたや柏鵬時代の名脇役・北葉山(在位中優勝1回)。一方の栃東は、在位中に3回の優勝を記録し、現在のところ最後の日本出身の優勝力士だったりするので、ポイントも高めですかね。

まあ上記の9人にこの2人を加えた11人が、「大横綱」ならぬ「大大関」といっていいんでしょうね。語呂と字面がカッコ悪いですが。あ、「名大関」でいいのか。

それにしても、この「名大関」たち、比較的最近の大関ばかりなのは、なぜですかね? というのも、1969年7月場所以前、大関は3場所連続負け越さないと陥落しない制度だった(現在は2場所連続) 当然その方が長期在位には有利なはずですが、9位の豊山以外はすべて2場所で陥落時代の大関たち。近年のほうが力士は長持ちしてるのかな。

いずれにせよ名だたる名大関ぞろいのこの争い、魁皇が史上最強大関であるという結論はまったく揺るがずに、おしまい。

というだけでは、あんまりにも物足りないので、ついでに在位が少ないほうも調べてみました。短命大関。もちろん、さっさと横綱に昇進して在位場所数が少なくなったみなさんは、除外ね。

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こちらは大関陥落組がほとんど(そりゃそうか)ですが、それなりに記憶に残る名力士が多いですね。二度にわたる陥落を経験しながらも、陥落後に優勝をなしとげ(在位中優勝こそないが2回の優勝あり)、引退後は理事長にもなった魁傑がここにランクしているのも面白いところ。

ちなみにこちらはすべて、2場所で陥落時代の大関たち。まあ厳しいわな、そりゃ。

現役の4大関は、このどちらのリストにも名を連ねず、速やかに上を目指すようにしていただきたいものですね。

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(2015/7/16追記 短命大関表のエラーを修正しました)


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