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短歌連作集

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ネットプリントやWEB企画に投稿した短歌連作をまとめています
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記事一覧

#SideM短歌 315プロ49人詠んでみよう!

ただ上を目指して駆けた 気がつけば並んで走る顔が増えてた  (天ヶ瀬冬馬) ワイパーの縁を…

編みもの短歌 [短歌連作]

編みかけで飽きた身頃が編み針をつけたままいる 鏡ではなく イギリスの糸は曇りの空の色 南…

西風がみせた夢 ー風信子荘便りー [短歌連作]

山陰の夜の車窓が映すのは僕ばかりだな君がいないな この喉が発した咳が洋館の天井たかく巡…

ぬばたまのトーキョー2020[短歌連作]

ぬばたまの宮本浩次のよく動く脚に見とれて皿を洗へず ぬばたまの徹子の髪の奥にゐるこびと作…

獣の声で歌え[短歌連作]

鴻池朋子 ちゅうがえり/アーティゾン美術館 2020.7.3 閉じられた本のノドから這い出せばペ…

坂をくだれば[短歌連作]

五限後に坂をくだれば空港におりる機体の影の濃いこと 徒歩の子の速さに合わすチャリの子のか…

第九十六回箱根駅伝[短歌連作]

1月3日、10区13.5キロ地点 新八ツ山橋の歩道にて 人垣が四重になり背中側が熱い車道はまだ風ばかり 駒澤はどこにいます?とスマホ見るひとに「鮫洲」の読み方をきく 孫は青学、娘と母は東洋で、学連を推す婿のやさしさ 車線規制済みの道路にまぎれ込むUberEatsに笛の吹かるる 上空にヘリの回りて先頭はまもなくここへざわめきは波 できるだけ選手は名前で呼びたくて集団で来てガンバレと呼ぶ 二区東洋大相澤選手と東国大伊藤選手の並走 走るのは楽しいことと知る者とおなじ速さで街は

武蔵野の森で虫になった日[短歌連作]

SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE” 2019/12/7 武蔵野の森メインアリーナ 飛田給、と…

まなざしのあわいー伊庭靖子展 [短歌連作]

やわらかさとは肌のきわ1ミリの上にとどまる温もりのこと 焦点をふたつ定めて中央の視界はに…

わたしの境目 塩田千春展[短歌連作]

わたしの境目   塩田千春展:魂がふるえる 森美術館 2019.7.5 舟にうまれ舟を産みをりか…

ボーダーシャツは家で着る[短歌連作]

夏休みは終わりだなんていうからさ終わらないんだ夏の終わりが 虫眼鏡なしで飛び出すフリッパ…

短歌連作 アニミタス(ささやきの森/死せる母たち)

枯れ草の匂いは死ゆえ今日からはあらたな腐敗、花は横たう ガラス一枚隔たれて東京の夏に浮か…

短歌連作 電車に乗り遅れました

太陽が高くなったね廃線の日にも枇杷の実まだ熟さない 本の背に指掛け選ぶ君を見る 選ばれる…

短歌連作 夏雲

せり上がる雲が隠した夏の陽は戻らないまま路はみずたま どくだみの叢の香りが苦しくてきっと夜には本降りになる からっぽの部屋で鋏の音ばかり響かせている切るものがない バイパスのカーブ、防音壁の白、それよりやわい人の骨格 小菊では少し地味だねいつまでも二十歳の友に白いガーベラ 五台目のiPhoneからも消さないで時おり開くnatsu_gumo@ 雨傘を閉じて六秒数えたらそれは祈りに似たものになる ※叢 むら 2018年9月、NHKカルチャー横浜教室で行われた佐藤弓