皐月賞を考える

【前哨戦徹底振り返り】

 これまでの考えるは過去の傾向等から適性の高い脚質、経験値、血統などからレース適性の高い馬を探していくというアプローチでしたが、今回の皐月賞については出走メンバー全体に焦点を当てて考えていきます。

【ホープフルS】

・出走メンバー
 レガレイラ(1着)、シンエンペラー(2着)、サンライズジパング(3着)、ミスタージーティー(5着)、シリウスコルト(10着)
・レースラップ
 12.5-10.8-12.1-12.5-12.1 前半60.0
 12.2-12.1-12.4-12.0-11.5 後半60.2 全体2.00.2
・回顧
 前後半ほぼイーブンのミドルペース、先行勢で掲示板内に残ったのはシンエンペラー、サンライズジパングのみで、あとは2桁番手から差してきた馬だったが特に前に苦しい展開というよりは馬場の巧拙と乗り方が大きかったように思う。
 2F目が10.8とかなり早く、ここでポジションを争った馬は結構足を使っている。内からヴェロキラプトルとアンモシエラが競るようにして上がっていくのに併せてサンライズジパングがスタート直後からかなり押して押して好位を確保。シンエンペラーは内枠を活かしていいリズムでインの2列目に入る理想的なポジション取り。
 向こう正面では折り合いを欠きながらショウナンラプンタが上がっていったり、アンモシエラも抑えが効かない感じで早くは無いが前3頭は息が入る感じの競馬にはならなかったが、その後ろにつけたサンライズジパングは馬なり追走に切り替えるとともに少し後退、シンエンペラーは理想的なポジションをキープ、後ろは前でやり合っているのを我関せずという感じで坦々と追走。
 年末ということもあり3.4コーナーのインはかなり荒れており、ここでインを通すとかなり負荷がかかる状況だったこともあったのと、向こう正面で先行勢が勝手にやり合って消耗していたこともあり残り3F地点ではあまり加速せず、実質直線だけの2F瞬発力戦。
 好位を活かしてシンエンペラーが内を通しながら早めに抜け出し、シリウスコルトとアドミラルシップが馬場適性を活かしてその後ろをついて伸びてくる。更にその後ろでミスタージーティーがどん詰まり。一方外では向こう正面で少しポジションを下げたことでしっかり足が溜まったサンライズジパングがウインマクシマムを吹っ飛ばしながらコーナリング。その後ろからとにかく馬場の良いところを通しながら足を溜めていたレガレイラがロスの無いコーナリングで進出。
 完全に抜け出したシンエンペラーが少しソラを使う形で手ごたえが鈍ったところを一気に切れ味を発揮したレガレイラが強襲、一瞬のキレであっという間に差し切り勝利、シンエンペラーは躱されるも力を見せて2着、サンライズジパングはかなり荒い競馬内容で幼さ全開だったが菅原騎手の好エスコートと前が崩れたのがかみ合った。
・皐月に向けて
 レガレイラは強かったが、馬場状態と展開、何よりもルメール騎手の好騎乗がかみ合った結果。直線だけの瞬発力勝負を制した形であり、中山2000のG1を勝利してはいるが”先行力”や”末脚の持続力”など本来中山で求められる能力を示してはいない。
 シンエンペラーはそつの無い内容で、たまたまとてつもない切れを持った牝馬がメンバーに居て躱されたが、例年ならばここでG1馬だった。直線では幼さが目立ったがそこまでは完璧。荒れ馬場も苦にしなかった。
 サンライズジパングは難しすぎ。武豊騎手よりも菅原騎手の方が手は合いそうで、ガシガシ追えば動いてくれるもののトップスピードはそこまで。コーナリングがかなり下手なので、大味な展開だったから3着確保できたがあまり評価できない。
 シリウスコルトは切れる足は無いものの、マクフィ産駒ということもあり荒れ馬場は全く苦にしないのはストロングポイント。ホープフルでは位置が後ろすぎた分馬券まで届かなかったが、そこが改善した次走で3着に粘り込むのも理解できる。ミスタージーティーは詰まってなければとは思うが、外回して来れていたかと言うと微妙なところなのでここは仕方なし。

