「コーチングの受け方」のススメ
2024年1月26日にリリースし、54いいねとコメントも頂いていたのに、新しい記事を公開しようとおもって操作をしていたら、誤って削除してしまったので再度公開します。(悲しい・・・)
リアクション頂いていた皆様、ありがとうございました!
前回のnoteの発信をきっかけに、「コーチング受けてみたいけど・・・ためらいがある」という声をいただきました。
前回のnoteはこちら
今日はそんな声を受けて、以下の4つの点を私自身の体験を振り返ってお答えしてみたいと思います。
コーチングでは、何を話せばよいの?(相談できる内容)
コーチってどう選べばよいの?(コーチの選び方)
コーチングセッションの投資効果を最大化する方法(コーチングの受け方)
コーチングってお金をかける価値あるの?(コーチングは高くて投資判断がつかない)
※今日お話しをすることは、あくまで1人の体験者として感じていることをベースに書いています。
私自身のコーチング関連の経験
まず、これを書いている私がどんな人か?についてわかったほうが良いかなと思うので、自身がこれまでコーチング関連についてどんな経験をしてきたかを箇条書きにしてみます。
1. コーチングでは、何を話せばよいの?(相談できる内容)
まず、コーチングって何を話せばよいの?相談できる内容ってなに?という質問です。
扱える内容(業界の中ではテーマという表現をすることが多いです)は、本当に幅広いです。例えば、
将来何がしたいか?
キャリアや生き方
人間関係の悩み
戦略、組織についてなど
ただ、共通しているのは、「誰かが正解を持っている/提示してくれる内容」ではなく、「その人自身の中で”納得解”を見出す必要がある内容」ということです。
※私がこれまでどんなテーマで受けていたかは、前の記事を拝読ください。
言葉になる手前の「感情」に触れる内容がおすすめ
そういわれても、コーチングの投資は1時間5千円~3万円と安くはありません。(個人利用でも高い人は5万円以上する方もいます)
コーチングの時間(≒投資)を「(顕在化されている)思考の整理」に使うことも悪くはないと思うのですが、個人的にはそれだけだともったいないと感じています。
なぜなら「思考の整理」であれば、友達、先輩、家族にしてもある程度解消することも多いからです。
じゃあ、どんな内容でコーチングを受けると良いか?
私自身がおすすめしたいのは「感情」に触れている内容です。
なんとなくモヤモヤする
なんか違う気がする
なんか・・・さみしさを感じる
このままじゃいけない気がする・・・
喜びにあふれている
怖さがある
言葉にはまだなっていないけど、身体や心が直観的に教えてくれていることはたくさんあります。
その小さな違和感やもやもやとした感情は、必ず、自分自身が大切にしていることに気づく入り口になります。(ここはあえて必ずと言い切ります)
自分自身の感情の揺れ動きを感じていながら・・・「なぜ感情が動いているのか、その正体がわからない。」そんな言葉にならない感情・感覚的なものを入り口に話してみることをおすすめしたいです。
とはいえ、「感情に気づくことが難しい」という声を聴くこともあります。
特に現代社会は、感情を押し殺すことで事がうまく進む側面も多いため、あまりに長くそれらに気づかないようにしているとその感情さえもつかみづらいことがあります。
そういう時は、「なんとなく気になっていること」「なんだか頭に残っている誰かから言われた言葉」など、自分の頭に残っていることから始めてみるのもおすすめです。
それらは、何かしらの引っ掛かりがあって残っていることが多いので、話しているうちに感情のテーマにたどり着くことも多いです。
なぜ「感情」をコーチングで扱うのと良い理由ー「同じところを何度もぐるぐるしないで済む」
感情を扱う際、自分1人でジャーナリングをすることも、身近な人に話すことももちろん有効ではあります。
ただ、感情は1人で扱うのも身近な人に話すのも、実は結構ハードルが高いので、「コーチ」という第3者がいる場で扱うことをおすすめしたいです。
感情を自分1人で考えていると、
「ずっとぐるぐるネガティブなループにはまってしまい、そこから出られない経験」
誰しも1度は体験があるのではないでしょうか?
