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ヒットの種:マーケティング入門⑭-3・製品ライフサイクル/成長期

今日もご覧いただきありがとうございます。
ヒット商品研究所では、ヒット商品のヒット理由を法則として分析していますが、様々な理由の中から、特に重要なものを抜き出しているのが実情です。法則の再現だけでは、ヒットに繋げるのは難しく、マーケティング戦略を組み立てなければなりません。
ここでは、マーケティングの初心者向けに、マーケティングの基礎を解説していきたいと思います。

さて、前回は製品ライフサイクルの導入期について説明しました。

・製品ライフサイクルの概要についてはこちら↓

今回は二番目のステップ、「成長期」になります。

成長期のマーケティング戦略

製品ライフサイクルにおいて、成長期は売上と利益が急速に伸びてきます。顧客層が、とにかく新しいものが好きでどちらかというと自己満足の「革新者」から比較的新しいものが好きで他人にも影響を与える「初期採用者」に移ることが背景にあります。

人口に占める割合が大きくなっていくことで売上・利益ともに増えていくわけです。初期採用者は他の消費者層にも、口コミなどで影響を与えるので「オピニオン・リーダー」とも呼ばれます。「話題のあれ、買ってみたんだけど、なかなかいいんだよね」と、周りにお勧めするような人ですね。
成長期では市場が成長しているため、競合企業が続々と参入してきます。そのため、成長期の基本的なマーケティング戦略は「自社ブランドの浸透」となります。
そのためにやるべきことは下記になってきます。

①プラスアルファを充実させた商品の開発

自社ブランドの浸透のためには、他社との違いがあることが大前提となります。ただし、すでに市場の商品があることから、ライバルも商品の分析・改良ができます。製品の基本機能は他社も作りこみができるので、基本機能とは別のプラスアルファ部分で違いを出していくとよいでしょう。
扱いやすさや使いやすさに加えて、例えば、付属品が充実していることや、長期保証、アフターサービスの充実などが考えられます。商品が同じでも、サブスクのように販売方法を変えるのも手です。「このブランドだから」という理由で買われるブランディングもこのプラスアルファに入ります。

②売場面積を広げる

成長期の後に来る成熟期のポジションは、成長期に決まることが多いようです。成熟期以降を有利に過ごすためには、成長期のうちに「定番」になっておくことが重要です。
そのために、売場における自社商品の展開率を高めます。店頭では物理的に決まった数の商品しか置けません。その中で、自社の商品が増えれば、自然と購入の確率が高まり、定番として実績が作れます。
売場面積を広げるための手法として、商品開発としてはラインナップの拡大が挙げられます。複数のターゲットに向けた商品をそれぞれ用意することで、売場に自社商品を複数置いてもらえるようにします。

③不特定多数に向けた販促

「定番」になるためには、売場面積と併せて、多くの人に認知してもらう必要があります。
できるだけ多くの人の手に商品を届けたいので、可能な限り多くの人が見ているようなメディアを活用します。テレビCMや雑誌広告など、マスメディアでの宣伝が理想的です

なお、導入期から成長期へ移行する際に、デファクト・スタンダードの確立が条件となることがあります。デファクト・スタンダードは競争者間における技術規格の業界標準化です。これには様々な例がありますが、例えばBlu-rayが挙げられます。
かつてBlu-rayとHD-DVDが競い合っていましたが、Blu-rayに統一されることになりましたね。規格が統一されることで、私たちは安心してプレイヤーやレコーダーを買うことができますし、映画等の製作会社も安心して自宅やレンタル用のBlu-Ray版の生産ができます。また、様々なメーカー・ブランドから、録画用メディアが販売され、商品のバリエーションも増えます。
このようにデファクト・スタンダードによって、メーカー、消費者ともに好循環が生まれ、消費活動が活発になり、導入期から成長期へと移行することがあります。

今日はここまで!

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