イノシシが隣にきたよ
あなたは「イノシシが隣にいますよ」って、声かけられた事ありますか?
人生で、声かけられたの中で最も輝く第一位、それがこのセリフです。
とある冬の日、福岡の夜景を見ようと出かけた時の事です。長崎市をこよなく愛する私は、「海・山・夜景・文化・祭」が感じられないと寂しくなります。福岡は、平野ですので高低差での街の明かりを楽しめる景色が少ない。そんな数少ない夜景が見れる場所を求めて、ネットで調べて出かけました。
夜景が見れる場所へ到着したら、よくあるでしょ?バンのホットドック屋さん・バイク乗りの人々・カップル達。よくある光景です。夜景が見える場所の手すりの端っこに、カップルがいます。
私はテッテッテーとそこへ向かい、夜景を眺めてました。しばらくすると、隣のカップルのお兄さんが、
「隣にイノシシいますよ」
と、声をかけてくれました。
「え???」
何のことか解らないまま、横を向くとそこにイノシシが!めっちゃ近い距離にいるではありませんか!つぶらな瞳でこちらを見てます。
ひええええ
イノシシに慣れてない私は、ジリジリと後ずさりして、その場所から一目散に逃げ、遠くからイノシシを見てました。そしたら、ホットドック屋のおいちゃんが、長い棒をイノシシに当たらないように投げつけて、追っ払ってました。
その時は、「イノシシ怖い!」の感情に支配されて慌てふためいたけど、よくよくそのイノシシを思い返したら、まだ子どもだったような気がします。
つまりこうです。
イノシシ「あ、人間だー、何か美味しいもの持ってるかなぁ、ちょーだいちょーだい♡」
私「ひえええ!怖い!!」
イノシシ「え、なになに?」
イノシシ、何もせずその場所にいる。私、恐怖で逃げる。
たぶん、母親も近くにいたのかも知れませんね。
あんなに怖がらなくても良かったなーと、帰ってきてちょっと切なくなりました。あの子、もしかしたら、この冬「猪鍋」になるかも知れないから。
あんなに人懐っこいと、心配だなぁ。
本当は、人間の方が怖いよね。あの子、山にまだいるかな。
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