ぐるぐる同じループにいるときは、自分自身がそこから早く出たいと急ぎ過ぎて、感情の奥にあるものに気づけていない可能性が高いです。
「こんなことで感情的になっててもしょうがない~」
「こんなことでうじうじしたくないから、さっさと前を向きたい~」
という声を自分自身にかけている方は、 「大したことない」と自分がとらえていることの奥に、実は自分が大切にしたかったことが見つかるかもしれません。
人は、「(特にネガティブな)感情(の奥にあるもの)を直視すること」を避けたがる習性があります。
深くその感情の奥を見る前に、
「何とかポジティブ転換をしよう!」としてしまったり、
「もうこのことは考えるのはやめよう!」と蓋をしてしまったりする。
これらは一見前に進んでいるように見えるのですが、気づかぬふりをしているだけで、本質的に前に進むのではなく「積み残し/後回し」にしているだけのこともあります。
感情は「気づいてほしいサイン」として表出する
感情を味わったうえで、本当に大切にしたかった願いや想いに気づきそれらが言語化されると、これまで「ぐるぐる」や「もやもや」していた状態から、次に進むことができるといわれています。
ジャーナリングで同じところで思考がぐるぐると繰り返してしまうとき、
人に相談するけど、その人にどう思われるか気になっていて全ては話しきれていないとき、
もしかしたらそれは無意識的に感情の奥と向き合うことを避けている可能性があるかもしれません。
こういうときにこそ、
あらゆる感情に対して評価判断をせずに共に探究してくれる「コーチ」という第三者を頼ることはが有効かもしれません。
2.コーチってどう選べばよいの?(コーチの選び方)
ジャーナリングでも知人に相談するでもなく、コーチングを受けてみたいと思ったとき、次にぶつかるのがコーチの選び方です。
実践数が多いコーチがいいのだろうか?
資格を持っているコーチがいいのか?
経歴が気になる?
近い体験をしている人かどうかが気になる?
いろんな選び方があると思うのですが、
個人的に一番大切なのは、パートナーシップだと思っています。
「鎧を脱いだ、ありのままの自分」でいられるイメージ湧くか?
感情を扱うのが大切とお伝えしましたが、
そのコーチの前で、「かっこつけずに素の自分でいられるか?」がとっても大切だと思います。
この人になら、他人に言えない感情を話せる
この人の前だったら泣いても恥ずかしいと思わない
コーチングの時間は、「純度の高い、ありのままの自分」でいられる瞬間だと思っています。
評価判断を恐れずに、
こうあるべきを手放して
ありのままの自分でいることができそうか?
それが最も大事だと思います。
私自身はコーチをどうやって選んでいるか?
とはいえ、それってどうやってわかるの?という疑問もわくと思うので、個人的に「どうコーチ選んでいるのか」も言葉にしてみます。
私自身は「完璧そうなコーチ」よりも、「実践」「葛藤」「探究」のプロセスの中にいる方を選ぶことが多いです。
自分自身の「あるべき」に気づいて、葛藤をしていたり・・・
「評価」をしている自分に気づいたり・・・
自分の小ささに気づいていたり・・・
自分自身に対して「評価判断をしている瞬間」、「べき論で見つめている瞬間」に自覚的であるコーチほど
クライアントに対してもそのまなざしを持ちこまない意識をし続けている方が多いです。
そのようなコーチは、「学び終えた方」という感覚を持っている方よりも、学びのプロセスにいる意識を持っている方が多いです。
どんな学びをしてきた方なのか、その学びの過程でどんなことを感じてきた方なのか、今何に関心をもっているのかをHPや体験セッションで聴きながら、それを聴いている自分の「安心感」でコーチを選んできました。
「どんな自分を出しても受け止めてもらえそう」と、身構えずに安心できいる(またはこれからそうできそうな)自分を感じたら、ぜひその方にお願いしてみることをおすすめします。
(反対に「自分をよく見せたい」などと思ってしまう場合は、あまりおすすめしないです)
3. コーチングの投資効果を最大化する方法 (コーチングの受け方のすすめ)
