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幸福度に紐付く「お金」や「学歴」よりも重要なもの#36

幸福感の研究は、宗教や哲学やスピリチュアルの世界の専売特許と思いきや、アカデミックなところで色々実証研究されています。

私もそういった話を見たり聞いたりするのが好きですが、意外なキーワードが出てきたので紹介します。

まず結論から言います。
「自己決定」!!
です。

幸福感に与える影響力を比較したところ、健康、人間関係に次ぐ要因として、
所得、学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かりました。

神戸大学 プレスリリース

イースタリンの逆説は否定されつつあるが、、

年収8百万円を超えるとその後の幸福度は年収に比例しない、なんて話をよく聞きますが、この理論をイースタリン・パラドックスと言うそうです。

イースタリン・パラドックスとは、幸福の経済学の先駆者のリチャード・イースタリンが1974年に発表した論文で発見したものだ。 一時点のデータを見ると、所得の高い人たちのほうが、幸福度が高い傾向があるのに、一国が経済成長して所得が上がっていっても、幸福度はほとんど変化しない、というパラドックスである。

行動経済学が解明を目指す「幸福」の正体

この話は、人生お金だけじゃないよね、とある意味勇気づけられる結果ではあるのですが、
そう思っている人に残念なお知らせ。(>_<)

最近、この理論は実証的に不十分なのではないか、と言う向きが強くなっています。

所得が高かろうが低かろうが幸福を感じにくい人をサンプルにしているんでないか問題(^◇^;)

つまり所得が上がれば幸福度が上がるという相関関係はそれなりにあると言えそう、ということです。

お金はやっぱり大事。
その上で、自己決定とは一体何でしょうか。

自己決定の順位

これは2018年に2万人の日本人を調査した結果でわかったかなり有名な論文らしく、全国の20歳以上70歳未満の男女を対象に、アンケート調査。

調査にはオックスフォード式の心理的幸福感を測る質問を用い、所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つについて幸福感と相関するかについて分析。

その5つを幸福との相関の順序にすると、以下の通りだそうです。

健康 人間関係 自己決定 所得 学歴

独立行政法人経済産業研究所
幸福感と自己決定―日本における実証研究 

健康が1番と言うのはなんとなくうなづけます。

2番手が人間関係と言うのも意外かもしれませんが、これもハーバード大学の75年の追跡調査が有名ですね。

では自己決定とはなんでしょう?
今回これについて掘り下げてみたいと思います。

自己決定とは

所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つの指標の中で自己決定だけがピンとこなかったのですが、
わかりやすい例えがあったので共有します。

例えば、年収1 5百万円で一方的な転勤命令が頻繁に起こり、仕事も自由度がなく面白みがない。さらに自由時間と言えば、睡眠時間くらい、、。

それと、比較し、年収3 百万円で仕事に裁量権があり仕事自体が楽しく、余暇もたっぷり好きなことに費やせる。

収入が増えても幸せを感じられないシンプルな理由

どちらの方が良いかと言うと、人にもよりますが、年収だけで即答しかねるところがあります。

この幸福度の物差しは自己決定にあります。

自己決定の度合いを上げるため起業や転職をする人

よく起業や転職をするのに年収が下がるのにそれを行う、、。
経済合理性と反対の動きをする人は、この自己決定の度合いを上げるため、と考えると納得できます。

ただ自己決定と所得と言う物差しにも一定の相関があると考えます。

年収3百万円でも生活を維持できるライフスタイルであれば自己決定ができ幸せかもしれませんが、そうでなければお金に追われることで、結果的に所得が低いことで自己決定ができなくなる、というパラドックスも生じます。

まとめ

私は仕事柄、起業を目指す方とお会いすることが多いのですが、自己決定を求めて一歩踏み出されることが多いので、このキーワードにとても納得しました。

ただし幸せはお金だけではかれないというイースタリンのパラドックスも完全では無いようです。

自由を得るためにお金を稼ぐ。
お金を稼ぐために自由が犠牲になる。

このパラドックスは非常に根深いものだと思っています。

ただここにはない指標、愛や所属、これは人間関係にあたるのかもしれませんが、これが変数となって人生を豊かにしてくれるものだとも考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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