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資本主義の次に来る世界 

ジェイソン・ヒッケル 東洋経済新報社

現代手芸考より先に読み始めていたけどなかなか進まず、気持ちもなんだか乙混みがちだったので、現代手芸考を並行して読んでいた。
ようやくこの本を2024/04/20 読み終わった!(やったー!)
途中斜め読みをした部分もあるけど、二元論やこれまでの資本主義の本質、経済成長、歴史などをある程度把握している人は第二部「少ない方が豊か」から読んでも内容がわかると思う。
第一部はとにかく読むのが苦痛だった。読んでも全く理解できないというか、弾いているような、無意識的な拒否反応があったような感覚。
第二部に入った途端、のめり込むような気持ちの軽さがあった。
・成長は進歩をもたらすのか
・GDPは人を幸福にできない
・成長のない繁栄
・イデオロギーからの脱却
など、小題から見ても、気持ちが前を向く。

私の中で衝撃的だったのが二元論。
GDPの意味、経済の成長、そしてそこに組み込まれた心理的操作。
世界の富裕層1%のための労働と搾取。
アニミズムという概念。
何も知らずに生きていたんだなあ。。。と多いに気付く。
頭の中お花畑だったなぁ。。。
しかしこの気付きはとても大事だったな。。と。

アニミズムに関して、
これは日本人の中には八百万の神という概念があって、
全てのモノや自然には神様が宿っているという話を小さな頃から聞かされていた。
だからものは大事にしなさいと。
こうした言い伝えのようなものは私だけではなく、学校などでも伝えられてきたのではないだろうか。
日本という島国ならではの発想でそこに大陸的な思想が入ってきたとしても根本は変わらないのではないかと考える。

私はこのアニミズムと関係がある経験をした。
乳がんのステージ2という告知を受けたのが2018年の夏。このままでは癌が爆発したり膿んだりして、そのうち死に至ると。
何軒かの西洋医学の病院へ、三大治療以外でなにか良いものはないかと聞きに行ったが、全部上記の事をなにかマニュアルを復唱するかのように同じ事を言われた。
これについてはまた別の機会に話をすることにする。
結局、自分で作った癌なので、自分で治せるはずと思い、
鍼灸とトンデモ先生(断薬で有名な内科の先生で、自称世界位一嫌われている内科医)のところへ行ったり、大嶋信頼先生の現代催眠の講座を受けたりした。
その傍ら、住んでいるところの近くに「緑地帯」があり、そこへ毎日のように通って歩き始めた。
ホノルルマラソンに出て「私は大丈夫」という事を「手術しないで死んだらどうするのよ」と心配する程で自分の価値観を押し付けてくる家族をはじめ、周囲の人たちに証明したいとさえ思っていた。
夏には思い切り汗をかき、色んな虫たちに刺されたり、不思議な木の芽を発見しては眺めたり、秋にはたくさんの落ち葉の上を歩く音を聞いてニヤけたり、冬の静かな空気に冷たさを耳で感じ、春に動きが活発になるリス達と話すにはどうしたらいいだろうと考えたりしていた。ベンチに座って瞑想、ストレッチ、深呼吸をしたりして約40分から1時間を体と相談しながら行ける時は行って緑地帯で過ごした。
そうして過ごして6年。わたしの乳がんはかなり小さくなり、最初の何年か熱を持っていたが、今では片方の胸と同じ温度で、腫瘍も小さくなって、痛みもない。石灰化して、悪さをしなくなったようなった。
もちろん、先に挙げた治療はしていたものの、爆発したり、膿んだりする事なく過ごし、今は疲れることも少なくなり普通に過ごしている。これはこの緑地帯で過ごす時間がかなり影響しているのではないかと思う。もちろんこれだけではなく、先に挙げた治療との相乗効果なのではないかと。

この本に書いてあった事は
・樹木の近くに住むと心血管疾患のリスクが下がる
・血圧、コルチゾールレベル、心拍、その他ストレスや不安の指標が下がる
・免疫機能が大幅に改善
・フィトンチッドは免疫細胞を活性化し、ストレスホルモンを下げる
これらは各国の研究により科学的に証明されているとのこと。
なるほど。

第二部の最後の方に
少数民族の生き方が紹介されており、この世界は全て繋がっていて、木や土、菌類、虫や動物たち全ては親戚であると。これらからもらう命や犠牲は感謝と互恵の念をもち、バランスを持つこととあった。
親戚だと思えば、むやみやたらに木を倒したり、魚を取ったり、動物を邪魔扱いしない。そして、命をいただく量も互恵関係のバランスを取り、感謝をしていただくことになり、必要とするより多く、返せるより多く取る必要がなくなる。

この本は、私にとって新しい知識と奥深さを教えてくれた大事な本となった。
心より感謝。
そして、この本を読むきっかけをくれた友人がいる。その友人についても話していきたいと思う。
つづく


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