コーチングは「高い」といわれることが多いのですが、
体験の仕方によって投資対効果が変わると個人的には感じています。
ここではこれまで私がやってきてよかったことを書いてみます。
コーチングを受ける前
コーチング業界では「コーチャビリティ」という言葉があります。
コーチャビリティは、「コーチングを受ける人(クライアント)がコーチングを受ける準備ができている状態」のことを指し、要は「気づきが生まれやすい状態」ともいえると思います。
コーチングにおいて、「感情」を扱うことの重要性について上記で書きましたが、「感情」を扱える状態になるためにコーチングセッション前は3つのことをできる限り行っています。
①一人で思考的に考えられる範囲のことは出し切っておく
思考で整理ができる範囲のことは事前にジャーナリングをしたり、音声メモアプリを使って語り切ってしまうこともあります。
「思考で整理ができているのはここまで」と認識したうえでコーチングに挑むと、その話は序盤で終えることができ、コーチがいるから向き合える内容にすぐに入ることができます。
②(できる限り)自分自身を整える
あわただしい状態で入ることのほうが多くなってしまいがちですが、コーチングを受ける際は、
熱いお風呂に入ってふっと一息つく
お散歩
瞑想
どうしても時間がないときは好きなアロマの香りを5秒だけ嗅ぐ
あえて気持ち的な余白を作ることを意識しています。
自分自身を整えることで「今」の自分に気づきやすくなり、深く向き合うことにつながるからです。
③前日に前回のセッションの録画動画を視聴する
コーチングは、2週間に一度、または月に一度行うケースが多いのですが、前回どんな話をしたか忘れてしまうこともあります。
前回のセッションでどんな話をしてその時どんな気持ちになったかを思い出すために、前回のコーチングセッションの録画を前日の夜寝る前や、子供を保育園に送った後の帰り道などで聴きなおすこともあります。
「こんなことを感じていたな~」
「前回のセッションからこんな変化があったんだな~」ということを思いだしながらセッションに臨むと、前回のコーチングで深めたその先の内容に進んでいける感覚があります。
コーチングセッション中
なるべくリラックスできる環境を用意すること、心理的安全性が高く、何でも話せる環境で実施することは大前提ですが、
相談したい内容(テーマ)を決めきらないことも私は大切にしています。
ある程度「こんな話をしてみたいな~」という相談内容(テーマ)を持っておくのも良いですが、実際にコーチングが始まってから、
今ここで、感情が動いているもの
なんとなく気になって仕方がないもの
など、自分自身の「今」を見つめて相談内容(テーマ)をコーチと一緒に決めることが多いです。
その時感情に触れている内容は、必ずその時に必要な気づきをもたらしてくれます。
コーチング後(次のコーチングセッションまでの間の過ごし方)
コーチングを受け終えた後、大切なのは
① 「気づき」を言葉や表現など、取り扱いしやすい状態にしておくこと(気づきを持ち続けること)
② 言語化したことを行動につなげること(気づきを現実にすること)
の2つです。
特に②現実が変わらないと内省は意味をなさないので、コーチングの中で「ネクストアクションを決める」こともあります。
ただ、個人的には「②現実にすること」よりも「①気づきを持ち続けること」に重きを置いています。
理由は、「1つ大きな象徴的な行動を起こすこと(なにかの意思決定など)」ももちろん大事ですが、
大きな1つの変化以上に、日々の「小さな選択」「意思決定」「言動」を変え続けていくことが大切だし、そうすることが結果的に大きな変化につながっていくと思っているからです。
コーチング中は夢中に話していることが多く、何を話したか覚えていないことも多いので、コーチングセッションを受けた後、気づいたことを持ち続けられる仕組みを自分で作っておけると、「②現実にすること」は自然と起きていきます。
私自身が「①気づきを持ち続ける」ために行っていることは:
A)コーチング直後のジャーナリング
コーチングで何を感じて、何に気づいたか?