【京成杯】

・出走メンバー
 ダノンデサイル(1着)、アーバンシック(2着)
・レースラップ
 12.3-10.7-12.6-12.1-13.0 前半60.7
 12.6-12.4-11.9-11.3-11.6 後半59.8 全体2.00.5
・回顧
 非常に中山2000らしいというか、京成杯らしい流れ。1角までの入りがそれなりに長いため2F目のポジション争いは激しく10.7。
 その分コーナーに入ってからは一気に緩み、向こう正面では13.0が挟まるほど。前が少しリードをもった隊列だったのでラップ的には残り4F地点は12.4と出ているが後ろの馬郡はそのあたりから促し始めて加速、中山2000らしい末脚の持続力が求められる展開。
 そこをダノンデサイルが力強く外から進出、コーナーでは手前替えで若干ミスステップのような感じになり加速が遅れたが、最加速してからは鋭く、ゴール前で先行馬郡を飲み込んで先頭、アーバンシックは馬郡を捌いて規格外のキレで突っ込んできたが最後は同じ足色になって躱せずの2着。
・皐月賞に向けて
 勝ったダノンデサイルは完璧に近い内容。それなりにテンのスピードが求められたポジション争いでも8枠という不利な枠から外ではあるが好位を確保、鞍上の仕掛けにしっかり反応して差し切り。上がり3Fも34.1と中山2000にしては早く、その前走の京都2歳でも上がり最速だった切れ味をポジションを取った上で発揮できたのは非常に評価できる。道中でボロを出したり、コーナリングで手前替えが早かったりなど幼さも見せたが、休んだ分でそこが改善されていれば皐月でも十分勝負できるポテンシャルあり。
 アーバンシックはポジションが取れないのが課題ではあるものの終いのキレは強力、1コーナーでは最後方だったが馬郡が緩んだタイミングでじわじわと押し上げて、コーナーではワンテンポ追い出しを遅らせた分のキレ。上がり33.9はホープフルのレガレイラと同じ上がりもこちらの方が持続的に足を使っており、一瞬のキレでは分が悪いものの長く足を使う展開であればこっちの方が早いかも。

【若駒S】

・出走メンバー
 サンライズジパング(1着)
・レースラップ
 12.6-11.2-12.2-12.8-12.9 前半61.7
 12.3-12.2-11.8-12.2-12.6 後半61.1 全体2.02.8
・回顧
 
ただでさえタフだった京都の馬場で、更に雨の影響もあって重馬場とスタミナとパワーが求められるコンディション。
 小頭数だったこともあり、あっさりと隊列が決まって前半はそこまで早くなかったが、全体的に早めの仕掛け。各馬直線を向くころには結構足が上がってきており最後方からサンライズジパングが差し切っての快勝となった。
・皐月賞に向けて
 武豊騎手に乗り替わったサンライズジパング、スタートの反応は悪くなかったが前走菅原騎手が相当押して前に出したところから、乗り替わってソフト目に出したことでポジションは取れず後方に。
 促してもあまり上がって行けず、他の馬がコーナーで仕掛け始めたところではついて行けず更に後ろに下がる形に。直線ではしっかり切れ味を発揮して差し切る能力を見せたが一つ大きな課題が浮き彫りになったレースだった。
 その課題とは”コーナリングで加速ができない”ということ。ホープフルでもかなりコーナリングで膨らみながらポジションをあげられず、直線を向いてから伸びなおして差してきた。今回は加速していない分膨らむこともなかったが、コーナーでは促しても離されてしまっており、前の馬の脚が止まらなければ到底届かない内容だった。最低限馬郡で流れに乗ることが求められる皐月賞なので、これではちょっと手が出ない。

【きさらぎ賞】

・出走メンバー
 ビザンチンドリーム(1着)、ウォーターリヒト(2着)
・レースラップ
 12.8-11.3-11.5-12.2-12.4 前半60.2
 12.2-12.0-11.1-11.3    後半46.5 全体1.46.8
・回顧
 年明けの京都ということでクッション値8.8と低めのソフトな馬場で行われたきさらぎ賞。かなりインが荒れていたのでスタートから各馬が内をあけて走っており直線でもかなり外まで持ち出しての末脚比べ。
 そんな馬場を血統的な馬場適性を活かしてウォーターリヒトが内でロスを抑えて最短距離で伸びてくるのと対照的に大外ぶん回し、ゴール前は大混戦で、ハナ差ビザンチンドリームが差し切った。
・皐月賞に向けて
 スタートから特に早いラップもなく、ゆったりとしたスローペースで全馬足が溜まった状態で直線を向いての残り3F瞬発力勝負だったきさらぎ賞
 ビザンチンドリームは外に大きく持ち出すコースロスがありながらも上がり33.7で差し切ったのはあまりに強烈、一瞬のキレであればメンバー最高速が出せるのは大きな武器。その一方で追走面では課題が大きく、展開待ちにはなってしまう可能性が高い。
 ウォーターリヒトはハイペースだったシンザン記念からの臨戦で後方待機を選択したこともありしっかり足が溜まっており、最大限ロスを抑えたうえでビザンチンドリームに外から差されているので評価できる内容ではなく、ビザンチンドリームとの逆転も難しいかと思う。

