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凸と凹の幸せな使い方

「いってらっしゃいっ!」

玄関の扉を開けると、眩しくて目が開けられないほどの朝日が差し込む。太陽が、朝日というチアリーダーを私たちのところに届けてくれてるみたいだ。

朝、夫を仕事に見送る。たったこれだけの一瞬が、私はとてもとても幸せだ。私たち夫婦は今までほとんど一緒に仕事をしてきたこともあり、片方が片方を仕事に見送るという習慣は我が家にはなかった。夫は写真家であり映像も作る。そして私はヘアメイクでありディレクション業も行うため、2人で一緒に撮影をすることが仕事の9割を占めていた。家から出るときはほとんど一緒に出るし、作業をするときも2人で家かカフェで作業をする、それが常だった。

そんな私たちは、さりげなく今年から少し今までとは違う働き方を始めた。といってもこっちの方が一般的なのかもしれないが、夫が外に仕事に出て、私が家で仕事をするというスタイル。そして仕事内容も別で、夫は夫で自分で受けた撮影に出向く。私は私で、家でウェブ制作をしながら漆喰で絵を描く。(そして好きなだけnoteを書く!これが楽しい!)もちろん一緒に受けている仕事もいくつかあるので、2人で仕事に行くこともあるし、毎日見送っているわけではないのだけれど、この働き方は私たちにとってはとても新しい、かつ実は心地いい試みなのである。

今までの私たちは、同じことに同じだけの責任を持って、同じスタンスで仕事に取り組むことが多かったのが、今は違うことに取り組んでいて、違う責任感を感じて、違う時間軸で動いている。一見別々に進んでいるようで寂しいことかのように思えるその動きが、お互いがお互いの魂を全うしているようで私はなんだか嬉しい。

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前回の記事でも書いたけれど、「私の月稼働日数は10日」と友人に四柱推命を見てもらった時に言われたのと同じく、夫は「月稼働日数33日」と言われていたことも、実はこの働き方に大きく反映されている。月33日って、休みナシやないかい!ともちろんツッコミを入れたのは私で、この言葉を聞いて夫自身は「うん、いける気がする」とすんなり受け入れたのは驚きだった。キャパがあまり大きくない私のスピード感に合わせて、2人で仕事をするときはスケジュール調整をしてきたのだけれど、まさかのそんなに私と夫のキャパに差があるとは正直思いもしなかった。別で仕事をしてみようとし始めてからというもの、空いてる隙間があれば一切の迷いもなく仕事を次から次へと入れていく夫の姿を見て、今まで申し訳なかったような、でもやっと本当の彼を応援してあげられるような、心の靄がさーっとはけていくような清々しい気持ちになる。

そんな私はというと、またこれが生きやすいのなんの。自分のペースで自分のやりたい分だけの仕事を入れることができる。(それができるのも、好きなようにやりなさいと言ってくれる夫がいてくれてこそなのだけれど)私自身、元々超絶仕事人間なので仕事せずにただゆるゆるしてるだけで幸せ〜なタイプではないのだけれど、自分のやりたい仕事を好きなだけ(&ベストコンディション・パフォーマンスでできる分だけ)入れて、辛くなる手前で調整するという、つまりは月10日の稼働に抑えるこの働き方は、本当にびっくりするくらい合っていた。(それでもやりたくなってしまい、結局過稼働を起こしてしまうのだけは私の悪い癖なので治したい。それも前回の記事に。)そして、できるだけ外に出かけてどこでも写真を撮っていたい夫と、できるだけ大好きな家で大好きな家事をしながら過ごしたい私の性質を取っても、これはとても合理的な働き方であることも嬉しいポイントだ。

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夫にとっても自分で選んだやりたい仕事をやりたいだけできて幸せ、私にとっても自然にできる仕事を体に負荷なく最高な状態で取り組めて幸せ。そんな私たちのそれぞれの喜んでる魂同士が、「今日もお互い楽しもうね!」と声高らかにハイタッチをして1日をスタートする、その瞬間が私にとっては朝一番の「いってらっしゃい!」「いってきます!」なのだ。そして「ただいまー!」「おかえりー!」の瞬間もまた同じく、そんな自分たちの心と身体をまた明日待つ大きな喜びに使えるように、スッとコンセントに挿して充電する大切な瞬間なのである。

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