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山はじめました。【登山エッセイ】

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経験を重ねAさんと北アルプスに行く物語。初心者の恥ずかしい事柄を記録。戒めとして、また登山を始める方に、役立てれば幸い。
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記事一覧

帰るまでが遠足(登山)

北アルプス物語その8 〜最も危険なルート〜3106m 北穂高岳登頂。 今日は下山。 二日間かけた道を一日で下る。 無事に家まで帰りたい。 風呂に入りたい。 美味しいものが食べたい。 たくさん寝たい。 休みたい。 ゲームしたい。 おっと、 山で煩悩が湧いてくる。 ここまでにしよう。 下界が近づくと、 下界が別世界だということ、 まあ、実感させられる。 夜でも明るい街並み。 映像が流れるテレビ。 スイッチ一つで何でもできる。 文明の有り難み。

さらに一歩先へ

北アルプス物語その7 〜北穂高3106m〜未体験の旋律を奏でる、 
ステキな叔父様との出逢い。
 小屋での数奇な運命は
 私とAをどれだけ弄ぶのか。 
叔父様には申し訳ないが、
 距離をとらせていただく。
 うっすら睡眠完了。
 そして本日、 行き先は北穂高岳。
 ここまで来たらもう一歩。
 欲が出る。
 厳密にいうと違う。 
二日間、 睡眠不足の思い出しかない。
 求めているものが得られていない。 若さゆえの勢いである。
 未だ、達成感はない

横尾→涸沢小屋

北アルプス物語その6 〜涸沢カール到着〜夜が明けた。 荷物をまとめ、涸沢へ。 いろいろあって到着。 さてランチである。 Aにはカップラーメンがある。 さあ、どうする? ほう。 どうやら小屋で買うらしい。 お湯に手を出すのは、 もうなさそうだ。 涸沢はヒュッテのおでん。これが有名。 涸沢小屋はソフトクリーム。 下調べは済んでいる。 そして、二人はすべてを手に入れた。 お金と引き換えに。 もう、遠慮はしない。 お金さえ払えば小屋の方は優しい。 い

横尾でテント泊

北アルプス物語その5 〜初のテント泊〜ランチを終え、 腹も心も満たされる。 今日はテント泊。 事前に練習し、万全。 スムーズにテント設営。 山の夜は早い。 あたりが暗くなり、 寝る時間。 それぞれの寝袋を広げる。 じゃあ、おやすみ。 寝るのでお互い黙る。 黙る。 黙る…。 黙る……。 さむい! 何やら寝袋が冷たい。 地面に接している部分が。 まるで、氷を当てているよう。 とても同じ体勢ではいられない。 寝返りをうつ。 うつ。 うつ。

お湯を求めて

北アルプス物語その4 〜Aの悲劇 Aは街から持参してきたカップ麺。 私は山小屋で購入したカップ麺。 私にはお湯がある、 しかし彼はどうにかお湯を 手に入れなければならない。 私はAの行動に注目した。 Aは小屋の売店にアテをつけた。 あそこならお湯あるよね? こちらの同意を得て 安心しようとしているが、 私はうなずかない。 私にはお湯があり、 彼にはないからだ。 圧倒的な格差だ。 私はAのそばで成り行きを見届けた。 Aが小屋の売店の女性にすり寄る。

横尾でランチ

これまでの話は マガジン 「山はじめました」 からどうぞ。 北アルプス物語その3 〜カップ麺〜北アルプス1日目、続きの話。 これから昼食。 私は小屋のカップラーメン。 Aは持参したカップラーメン。 どちらも、王道のアレ。 特に変わりはない。 あるとすれば購入価格。 街では200円、山だと400円。 そう、これが山ルールである。 知っている。勉強済みだ。 そう、驚かない、私は! あらかじめ知っているので動じない。 しかし、Aにとってはバカバカしい

上高地→横尾山荘

はじめから見たい方は マガジン 「山はじめました」 がオススメ。 北アルプス物語その2 〜平坦道〜降り立った北アルプス。 そのスタート地点、上高地。 由来は神が降り立った地。 ほう、日本とは思えない景色。 たしかに…。 観光地を抜け、砂利が続く道。 ここらはずっとこんな道。 平な道だ。 そう、こんな道が3時間続く予定。 お、背負う荷物が肩にくい込む。 お、登山靴硬くて歩きにくい。 ま、休憩!休憩や!うん。 誰も休まない道端で何回も休憩。 リュ

人気No.1の北アルプスへ

ここまでの話は 「アウトドアって何?楽しいの?」 「山登ることになった。」 「やる気出てきた!」 から振り返ることができます。 北アルプス物語その1 〜出発前〜三度目のチャレンジ。 雑誌で見つけた、北アルプス。 小学校で聞いたことがあるアレ、 飛騨、 木曽、 赤石山脈のどれかだ。 場所は岐阜と長野の間である。 行き先が決まると、次は下調べ。 時期はお盆。難易度はまあ大丈夫。 行き帰りはクルマで移動。 山小屋利用を考え、現金は多く。 とまあ、慎重

やる気出てきた!

⑦ よい加減の山へ前回、山の頂上に車で到着。 次の登山。 同じ轍は踏まない。 当たり前だ。 未だ、達成感を味わってないのだ。 頼りのネット。 難易度に気をつけ、 登山の行程にも目を通した。 当たり前だ。 未だ、達成感を味わってないのだ。 次こそ成功する。 山とは計画が大切なのだ。 初めての登山を糧に我々は学んだのだ。 登山口の駐車場に到着。 止めてあるのは軽トラ一台。 ほう…。この人も登山か! 何か、親しみを感じる! 山に登れるという期待に心

山登ることになった。

④ 苦肉の策無茶な遊びに誘うAには要注意。 自分の許せる遊びにしなければ 恐らく命はない。 たどり着いた。 「登山なら。」 こうして私はソト遊びの扉を叩いた。 決して前向きな選択ではなかった。 消去法で最後に思い浮かんだのが 山だった。 結果。行き先は山。どこの山にするか? ⑤ 目的地の設定「山登りをしよう。」 自分から切り出した以上、 段取りしなくてはなるまい。 登ったことのある山はナシ。 初めてがイイに決まっている。 こんなときはネットを頼る

アウトドアって何?楽しいの?

これはアウトドアと無縁な私が、 ゆるキャンの聖地、富士山の麓で キャンプするまでの物語である。 ① 職場の先輩仕事のできる先輩が山好きだった。 これがアウトドアに気が向くきっかけ。 職場は動きやすい服装でよい。 そこで、アウトドア用品のウエアを買い出す。 カタチから入る。ただし、奇抜なものはイヤだ。 クセの強いものはパス。 溶け込みやすいものを中心に買う。 使ううちにアウトドア製品の良いところに気づく。 軽い◯ 丈夫◯ 通気性◯ 動きやすい◯ と