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もう頑張らない

 「死ぬ気で頑張れ」と誰かに言われた。

 学生時代の私はその言葉通り、睡眠時間を削って死ぬ気で頑張った。あのときにそうしたからこそ、今の自分があって、今の生活があることは間違いない。

 だけど社会人になって「死ぬ気で頑張る」ことはやめた。与えられた仕事には全力で取り組むし責任を持ってやり遂げる。だけどそこに命をかける必要はないんじゃないか。そう思う。

 所詮私は会社のほんの一部でしかない。今の仕事は私がいなくなってもとりあえずは回る。仮に私が辞めたとしても誰ががその穴を埋めてくれる。死ぬ気で頑張って本当に死んだら、心がダメになったら元も子もない。

 そう考えるようになってから、毎日やめたいと思っていた仕事が楽になった。私を苦しめていたのは「死ぬ気で頑張る」ことだった。そしてそれは諸刃の剣になり得るのだ。

 

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