人気のBOSSのVE-8、いわゆる弾き語り人のためのエフェクター

プロの人はライブの時、自分の曲を知り尽くした専属の音響スタッフが音の面倒を見てくれるので、ミキサーコンソール側で良い音に仕上げてくれますよね。曲によってダイナミックに音作りを変えてくれたりもします。

自分の事を全然知らない音響スタッフに任せないといけない。
自前の機材を持ち込んで音響も含めて自分が全部担わないといけない。
大部分の庶民ミュージシャンはこの状況だと思います。

エレクトリックギター奏者やキーボード奏者は基本、どんな状況でも音作りにコミットし、エフェクター、様々なアンプなどを屈指して自分の”音色”を追求していると思います。ライブの規模の大小問わず。

これがボーカルやアコギター、その両方の弾き語りになると、なぜか音作りは無関心、または「小規模ライブだからしょうがない」「ライブハウスだとこんなもの」状態で、聴く方も「まあ、こんなもんだよね」という欲張らない良いお客さんとなってますよね。

ここから脱したいと思った弾き語り人が
「もうちょっとボーカルの音を整えたいな、アコギの音を良い感じで響かせたいな」
と思い立ってまず手に取る、
そんなエフェクターがBOSS VE-8です。

ボーカルとギター、一台で両方にエフェクトかけられます。これは手軽です、ライブの時のセッティング楽です。

ボーカルにはエンハイサー(音圧や音質を整えてくれる)、音程補正、リバーブ、ダブリング等基本エフェクターが分かりやすくレイアウトされ、つまみを動かしアナログ的、直観的に操作可能。

ギターはアコウスティックレゾナンス(エレアコを箱鳴りの生ギター的に変身させるもの)、ノッチ(ハウリングした際にハウリング帯域の音をピンポイントで下げる)、コーラス、リバーブが有り、これもつまみを動かしアナログ的、直観的に操作可能。

こんな感じなので、エフェクターに縁の無い人でも、入っていきやすいと思います。リバーブを除いて、基本的なエフェクターは劇的には効かない感じですが、ハウリングしにくいので実践的だと思います。

さらに進んだ使い方、積極的音作りもできます。
ボーカルに3度、5度のハーモニーを原音の上下に重ねられます。キーを固定できますし、オートでもできます(弾かれるギターのハーモニーを瞬時に解析して推測しているのでしょう。小規模AIです)。
ラジオボイスやエレクトリックボイス使えます。
3バンドイコライザーあります。

ギターはディレイやフェイザー、コーラス、オクターバー、スローギア(バイオリン奏法に使う)、3バンドイコライザーとエレクトリックギターに使うようなエフェクターが使えます。

そしてその積極的音作りを50種類メモリーできるので曲ごとに音作りをダイナミックに変えて、それをライブで再現できます。

音質、ノイズも別段気になるところはありません。安心安定のBOSSです。

良いですね、しかし・・・
エフェクトをもっと派手に、弾き語りのイメージを覆すほど様々な音色を試したい、となると物足りなくなります。

VE-8にあるエフェクトの範囲内で色々と試したい時も、上記の基本のエフェクター以外に突っ込んだ設定をするとなると、ボタンを押してモードを切り替え、つまみをいじくることになるので、ぐっと分かりにくくなります。
弾き語りでこういうの初めてだと基本設定以外はしんどいかもです。
この辺りスマフォのアプリなど連携して分かりやすくしてくれたらなあ、という感じです。
ただ、分かりにくいと言っても一昔前のエレクトリックギターのマルチエフェクトぐらいの感じで、激烈分かりにくい感じではないですよ。

後、何気に気になるのが、ボーカルのオクターブアップ、ダウンがハーモニーで使えないことです。3度、5度のハーモニーのエフェクトは、フレーズの途中で転調が無いことや、オート設定だとギターのコードをはっきり弾いた後にハーモニーの部分のメロディーを歌わないと追従性が悪く感じたりと、制約がやはりあります。

その点、オクターブだと気にする必要が無いので(音色的に使いどころは限られますが)やっぱり欲しいかなと。

今、自分はいわゆる弾き語りのオーソドックスな音作りから、もっともっと刺激的な音作りを求めて別のエフェクターに移行してます。
なのでVE-8は手放してしまいました。
中古市場で結構高く売れたので、発売後7年程度経ってましたが人気は高いようで、それだけ高品質の良い製品ということだと思います。

過去にお世話になった機材に関して、徒然と書いてみました。





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