その気づきを大切にし、どんなことをしてみたいか?(無責任にアイデアを出せるだけ出してみる)
などをノートに書いてみます。
ジャーナリングをした内容は次のセッションまでの間に定期的に見直していくのですが、
特にアイデアブレストした内容は、想像以上に実施できていることが多いです。
B)思いだしたいときにコーチング録画を見返す
これはコーチによるかもしれませんが、私自身はコーチに頼んでコーチングセッションを録画させてもらっています。
その録画を視聴し、自分の表情やどんな言葉を使って表現していたかを見直すことがあります。
自分自身を客観的に見ることは少ないので、自分の表情を見ると、「これは本当に大切なんだな」とか、「これは本当に嫌なんだな」と鮮明にわかります。
また、コーチング中に出てくる言葉の表現は、「最も自分の純度が高い状態での言葉」のように感じるため、パーソナルビジョンなどの言語化においてもコーチング中に出てくる言葉を一番信頼しています。
C)コーチングの録画を編集して見やすくしてみる
これは先日自分のコーチに進められてやってみたらすごい良かったのですが、
特に印象的だったコーチングの瞬間は、その瞬間だけを切り取って見直しやすい状態にしておくこともおすすめです。
60分を3分ほどに編集しなおして名前を付けておくと、その当時の自分の感情に戻ることができます。
なぜその意思決定をしたか、
なぜこれを大切にしたいと思ったか
その瞬間に感じた感情はもう一度体験できないものの、
改めて録画を見直してみると、身体的にその当時の感情を呼び起こすことができます。
コーチング前、中、後とコーチングの投資対効果を最大化するTipsを書いてみましたが、力み過ぎずにコーチングを受けることが実は一番大切です。
60分自分自身のために立ち止まる時間をプレゼントできてよかった!という気持ちでリラックスしてコーチングを受けてみて、もし余裕があったら、「こんなやり方をするといいよ!」と誰かが言ってたなと上記の何かを思いだしてもらえると嬉しいです。
最後に、「コーチングは高くて投資判断がつかない…または継続判断ができない」という声も多かったので、
「コーチングってお金をかける価値あるの?」という問いに、私なりに感じていることを言葉にしてみたいと思います。
4. コーチングってお金をかける価値あるの?
「同じところを何度もぐるぐるしないで済む」だけでも、
本質的な方へ前に進めるための時間的・精神的コストの改善になると思っているのですが、それ以外にもコーチングの価値を言葉にしてみたいと思います。
立ち止まり、「今」一番大切なことを選択しなおせる
3歳の息子を見ていると本当にそれを日々実感するのですが、人は(大人になっても)変わり続けています。
物事の捉え方も体験や経験とともに変化するし、
感情も気づかないようにしていても瞬間瞬間変わり続けています。
ただ、その変化は特に忙しく過ぎていく日常の中では気づけないことが多いです。
自分が本当に大切にしたかったことを大切にできる(本来の自分に立ち戻れる)
人は、生きる中で「社会に適合しうまく生きる」ための処世術をたくさん身に着けていきます。
「うまく生きる処世術」の観点からいうと、特に「感情」は厄介なものであり、邪魔なものでさえあることもあります。
たとえば、
怒りの感情があるときに、「人と対立したくない」という気持ちが優先されて、自分の怒りなだめたり
悲しい気持ちになったとき、プロ意識を持たねばと強がったり・・・
言葉にならないもやもやとした違和感を感じるけど、あえて見ないふりをしたり・・・
そこで得られる恩恵もたくさんあるけれど、「ある」感情を「ない」ことにしてしまうと、いつのまにか
「ありたい」で生きるのではなく、「あるべき」にとらわれてしまう
「こうあってはいけない」が重なって、他者にありのままの自分が見せられず、関係性が表面的になってしまう
など、「うまく生きる」ための処世術が、結果的に自分の首を絞めてしまうこともあるように感じます。
「うまく生きる処世術」は一見正しく見えるため、そっちに引っ張られやすいです。
1人でジャーナリングをしている際は、無意識的に「うまく生きる」方法を選択しやすいですし、
身近な人に話をする際は、その人との関係性の中で「うまく生きる」ことのほうが良い選択のように見えてしまう傾向もあります。
「うまく生きる処世術」をわきに置いて、「本当に自分がしたかったこと」に立ち戻ることは一人では難易度が高いです。
だからこそ、利害関係がなく、
「その人のありたい」に粘り強く立ち続けてくれるコーチがいることで
うまく生きる処世術に振り回されずに済むはずです。コーチは、「本来、自分が大切にしたかったことに立ち戻る」きっかけをくれる存在になります。
コーチング興味あるけど、一歩踏み出せないと思っている人にむけて
少しでもヒントになったら嬉しいです。
この文章を書きながらそんなことを感じました。
ここ数年間、新規のコーチングクライアント募集は止めていたのですが、数名だけひっそりと枠を設けることにしました。
ご興味がわいたら是非FacebookまたはTwitterなどでご連絡ください。
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