【共同通信杯】

・出走メンバー
 ジャスティンミラノ(1着)、ジャンタルマンタル(2着)、エコロヴァルツ(5着)、ミスタージーティー(7着)
・レースラップ
 12.8-12.2-12.3-12.7-12.7 前半62.7
 12.2-11.4-10.9-10.8    後半46.3 全体1.48.0
・回顧
 
世紀のどスロー戦となった共同通信杯。新馬戦かと思うレベルのラップであり、早いペースへの対応力などは全く測れない。
 スタート直後にエコロヴァルツが内に斜行したことでショーマンフリートとミスタージーティーが大き目な不利を受け、内の馬が出てこられなかったのもあり、外の各馬がスムーズに進出、ジャスティンミラノが抜群の操縦性で番手で折り合い、戸崎騎手がそのままパワーホールに全くちょっかいを賭けなかったことで生まれたどスロー展開。
 パワーホールが少しリードを持ちながら直線を向いての末脚比べで、ベストポジションから伸びたジャスティンミラノが上がり32.6で快勝、ポジションなりにその後ろにいたジャンタルマンタルが同じく32.6で2着。各馬の物理的なトップスピードが図れたくらいであまり皐月賞にはつながる内容とは言えない。
・皐月賞に向けて
 ジャスティンミラノは折り合い良くどスローでもしっかり足を溜めることが出来たが、新馬戦とこの共同通信杯しか経験していない分追走力にはかなり不安が残る。テンのスピードもそこまで早いわけではないので、本番で中団あたりに構えた時にどこまでのキレを発揮できるか。
 ジャンタルマンタルはこのどスローで折り合いを欠きながらも川田騎手が上手く乗った。ここまでスローならば折り合いを欠いているくらいが競走馬としては健全であり、ペースが速くなる皐月の方が楽に競馬ができる。2歳まではタフな馬場への適性を活かしながら操縦性と完成度の高さで上手く好走してきたという印象だったが、溜めての切れ味勝負でも力を見せられたのは収穫。皐月でも侮れない存在。
 エコロヴァルツは共同通信杯以前でもスタートに怪しさを見せていたので、皐月賞でもこの馬の横に入るのはやや不安。ミスタージーティーも含めて馬券に絡めなかったことはポジションなりの結果なので評価を落とす必要はない。

【すみれS】

・出走メンバー
 サンライズアース(1着)、ホウオウプロサンゲ(7着)
・レースラップ
 12.6-10.6-11.3-12.7-13.0   前半60.2
 13.3-12.0-11.5-11.2-11.8-12.0   後半71.8 全体2.12.0
・回顧
 
スタートからのポジション争いはある程度早め、2F目は10.6が挟まり3F34.5。そこで先行馬は足を使った分一気に道中緩んでそこから13.0前後が3F挟まったが、遅いと見たサンライズアースが残り5.5Fあたりから早めの捲り、そこから一気にラップが締まって結果的にはかなり持続力が求められるタフな展開、まくったサンライズアースがそのまま押し切ったものの後半1000mで見て58.5とまずまずハイレベルな内容だった。
・皐月賞に向けて
 初戦は促してハナを取り、逃げきったサンライズアースが今回は全く促さずに馬なりで最後方。早めに捲っての持続力は皐月でも武器になりそうなレベルであり、すみれS組だからと全く人気をしないのであれば少し面白そうな存在。促せばある程度前のポジションも取ることはできると思うが、促さなければ最後方ということで、本質的にはそこまでスピードは無いのかもしれないが、成長度次第。
 ホウオウプロサンゲは逃げられなければやはり脆いという内容。勝負所では内から強引にジューンテイクが進出してきた影響を受けてかなり外まで吹っ飛んでおり競馬にならず。度外視していい内容。

【弥生賞ディープインパクト記念】

・出走メンバー
 コスモキュランダ(1着)、シンエンペラー(2着)、シリウスコルト(3着)
・レースラップ
 12.5-10.7-12.0-12.8-12.4 前半60.4
 12.2-12.1-11.7-11.4-12.0 後半59.4 全体1.59.8
・回顧
 
