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“きょうだい”の関係性について

きょうだいとは何か。一緒に考えてみませんか。

 きょうだい関係は、興味深くそして不思議な関係です。自己を映す鏡のよ うでもあり、類似と非類似、親密さと葛藤の入り混じった存在でもあると言われています。
 きょうだい関係は、いわば、所与のものとしてあると言われています。多くの場合、きょうだいの存在は、非選択的に決定され、与えられています。きょうだい関係は多様ですが、そうした関わりの如何にかかわらず、動かしがたいある種の強いつながりが、親子やきょうだいの間にはすでに存在しています。その一方で、きょうだい関係は、長期にわたる関わり合いと影響の授受を経て、次第に変化し、成長の各段階において、さまざまな様相をみせます。
 その意味で、きょうだい関係は、 「所与のもの」でありながら、長期にわたって「作り上げられるもの」でもあります。 この「作り上げられる」側面をどう捉えるかは、大きな課題です。なぜなら、 個は、他者との関係性の中で練り上げられ、その個を発揮するからです。
 「所与のもの」としての側面を強調すれば、きょうだいは、その運命的な出会いの強固さと社会を構成する基本的な単位としての重みを感じることになります。そして、きょうだい間に強い心理的な結びつきを生じさせると共に、出生順位やきょうだい数、性別構成など、その置かれた位置によって、きょうだい相互の意識や行動が規定されます。「所与のもの」としてのきょうだい関係が、 自己の座標軸として機能し、自己を知る大きな手がかりとなると言われています。

きょうだい関係の認知ときょうだい意識

 きょうだいは互いをどう捉えているでしょうか。それはきょうだいの出生順位や性、さらには発達段階によって異なるでしょうか。
 こうした点について見ると、きょうだい関係は、小学生から中学・高校、大学と発達段階を経るごとに次第にポジティブなものと言われています。また、 男性よりも女性のほうがきょうだい関係をよりポジティブなものと捉えているそうです。女性の親和性がきょうだい関係においても示されているといえるでしょう。また、男性が高校生段階になってきょうだい関係の捉え方が好転するのに対し、女性は中学生段階ごろからそうした傾向が見られるようになる点も興味深いと言えます。これは、成熟とともに、きょうだいが適度な距離をとることができるようになること、また、自己の得意分野での達成レベルが上がり、自己肯定化がなされやすくなることなどが関わっていると言われています。結果として、互いのよさを感じ取れるようになると考えられています。


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