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私が恋愛に踏み切れない理由

 自分の顔が嫌いと意識し始めたのは中学生の頃だった。小学生の頃は運動ができたり、勉強ができる人がモテていた。どれもその人の努力次第でどうにでもなるものだった。それが高学年になるにつれて少しずつ変わってくる。モテる要因の一つにかっこいい、かわいい、と顔の良し悪しが加わるようになる。いつの間にか、それがシェアを拡大するようになっていた。

 そんなモテる要素が変わっていくのと同時に私も自分の顔について意識し始めるようになる。思春期であることを周りに見せびらかすようにニキビ面だった私は次第に自信を失っていく。異性と話をすると自分の顔を見られているような気がして目も合わせられない。それが次第にエスカレートして、同性とすら目を見て会話ができなくなってしまう。

 高校、大学と進学してたくさんの経験をしていくうちに自分の顔に対する自意識過剰な部分は薄れていった。というよりもどうでも良くなったと言った方が正しいのかもしれない。

 自分の顔に対する自意識過剰問題は解決しているものだと思った。でもソイツはタンスの奥深くで冬眠しているだけで、本質的には何も解決していなかった。現に自分の顔に対する自信のなさが恋愛に踏み込めない一番の理由だからだ。

 どうして解決したものと思い込んでいたのだろうか。たぶん、抱えきれなくなってなかったことにしたかったのだと思う。そして見ないようにしているうちに心の奥底に沈んでいったのだ。

 掘り起こしてしまったコンプレックスとどう向き合えばいいのだろうか。私が恋愛に踏み切れない1番の理由は自分の顔に対するコンプレックスなのだ。

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