バス

曇り空。バスの中から空を見上げる。どんより。
真横を車が通り過ぎる。自転車も。道が混んでいて、歩いている人々がゆったりとバスを追い越していく。
真上から振ってくるクーラーの風が、涼しい。
バスに乗った事を後悔し始める。歩いたほうが早かったかもしれない。けれど、楽ができる。そのかわり、時間には遅れる。いや、既に遅れている。約束を破ることに、最近、躊躇いがない。
今日みたいに毎日曇りだったら、外へ出ることもそこまで嫌じゃないのに。
赤蜻蛉がよく、飛んでいる。やはり、空を飛べると楽しいのだろうか。人生で一回で良いからスカイダイビングをやってみたい。
ガラスの向こう。
外。
空。
見上げる。
曇り空。
もし空から落ちるなら、その時は、晴れの方が良いのだろうか。

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