トミー・リー・ジョーンズと10時間寝食を共にしてわかったこと

2018年夏、LAに来るとき私は飛行機に乗りました。当たり前か。

格安航空で乗り継ぎしながら30時間くらいかけて行くしかないなと思っていましたが、いろんな経緯があって、なんとJALのファーストクラスで渡米することになりました!しかもタダで。どんなだよ。

ファーストクラスはアメリカン航空国内線のしか乗ったことがなく、ちょっとすごい日本のビジネスクラスぐらいだったので、JAL国際線のファーストクラスはさぞかし凄いんだろうと思ったが、うん、予想を超えて凄かった・・・

まあまず、搭乗前にラウンジで食べ放題を楽しむよね。
いつもラウンジを利用できるとき私は、搭乗前にカレーを食べます。ゲレンデでのカレーと同様、美味しいんだ、100%。
さっきまで家族や友達と別れを惜しんでいたのに、今度はカレーの美味しさに涙が出そうです。
お寿司も美味しかったな、寿司職人がその場で握ってくれます。
もちろんビールも飲みます。もうこの時点で最高の気分です。あ〜満足!日本帰ろうか(まだ成田)。

そして搭乗。
ファーストクラスなので待ちません。すぐにお席にご案内。
そしてすぐにお飲み物。(いやあこんな小娘にそんな歓迎いいのになあ、、申し訳ないわ、、)
「プレモルで」
そのあと10時間の飲み放題を満喫。

そして、それは現れます。
搭乗したのはトミー・リー・ジョーンズ!
そしてなんと隣の席!!

隣と言っても2mくらい離れてるし仕切りもあるけど、大スターに感激するには充分すぎる距離。

もしかすると名前を知らない人もいるかもしれないが、缶コーヒーBOSSのCMの宇宙人ジョーンズです。

あの、いくら親日家といえ、なんでBOSSは彼をあんな形で起用し続けられるんでしょうか!すごい人だよね、普通に。アカデミー賞受賞者だよ!

5時間くらい迷いましたが(体感です、実際には10分くらい)話しかけることにしました!
「プライベートの時間を邪魔して本当に申し訳ないのだけれど、どうしても話がしたかったので許してくれ。私はこれからロスで映画を勉強するんですが、あなたの出ている作品ももちろん見ていて大好きですわい」と。
ちょっと英語の発音がわかりにくいCAさんにイライラしてたのを10分前に見てたのでド緊張しましたが、そして近寄った時は若干めんどくさそうな顔されましたが、話しかけると「あ〜そうなんだ!名前は?」ってにこやかに会話してくれました。優しい〜

そしてそれから私とトミー・リー・ジョーンズは10時間寝食を共にします。大袈裟。

10時間でわかったこと。

・宇宙人ではない
BOSSのCMでしか知らない人のために一応。10時間の観察ではジョーンズが宇宙人である証拠はつかめませんでした。

・トランクケースを使用
あのなんていうんですか、フォレスト・ガンプが持ってるみたいな、ファンタビの人が持ってるみたいな、タイヤのついてない革の硬いカバン。アタッシュケース?
ほんと映画みたいにそれの中にきっちりものを詰めていて、大事そうに座席の下に置く。メモ用紙や書類も入ってて、ワイン飲みながら書き物をする姿がかっこよかった。

・ちゃんと老眼
ちゃんと老眼です。メガネかけてパブリックに出ることもある彼ですが、ちゃんと老眼鏡かけて、おじいちゃんみたいに書き物をしてました。

・全然トイレに行かない
なに、遺伝子の力?スターはトイレに行かない?撮影で培われた強靭な膀胱?
おじさんなのに、結構ワインも飲んでるのに、1回しか席を立たなかった。
自信ある臓器No.1は膀胱である私も勝てる気がしなかったよ。

・映画好きに優しい
その1回のトイレから帰ってくるとき、私は映画を観ていて、軽くメモをとっていました。するとトミー・リー・ジョーンズはそれを見るや「いいねえ」と笑いかけてくれました。普通に優しい。

・でも映画の途中で寝ちゃう
しかしそんな彼も、映画の途中では寝てしまいます。心地いいですものね、リクライニングシート。お疲れだったんでしょう。
ちなみに日本のニュース番組も10分くらいじっと見ていた。おもしろかったかな。

・寝グセがかわいい
寝起きのトミー・リー・ジョーンズは本当にただのおじちゃんでした。起きた後には髪の毛がぴょんと跳ねていて、非常にかわいい。
ちなみにJALのファーストクラスではお食事が終わると絶妙なタイミングでパジャマをくれ、着替えて戻ると、席をフラットしてエアウィーブのマットレスを敷いておいてくれます。やべえよ。いいよ、申し訳なさすぎるよ。私のような者は座って寝ますよ。

その他、お箸が上手に使える・あんまり食べない・寝相がいい・スマホに一度も触らない(まあ電波ないからあれだけどさ)・ひとつひとつの動作が非常に丁寧・くしゃみが意外と小さいなどいろいろなことがわかりましたが、総じて言うと、普通のおじちゃんでした。
スクリーンで見るONのときの彼とは違って、すごくやわらかい雰囲気のある、テキサスのおじちゃんって感じ。

ちなみに彼の出ている作品で一番好きなのは『ノーカントリー』です。
10年前くらいにオスカー4つくらいとってる。そしてなんと言ってもハビエル・バルデムの助演男優賞ね!
ハビエル・バルデムは先月のアカデミー賞の会場で見ることができ、W主演と言ってもいい2人を生で見ることができたという思い入れのある作品でもあります。
見たら絶対に忘れない映画なので、観たことのない人は、特にトミー・リー・ジョーンズの真面目な演技を観たことのない人は観てみてください!

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