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屋久島行きました。【登山エッセイ】

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経験の浅い私とAが屋久島に行ったときの話。まだまだ失敗続きの冒険回となります。戒めとしてご覧下さい。フォローどうぞ。
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記事一覧

人と自然の共生【屋久島】

屋久島物語その⑨〜島の生きもの〜 孵化した海ガメは、 無事に海へ出て行った。 このうち、 どれだけの亀が この浜に帰ってくるだろう。 手の平には、 海ガメの力強さがまだ残っていた。 自然の厳しさは 命のやりとりがあること。 人には決して分からない。 島には海ガメ以外に 猿🐵や鹿🦌がいる。 話では 猿2万、鹿2万、人2万。と聞いた。 少々盛っている気もするが 人と動物に違いがなく、 自然界での平等性を説いている気がした。 屋久島には、 縄文

海に向かう【海ガメ】

屋久島物語その⑧〜力強い生命〜 産卵された場所で見守ること、 しばらく。 観察員の方が、 変化に 気づいた。 孵化した海ガメが 次々に砂を押し除けて 出てくるそうだ。 確かに砂が少し、ほんの少し 動いていることがわかるようになった。 時間がどれだけ経ったかなど 全く気にならない。 見逃したくない一心だった。 地表の砂が崩れて、 黒いアタマが見えた。 そこからは早かった。 1匹出たのを皮切りに、 2匹、3匹と続いて出てきた。 観察員の方は、

間近で【海ガメの孵化】

屋久島物語その⑦〜未知との遭遇〜 海中温泉♨️という露天風呂。 有名どころの滝の数々。 パンフレットにあるスポットを 抑えながら、 屋久島1周の旅は続いた。 海水浴にシュノーケル🤿 釣り具を買って、磯釣りも。 宿は島の至るところにあり、 比較的見つけやすかった。 1泊1500円ほど。 相部屋が基本だが、寝るためには十分。 そんな私とAに情報が舞いこむ。 ちょうど海ガメの孵化が見られるらしい。 自然保護のため、 規制が以前よりきつくなったそうだが。

絶望の夜を超えて

屋久島物語その⑥〜生還〜 写真はウイルソン株。 中から空を見上げると ハート型に見えるパワースポット。 しかし、美しい自然も 人の怒りを完全に抑え込むことはできない。 前夜の出来事は、 確実に私とAにシコリを残した。 この旅。 まだ3泊4日の行程が待っている。 準備を済ませて、歩き始めた私たち。 2人の頭には、 和平協定が浮かんでいたはず。 一時休戦だ。 私は、 Aの要求を快く受け止める準備をした。 ガスが足りなかったこと。 ガス缶を借りたこ

縄文杉にて【友情決裂】

屋久島物語その⑤〜醜態と惨事〜 ようやく辿り着いた避難小屋。 ほとんどの人はここに止まる。 しかし、私はテント泊を希望。 そのために重い荷物を背負ってきた。 Aはというと、 以前の極寒テント泊に怯えたからか 避難小屋で寝るそうだ。 まあ、いいだろう。 テントの中が広くなるもの。 Aも私も長旅に疲れ、 心に余裕がない。 思いやりの精神など皆無。 やりとりは単調で無機質だった。 そして、夕食の時間。 事件が起こる。 バーナーのガスがない。 小さな

【もののけの森】→【縄文杉】

屋久島物語その④〜大甘計画〜無事に宿を押さえた私たち。 1番の不安どころが解決。 俄然、 明日の行動にやる気がわいた。 今回は【縄文杉】を観に行く。 せっかくなので、 ジブリっぽい場所。 もののけの森も見ることにした。 コースは白谷雲水峡を通って、 縄文杉に向かう順路だ。 今になって振り返ると、 この2つは別々に行くべきだ。 テント泊装備で体力が 著しく低下。 縄文杉まで12時間も歩くことに。 まず白谷雲水峡では、 有名な屋久杉を全て見るために

安房で【モス🍔】

屋久島物語その③〜今日の宿を発見〜 不安を抱えた夜。 迎えた朝は、 快晴だった。 朝食を食べ終え、 名残り惜しい空間から出発。 前日に予約したレンタカーに 乗り込み、 今日の目的地【安房】に向かう。 屋久島は1日もあれば、 クルマで1周できる島。 今日の行程はその4分の1ぐらい。 時間はたっぷりある。 寄り道できそうなところに 立ち寄ってはブラブラした。 安房の市街地だろうか。 左手に モスバーガーが目に入った。 島では珍しい。 もう食べ

最後の晩餐

屋久島物語その②〜1日目がピーク〜 1日目、この日は主に移動がメイン。 クルマで空港へ。 飛行機で鹿児島へ。 高速フェリーで屋久島へ。 片道1万円ほどするが、 いいだろう。 まあ、 今日は宿があるから。 夕食付きだし。 もしかしたら、 今日がこの旅のピークかも。 安心が担保された時間は幸せだ。 そして到着。 受付を済ませ、 ドアを開けるとベットが2台。 民宿タイプなのに、 ホテルチックだ。 想像以上で驚いた。 夕食を食べ終えると シャワ

1泊5日ってどういうこと?

屋久島物語その①〜Aの奮闘〜 マガジン【山はじめました。】の通り、 Aの誘いは、ほぼ命令だ。 今回も、前回と同様。 予定のないお盆を 見事に抑えられてしまった。 行きたい希望だけは 叶えてくれそうなので いいよ、と返事をした。 しかし、行き先が決まったのはお盆の間近。 私の仕事の忙しさに加え、 連絡不精が合わさり Aとの連絡をほとんどとらず。 これは私が悪い。 しかし、そんな絶望的な状況下も Aは動いていた。 遊びのためには労力を厭わないのだ。