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ミミッキュとお友達

私はポケモンについてあまり明るい方ではない。151匹が言えて、3DSLite(だったと思う)でダイパやったなーっていうくらい。
なので最近のはあんまり。

それでもある程度代表的なポケモンは、自然と微弱な知識が刷り込まれてくる。
ミミッキュも、その1匹。
『人気者になりたいからピカチュウの真似をしてる』ことが妙に健気で愛らしく、人気のポケモンだと聞く。


今検索したら、『真の姿を見ると謎の病にかかるから見てはいけないという伝承がアローラ地方にある』みたいな話が出てきて、(歴史的な部落の差別にありがちなやつでは……?)ってちょっと頭を抱えた。ポケモン、ちょいちょいそういう重いの混ぜてくるよな。

あれだけポケモン関係の科学者がいるんだからもっとそのへん科学的に解明してもらって……いやそれも人間のエゴか、彼らは己の姿を明るみに出してほしくないのでは、実はミミッキュ自身が流した噂の可能性も……などと色々考えてしまう。この僅かな設定でストーリーがいくらも広げて解釈できてしまうの、ほんと沼。
えぇい、一旦ストップストップ。


という話を前提に。


さて、娘は寝る時に『オヤスミマン』を使っている。オヤスミマンはポケモンコラボデザインなんだけど、ちょっと前まで『トイトレのごほうびシールに!』っていう名目で、オムツを止めるシールの上に更にポケモンのシールをくっつけていた。結局トイトレ用には活用しなかったものの、風呂上がりに娘が「シール!!!」と喜んでいた。
ちなみに現在、ほぼ似たデザインで『シールとして個別に切り離すことはできず、ただオムツを止めるテープの上部にポケモンの絵がついた』だけになっていて、娘が時々「しーるぅぅぅ!!!!!」と癇癪を起こしている。正直勘弁してほしいんだけど、なんで変えちゃったのオヤスミマンさん。コストダウンなの?戻して?????
(最初の頃は「ここにシールつけても、トイトレ用には使わんやろww」って笑ってたんだけどなぁ……!)

企業への不満はさておき、最近娘のオムツをL→ビッグへとランクアップした。
たまたま以前夫が間違えて購入したビッグがうちにあって、それの分だけ個別シールタイプが復活して娘は大喜びである。まぁ、言うて残り数枚だけども。
そんで昨日用意したオムツのシールが『ミミッキュ』だった。

「ママー、これだぁれ?」
「えーとね、ミミッキュ。お友達がほしくて、ピカチュウのまねっこしてるんだって」
「みみっきゅ」

言いにくそうに復唱する。
今書いててやっと気づいたけど、これ『ミミック』的な単語から来てる名称か。バリヤードとかウソッキーとか、擬態・真似系のポケモンは他にもいるはずなのに、妙に物悲しさを込めつつ可愛らしい名前に仕立てるの天才かよ。

「ミミッキュ、貼っていい?」
「いいよー」

娘はいそいそと壁にシールを貼り付けに行く。
台所の近くの壁は、娘のシールコーナーだ。たまにそっと剥がしても文句が出ないのが助かるところだけど、ある程度はご自由に空間。
そこには昨日のオムツの『ゲンガー』もいた。

「これだぁれ?」
「ゲンガー」
「みみっきゅ、お隣に貼ってあげる!」

娘は丁寧に2匹を並べ、貼り直す。
3歳児の割に、まっすぐきっちり貼る能力がしっかり育っていて感心する。並べたシールに、娘が話しかける。

「ミミッキュ、こんにちは!仲良くしてね!」

……なんかこう、素直すぎて泣けてくるなぁ。
娘の目に映るのは、『ピカチュウに似た子』ではなく、『ミミッキュという名前のキャラ』なのだ。ばけのかわが剥がれてしまったその下がどんなにおぞましい顔をしているのかは私にはわからないけれど、おそらくよほどのことがなければ娘は同じように挨拶をして、お友達になってくれたのではないか。それは最終的に、ミミッキュが求めている『お友達』の在り方なんじゃないかなぁ。
友達作りって難しいものだと思われがちだけど、あんまり気構えずにこのくらいさらっと挨拶するだけで、案外上手くいくものなんじゃないかなぁなんて、しみじみと考えさせられた。

その素直さと優しさ、いつまでも持ち続けてほしいねぇ。

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