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障がいを持つ子どもの親の多側面の役割にどのようにサポートできるか

障がいを持つ子どもの親は、「介助者」「準専門家」「コーディネーター」「代弁者」の4つの役割を果たしている。障がいを持つ子どもの子育ては初めてなのにも関わらず、この4つの役割は担い、子ども成長へ導くのです。親の負担を減らし、家庭での暮らしを充実したものになるように、この4つの役割をどのようにサポートするか考えていく。


親の役割を越えた4つの役割とは

 先述したように、障がいを持つ子どもの親には4つの役割があります。
➀「介助者」は、日常的なケアはもちろんのこと、 経済的にも幼少期から成人期に至るまで支えることが求められます。

②「準専門家」は、幼少期から母子通園や母子入院などの機会を通じて、専門的なリハビリを親自身が施すことができるようにトレーニン グされます。また、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアも、専門的対応ができる職員が不足する療育や教育の場に、日常的に親が立ち会うことを求められることも珍しくはありません。

③「コーディネーター」は、障がい者のケアにかかる社会資源の情報収集や選択、各機関・施設への申し送りなどは素人である親が担っていることが多いです。さらには、子どもの状態に応じた適切な社会資源が不足する場合、親自らが担い手となって運営することさえもしばしばあります。

④「代弁者」は、幼少期からの日常生活の中で、家族だけがわかる「あうんの呼吸」みたいなもので本人の意思をくみ取り、家族外の他者に伝えるというだけではなく、広く社会に対して障がい者問題を啓発し、子どもの生活や権利の拡大のためのソーシャルアクションの担い手となるという役割を代弁的に担っています。

 このように、“親”を越えた多様な役割を担うことから、主に母親にはケアラー役割への専従化が求められがちです。

サポートは時間軸でみた「金銭面を含む生活援助」+αで築く

 親として、障がいを持つ子どものために4つの役割を全うすることは決して不順な決断ではなく全うであること肯定したい。その上で、その役割に割く時間や配分とどこでサポートを受けることが大切かを考えてみたい。

 ④の「代弁者」はもちろん、親だからこそ気づいた課題や困難をよりよくしようと行動されるものですし、より社会からの共感や共鳴を得やすいのも親だからということもあります。が優先順位としては、低く、また専門職やその領域に長けている方と上手く繋がり代弁してもらうこともできると思います。

 ②の「準専門家」や③「コーディネーター」はもちろん親として関わってもらうことにより、より円滑に支援体制やケアの質が向上することは間違えないと思います。そのため、比率としては2~3割ぐらいで関わり、残りを専門の支援者や相談員に役割を担ってもらうことが大切だと思います。

 やはり、➀の「日常的なケア・介助・経済的な支え」が親の主な役割であり8割~9割を占めると思います。むしろ、ここに重きを置きつつも、いかに負担を軽減できるかがとても重要なポイントです。
 親は➀に注力しつつ、②~④を+αぐらいで捉えると負担感は少し軽減されると思います。

母親の就労を支える環境を築く

 では、日常的なケア・介助をしつつ、経済的な支えを持続していくために親自身の育児と仕事の両立を目指すことが重要です。
 今回は詳しくは記載しませんが、障がいを持つ子どもの母親が就労する上で促進される因子が2つありますので紹介していきます。

職場の制度的配慮
勤務時間や通勤時間を、障害のある子どもが使える社会資源の状況に合わせて職場と相談し、設定してもらうことで就労が可能となっていたケースが多くみられています。特に完全テレワークで時短勤務が可能というケースも少なくありません。

同僚の心情的配慮
勤務時間や通勤時間などの制度的な配慮の他に、同僚や上司の心情的配慮や仲間意識に支えられたことがあるということは働いている多くの方が語っています。迷惑を掛けそうで伝えていないという方がいましたら、出来る限り開示することで働きやすさを得ることに繋がります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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