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今田耕司、ヘッタクソやなぁ!

と、あの番組を見て思ってるのは私だけなんだろうか。


タイトルでいきなり批難しているけれど、別に私は今田耕司という芸人さんが嫌いだと思ったことはない。特別好きな訳でもなく、テレビで出てたら「あぁ、今田さんやね(知ってる芸人さんおるなぁ)」と認知する程度。
バラエティのMCなどをしている印象の方が強く、いわゆる『芸人』としては放課後電磁波クラブくらいしか知らないのだけれど、とりあえず芸能界での大御所の1人であることには間違いないだろう。もうタレントだか芸人だか、ようわからんとこにいる感はあるけど。

そんな今田耕司が、朝のEテレにいる。
番組名は、『オハ!よーいどん!』。
金曜日の朝6時40分から、僅か10分間(子ども番組としては全く珍しくない。むしろよくある時間枠)。最近始まった新番組なのかなと思ったけど、EテレのHPによれば、3月にもやってたらしい。

半年前に一度やったのが好評だったからまた放送する……ことになったのかどうかは、私は知らない。もしそうだとしたら、こんなnoteを書いている私の方が、見る目がないのかもしれない。
でも第1回から感じていた違和感が、第2回でもがっつり感じられてしまったので、モヤモヤの昇華兼『何がそんな違和感なのか』の考察としてnoteにしている。


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まず最初に思ったのは、『リアクションうっす!』だ。
10分間、彼はほぼ動かない。ずっと座りっぱなしで、リモート先にいる子どもに話を振り、『会話』をしている。画面全体としての動きがほとんどない。カメラとして『どこをズームアップするか』程度しか、画面の変化がない気がする。

そして思う。
これは、『19時にやるバラエティ番組のMC』のやり方だ。司会者が立つ場所がほぼ固定され、あくまで『番組の顔ではあるけれど、仕事としてはゲストに話を振ったり相槌を打ったりするサポート役』が仕事。決して主役として前に出ない。

MCとしてそれ自体が間違っている訳ではないのだけれど、ここ半年、テレビ番組の9割がEテレの子ども番組だった私からすると、それは大きな違和感だし、『子ども番組のMC』ではないよなと思ってしまう。
私の敬愛する『おかあさんといっしょ』などのおにいさんおねえさんたちは、MCであると同時に主役だ。子供たちをゲストに呼んでいる(=主役)という番組の特性上、ある程度他の子ども番組と写し方の違いはあって然るべきなのだけれど、それでも『子どもと一緒に鬼ごっこで駆け回って先導してくれる先生』と、『子どもが運動場で駆け回ってるのを見守る先生』は全然別のものだと思うし、幼児番組のMCに求められるものは前者だと思う訳ですよ。
今田耕司のやり方、どっちかっていうと後者なんだよね……。

(ちなみに年齢層によっては後者が求められる場合も多いと思うけど、ゲストで呼ばれてる子どもたちが4歳とか6歳とかだったので、多分『みいつけた!』とかを見るくらいの低年齢層がターゲットの番組だと思われる)

そんでリアクションがって書いたけど、『対大人』と『対子ども』のリアクションって全然違うと思うのね。
今田さんのはねー、『相槌』の枠を出ないんだよね。ただ会話してるだけ。例えば「へえ~、そうなんやぁ!」と「えぇえ〜〜?!!?びっくりしたぁ!そぉなん?!!???」って、もう文字にするだけでも全然違うと思うんだけど、そういう緩急が薄い。だから、画面がなんか静か。
もっと手も足も大袈裟に振ってオーバーリアクションせんかい。『おかあさんといっしょ』で何回お兄さんたちが漫画みたいな『ズコーッ』っていうリアクションしてると思ってんの?
昔「アメトーーク!」で、『子ども番組やってる芸人』っていう特集があったけど、今田さんはあれ100回見た方がいい。大人にウケると子どもにはウケないし、子どもにバカウケのギャグは大人にはウケないっていう話がずっと忘れられない。違うんだよ、全然違うんだよ、今まで貴方が積み重ねてきたものとは。


一度違和感の元を探り出すと、(これサボさんだったらどういう反応してたかな……)とか、全部信頼してる子ども番組のキャラに置き換えて考えてしまうんだけど、その中で気づいた。
今田耕司、セリフの回しも下手。子ども番組として、下手。

今日の番組、マレーシアからリモートしてくれてる男の子が出てたんだけど、みんなマレーシアなんて国のことは知らない。
日本から5000キロも離れた暖かい国だという注釈が入るんだけど、それに対して今田さんが投げた質問は「えっ、じゃあ長袖なんか持ってないでしょ?」だった。そこ?
1枚だけ持ってるという返答に、1枚で済むんや、えぇなぁと笑って終わってるんだけど、いやもっとマレーシアという国に興味持って!!5000キロっていう巨大な数字へのリアクションももっといくらでもとれるし、マレーシアのどんなとこが好きかとか、いくらでも話広げられるでしょ!!
10分枠で1人の子どもに長々構ってはいられないけど、それにしたってもっと他の子が食いつくような会話の広げ方さぁ……?!!?

そんで今日のテーマ、子どもたちにとってのごちそうは何かっていう話だったんだけど、1人「きゅうりのまるかじり」っていう子がいた。
寿司やらハンバーグやら、豪華な料理が並ぶ中で、『おっ、弄りどころやん!』って思っちゃうよね、長年の経験があるもんね、わかるよ。
わかるけど、それは笑いどころでもツッコミどころでもない。だって美味しいもん。彼にとって、緑色が綺麗で、瑞々しくて、齧るとパキッと素敵な音がして、それは紛れもなく『ごちそう』なのだ。ニッコリ笑顔でまるかじりを披露してくれた彼を見る今田さんの笑顔は、『親戚のおじさんが「子どもは変なもん好むなぁ、ワッハッハ」って微笑ましく見る笑顔』であって、子どもに寄り添った笑顔ではない。

多分ゆういちろうおにいさんなら、そんなことしない。「きゅうり!おいしいよねえ、おにいさんもだ~いすき!!」って、同じ立場で感想を言ってくれる。絶対に言ってくれる。前もちょっと記事↓書いたけど、彼らは「いいねー!」の達人だ。圧倒的『肯定』のプロだ。


それに対して今田耕司、今日の放送はなんだ。
牛タンが好きっていう子から話を広げようとして、「みんな牛タンなんて知らんよなぁ?」って振ったな。
ちげぇよ。「みんな、牛タンって知ってる?」あるいは「牛タン知ってる人~!」「牛タン食べたことある人~!」だ。「子どもはこんなん知らんやろ」を前提にするな。否定を前提にするな。質問の仕方からして、もうなってない。子ども番組ずっとやりたかったって言うなら、子ども番組のことをちゃんと勉強してから来い。スイちゃんとサバンナ高橋に土下座して教えを乞え。


繰り返すけど、私は別に今田耕司という人に対して好きとか嫌いとか、そういった感情は持ち合わせていない。
ただ、今まで培ってきた長年の経験が番組を残念にしてるなと思うし、でも大御所がゆえに誰もそれを指導できないという地獄になってるんじゃないかなと思う。あかん。

チョーさん、年長者兼子ども番組のプロとして、そこの新人(55歳)にコツ教えてあげてぇ。

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