見出し画像

映画で英会話#19 ベイブ Babe (1995)

好きな映画をゆるーく解説ながら、ついでに使える英単語や英語表現を紹介します

牧羊”豚”が主役の名作

1995年に公開されたこの映画。映画好きじゃなくても知っている人が多いのではないでしょうか?

物語の始まりは、ある村のお祭りで行われた「子豚の体重当て
コンテスト」。このコンテストで子豚のベイブは、アーサー・ホゲット
というお爺さんに出会います。農場を営むアーサーは、このコンテストの
景品としてベイブをもらったときは、ベイブがもう少し大きくなったら
食べるつもりでいました。

アーサーの牧場にはたくさんの個性的な動物がいます。
人間のために何か”仕事”をしないと食べられると思い、朝の知らせを告げる にわとりの”仕事”を奪ったアヒルのフェルディナンド。
自分が一番かわいいと思っている意地悪な猫のダッチェス。
そして、牧羊犬のレックスと彼のパートナーのフライ。
特にフライは、ベイブを我が子のようにかわいがります。
この個性的な動物たちがとても面白く、子供が見ても十分楽しめる内容になっています。

とある出来事がきっかけで、ベイブには牧羊犬のような才能があることに
気づいたアーサーは、ベイブを「牧羊豚」として教育し始めます。
最初ベイブはフライたちの真似をして、恐怖によって羊たちを従わせようとします。しかし、もともと優しい性格のベイブには、恐怖で従わせること
など無理でした。そして、羊たちから、「噛みついたりせず、礼儀正しくお願いをすれば羊たちは言うことを聞くんだよ」と教えられ、ベイブは
みるみる牧羊豚として成長していきます。

そんなベイブを見て、ホゲットは一大決心をします。
なんと、豚のベイブを牧羊犬コンテストに出場させることにしたのです。
規則を入念にチェックし問題ないと判断したホゲットは、申込書を提出
します。
コンテスト直前、ホゲットとベイブの絆に嫉妬したダッチェスから残酷な
真実、すなわちベイブの両親や兄弟の運命=人間に食べられてしまった、
(ベイブは豚は一般的に人の食料になるという真実を知りませんでした)
ということを告げられ、ひどく落ち込みます。

そんなベイブは果たして牧羊豚としてコンテストに出場できるのか?


「当たり前」にとらわれないアーサーの能力

この映画の準主役である農場主のホゲット。
彼は非常に有能な経営者だと思います。
彼の素晴らしい所、それはやはり、観察力と判断力そして行動力だと
思います。

普通、豚の何気ない行動を見て、そこから、牧羊豚として教育しようと
考えるでしょうか?まして、牧羊犬コンテストに参加させるなんて、
なかなか考えられません。

しかし、彼はベイブを食料としての「豚」とう枠にはめて考えるのでは
なく、彼の能力を見極め、彼が一番輝ける場所を見つけることができた
のです。

そしてコンテストも、今まで犬しか出場していないのですから、普通に
考えたら、豚を出すことなど選択肢にないような気がしますが、彼はその
常識を疑い、規則を自分の目で確認し、問題ないと判断し出場させることを決意します。案の定コンテスト当日、豚を出場させていいのか、審査が入ることになりますが、そこでもアーサーは堂々と規則上問題ない、と言い
放ち、結果彼の言う通り、規則に豚を出場させてはいけない、という項目がないため、ベイブはコンテストに出場することを許可されます。

アーサーのこの観察眼と、判断力と行動力は、この社会を生き抜くためにはとても必要な能力だと思います。

ベイブと羊の関係

牧羊犬のフライを母親のように慕うベイブは、牧羊豚としての心構えを
フライから教わります。しかし、フライとベイブには大きな違いが
あります。

フライ=犬(羊たちからすると狼のように恐ろしい牙を持った野蛮な生き物)
ベイブ=子豚(まだ大人の歯も生えていない子供。羊たちにとっては子供のような存在)

強い牙と、吠える能力がある犬は、羊たちを恐怖で支配し、従わせることができます。それ故、コンテストでは、羊たちを支配できずに、コンテストで負けてしまう犬たちがいました。

一方ベイブは、そのかわいらしい容姿と、心優しい性格で、羊たちにも
慕われていました。だからこそ、最初彼が犬のように羊にかみついたり大声を出したりして、恐怖で従わせようとしたとき、羊たちは困惑し、笑いだすものまでいました。そしてベイブに教えるのです。

言うことを聞いてほしいときは、礼儀正しくお願いすればいい

ということを。
犬たちは結局、羊たちを自分たちよりも下の生き物だと思っており、
そのことを羊たちも分かっているのです。だからこそ、肝心な時に羊たちは犬たちの指示に従わず、それが犬たちの危機を招いてしまう、ということが起きてしまいます(レックスの話です)

このことも現代社会で非常に大事なマインドだと思います。
いわゆるブラックな上司というのは、恐怖心で社員を支配しようとします。それがハラスメントにつながっていくのですが、コンテストに出ていた
羊たちのように、恐怖心では支配されない人たちが現れたとき、なす術が
ないのです。そしてやがてそれが、上司自身の危機を招いてしまう(=有能な人材がいなくなってしまう)ことになるということに、この映画を見て
気づいてほしいな~、なんて思います。

That'll do.

この映画の最後にアーサーはベイブに
That'll do.
と言います。

今回はこの表現について説明したいと思います。
ここで使われているdoですが、一般的には何かしらの動作を「する」という意味で使われますが、この文の場合は

「間に合う、十分だ、結構だ」

という意味です。

なので、この
That'll do. はベイブの行動に対して、「結構だ=よくやった」という意味で言ったのですね。




この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

映画が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?