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#リプでタイトルをもらった架空の本をさも読んだかのように語る

『あの丘で待ってる』
『待ってる』シリーズ三部作の最終章。
前作ではライ麦畑で恋人を待っていた主人公だが、麦の背が思ったよりも高く見つけてもらえなかったことから場所を丘にうつした。
歩き疲れたたずむ恋人を丘をまく坂の道が叱るシーンは涙なしには語れない。

『鍋奉行、江戸へ参る』
児童書。きりたんぽ鍋の不始末で家を消失した鍋奉行が江戸へのぼったものの、なんせ秋田弁が通じなくて最初はてんで相手にされない。
小さい頃に読んだ時は悲しげな鍋奉行の絵が切なくて大泣きしたけど、いま読み返してみると相互理解に必要なのは言葉ではない、という話だったのかなあ。

『ヨヰコ ワルヰコ ワルヰコ』
絵本。よいこには青い風船が、悪い子には赤い風船が配られる街に来たリア。
どんなに良いことをしてもリアのもとには毎日赤い風船が届いてしまう。いじめられっこを助けても、弟に大きいほうのおやつを譲っても……。
本当の"よいこ"とは何かを親子で考えさせられる不朽の名作。

『星の王女様』
王子さまが去ったあの星に残されたばらの話。
バオバブの種を小さなとげで威嚇してみせるシーンはなんともけなげ。
彼女が王子さまに会えたかどうかは実際に読んで確かめてみてください。

『ヨーグルト公爵夫人の憂鬱』
あの食べ物の名が彼女からとられたことは有名な話だが、彼女自身の生涯について書かれた書籍は少ない。
零細牧場のひとり娘としてうまれたヨーグルトが、牛よりも安く売られた先で跡部財閥の跡取りに「面白い女だ」と拾われるのは事実である。多少の脚色はあったものの、読み物として楽しめた。

『カバの壁』
大移動の際に方向をまちがえたカバが小さな川に大挙し、近所の村人を困惑させてしまうという実話。
カバ信仰のあるこの村では日本から廃棄寸前の嬬恋キャベツを取り寄せてカバをもてなした。気をよくしたカバたちは毎年同じ時期にこの川に押し寄せてくる。
載っていた写真はまさに壁というほかなかった。

『山盛りやもり』
やもり座の伝説。神代の頃、やもりたちは鮮度を保つために生きたまま足をもがれ、かごに山盛りにされて猫の王に献上されていた。
これを不憫に思った天帝はその魂を天に上げて星座とした。また、新たにうまれるやもりには尻尾を切って逃げることを教えたという。
児童向けで解説が大変わかりやすかった。

『コンドワナ大陸全記録』
アドリア海に浮かぶ小島がコンドワナの忘れ形見である。大半は沈んだとされていたが、本書はそれを覆した。
「はやぶさ3」が小惑星カニカマから採取した土とアドリア海の小島のものが一致したというのだ。
前書き以外の全てが手書きだが、カニカマを歩く著者の手記は感動に震えほとんど読めなかった。

『今まで誰も知らなかった居酒屋のおしぼりのすごい使い方』
セキセイインコの代用品として出回ってることは知っていたけれど、持ち去りが横行しているのはよくないな。まさか完全犯罪にまで使われるとは……
後書きに「すべて著者が実践した方法です」と書かれていたのが気になる。

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『30代から始めるなまはげライフ』
地域おこし青年隊として移住したナミーさんハギーさんの奮闘記。
夫ハギーさんが何度も山を尋ね、根負けしたなまはげに弟子入りしてからの10年が綴られている。
ナミーさんは奥手ななまはげの恋のキューピッドとして合コンを開催するなど、今までにない切り口での地域おこしの取り組みが面白い。

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