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いま 落ち葉 推すとき

私は、植物の朽ちていくのを見るのが好きだ。
だんだんと萎れて黄ばんだり、茶色くなっていくのを見るのが好きだ。
みずみずしさを失い、土に還っていくのを見るのが好きだ。
草むらに落ちて日に日に融けていく椿の花などは、なんとも言えない魅力がある。

Xで、最近の私のポストを見た方はもしかするとご存じかも知れないが、
最近の私は落ち葉を拾うブームがきていて、持ち帰った落ち葉を色んな角度から眺めてうっとりしている。
一日もしないうちに色も形も変わってしまうことも多い落ち葉は、見ていて全く飽きない。


「拾った葉っぱの好きなとこひたすら書き連ねるだけのnote更新していい?」
というポストにいいねを押してくれた、たった一人の知らない人、

あなたがこのnoteを見てくれているかは分からないけど、あなたがいいねを押してくれたから、今から拾った葉っぱの好きなところを書きます。



一枚目

撮影:hitoki
撮影:hitoki

虫に食われたらしき大きな穴は、白っぽく縁取られている。
薄い虫の羽のようになった部分が繊細で美しい。
穴の周辺には所々、まだわずかに緑色を感じ取れる部分があり、深く濃い茶色の中で目を引く。
葉の殆どを占める茶色にも、まだらに色の違いを感じられ、光の当たり方で多様な表情を見せる。
絶妙なバランスで成り立つ姿は老成した職人のような風格がある。
私も将来こんなかっこよさを持ちたい。



二枚目

撮影:hitoki
撮影:hitoki

まるで釉薬によって複雑な色彩を放つ陶器のよう。
するりと滑らかな表面と、おおらかに波打つ形が指先になじんで心地よい。
根元の方はわずかに黄みがかっており、先端左側に緑みがある。
小さく一か所だけ入った斑点が、陶器っぽさに拍車をかけている。
落ち葉は裏面の模様にも楽しみがあるが、この落ち葉の裏面はとてもシンプル。
大きなシミは無く、すんなり伸びる葉脈が表面とは違う洗練された雰囲気を醸している。

以上
厳選した2枚をご紹介しました。


どの落ち葉も一期一会。拾った次の日には色や形が変わっていたり、太陽光の下で見るか、電気の下で見るか、時間帯によっても色の見え方が変わったりする。
その時にしか見られない色があって、そのどれもが素晴らしく美しい。
空と肌の色はいくら見ても見飽きないと思っていたけど、植物の色も同じくらい見飽きない。

美しいなあ。


今日は、雨が降った。
雨上がりの匂いが、少しずつ濃くなってきている。

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