風邪で寝込みながら気づいた、日本で素晴らしいもの。

先週土曜日夜から風邪をひき、ずっと寝込んで過ごすことになった。ここまで本格的に寝込んだのは、ひょっとしたら高校3年以来くらいかもしれない。そういえば高校3年時と今の共通点といえば、ずばり本厄というのが挙げられる。体にも変化が起きやすい年ということなのだろうか。

寝込んで過ごした数日間、映像を見るのは辛いので避けていたが、あまりに退屈したので、ラジオをずっと聴いていた。私が普段からずっと聴いているフランスのFIPは楽曲セレクションが絶妙。1日通して聴いていると、思わず楽曲情報のキャプチャを取ってしまうような素晴らしい曲が一日に何度もかかってくる。

しかし、ある段階でなんだか日本語が聴きたくなってきた。そこで、ちょっとした裏技を使ったところ、日本のラジオがオンライン上で聴けるようになった。NHKのニュースなども、これで生放送で聞くことができる。時差があるので、ベルリンの夕方ごろから東京での深夜番組が始まり、ベルリンでの夜21時には、東京では世が明け、その日朝一番のニュースが聴こえてくるという具合だ。こうして聴いていると、遠いのに近いような、不思議な感覚だ。

さて、そんな中、色々ラジオ局を変えて聴いていると、学生時代にずっと「つまらない」と思い込み続けてきた放送大学に行き着いた。確かに担当教授によってはもう少し話し方やプレゼン方法に改善の余地があることは大いにありえるのだが(偉そうにすみません。。。)、今改めて聴いてみて感じたことがある。

それは、これだけ質の高い専門分野、および専門知識を無料で、無差別に配信しているなんて、凄すぎるということだ。例えばドイツでは、大学の授業料は無償ではあるものの、そもそも大学に入学できるまで、そして無事卒業するまでがとても簡単とは言えない。(外国人なら尚更。)つまりは、教授といった専門家による、専門科目の質の良い情報にアクセスできるまでの壁がとても高いのだ。

一方、昨今はオンライン大学も増えてきたし、無料コースもたくさん登場している。果たして、放送大学並のクオリティの無料コースというものも、あるのだろうか?もし知っている方がいたら、教えてほしい。

そもそも、日本の大学というのは、総合科目の名目で他の学科の授業が取れたりして(私も英文科でありながら建築学科や被服学科などの授業をたくさん取っていた)、他の学科の授業にも簡単に参加できるところが素晴らしかった、と今つくづく思う。もちろん、医学部などの専門的学部においては、そうもいかないのかもしれないが。このシステムは、日本の大学に行った人には当たり前に思えるかもしれないけれど、国際的に見てみると、実は当たり前ではない。小学校の授業に家庭科や道徳、書道などの時間があることも、日本ならではの貴重な存在だろう。特に調理実習なんて、本当に素晴らしい。

日本の教育システムから解放されてだいぶ経つが、特にドイツと比較すると、日本がリベラルに感じられる側面が多く見えてくる。日本が堅苦しいと思っている人は沢山いるかもしれないが、決してそうとは限らないと書いておきたい。





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