ラップ構成としては、中山2000らしいスタートからのポジション争いが激しい分向こう正面では緩んで、ロンスパが求められた内容。
 スタートはシリウスコルトが反応よく飛び出したが、内からシュバルツクーゲルが抵抗する形で競り合い、譲らなかったシリウスコルトがコーナーの入りで勢いをつけてハナを主張。勢いをつけてコーナーに入った分3Fも12.0となっており、ホープフル、京成杯よりもやや早めの前半3F。
 流石にそこからはグッと落ち着いて緩いラップが2F挟まるが、シリウスコルトに切れる足が無いことを理解している三浦騎手がこの緩みたいタイミングでセーフティーリードを作ろうと残り5F地点で少し早めに12.2とペースを上げた。しかし、それを見たコスモキュランダが残り4Fあたりで一気に進出し、残り3Fを過ぎるあたりで先頭に並びかけそこからは競り合う形に。ポジション争いを含めてタイトに足を使ったシリウスコルトは流石に厳しく、坂の上りでコスモキュランダが先頭、後ろから差してきたシンエンペラーを寄せ付けずにそのまま快勝。
・皐月賞に向けて
 
かなり好内容だったといえる弥生賞。
 コスモキュランダが早めに捲ったととらえている人も多いかと思うが、実は捲りという感じの仕掛け方ではなく、単純に残り4F地点からロングスパートを開始したが馬郡がそれに着き合わなかった(反応できなかった)ので結果的に一頭先んじて先頭に並びかける形になっただけ。
 コスモキュランダ自身はこのレースでは小頭数だったこともあって後方からでも仕掛けやすかった分ハマった感が強く、本番18頭になることを考えるとやはりスタートからのスピードがそこまで無いのは課題。今回は2コーナー当たりからじわじわと進出することでポジションの悪さをカバーできていたが、本番でその立ち回りは難しい。走破タイムも優秀で能力自体は評価できるが果たして…
 シンエンペラーは勝ち切れないものの今回も悪くない内容。ポジション争いでは本来逃げが想定されたシュバルツクーゲルの後ろはしっかり確保できており、欲しいところにしっかり納まりに行けるレースセンスの良さは光る。コスモキュランダの仕掛けに対する反応がズブかったのが今回の敗因にはなってしまうが、内が傷んでいた馬場状態も含めてコーナーであの位置から進出するのは難しく、評価を下げる内容ではない。
 シリウスコルトは本番に向けて相当いい経験ができた。まずテンのスピードが改善されたこと、前走中団後方からだったところから今回一変して強引にハナを主張した上でこの競馬ができたのは非常に評価できる。力の無い馬だったら早めに勝ち馬に並びかけられたところで苦しくなってしかるべしと思うが、躱された後も闘志衰えずに3着は立派。本番でもチャンスがあっていい内容だと思う。

【若葉S】

・出走メンバー
 ミスタージーティー(1着)、ホウオウプロサンゲ(2着)
・レースラップ
 12.6-11.2-12.3-12.7-12.2 前半61.0
 12.1-12.0-11.8-11.4-11.4 後半58.7 全体1.59.7
・回顧
 
スタートから少し押してホウオウプロサンゲがあっさりハナを確保。そこからはスローに落として前半61.0。馬郡凝縮で徐々にペースがあがり、直線ではそれぞれのポジションから瞬発力勝負。
 逃げたホウオウプロサンゲの真後ろというベストポジションで坦々と足を溜めたミスタージーティーが完璧な内容で差し切って勝利、最内の後方で溜めていたキープカルムが迫るもホウオウプロサンゲが粘って2着といたって平凡な内容。
・皐月賞に向けて
 ミスタージーティーはこれまでポジションを取れず後方からの競馬だったので、ここで先行ポジションから競馬ができたのは収穫。ただ、テンの3Fが12.6-11.2-12.3と非常に緩かった分もあり、小頭数だったこともあってこのポジションだったので、皐月賞だと取れて中団あたりかと思う。前走の共同通信杯で折り合いを欠いていた分もあってか坦々と自分のペースで競馬をできた今回はかなり走りやすそうだったので、マイペースよりも少しタイトな追走が求められる皐月賞でのパフォーマンス上昇には中々期待しづらい。
 ホウオウプロサンゲはマイペースで逃げられればまずまずの競馬は出来ますよねというこれまで通りの走り。そこまで早くない点のスピードでもハナを確保できた今回が向いたという感じで、皐月賞では買いづらい。

【スプリングS】

・出走メンバー
 アレグロブリランテ(2着)、ルカランフィースト(4着)
・レースラップ
 12.7-12.2-12.6-12.7-12.9 前半63.1
 12.6-12.0-10.9-10.8    後半46.3 全体1.49.4
・回顧
 共同通信杯に匹敵する世紀のどスロー戦となったスプリングS。逃げ馬不在のメンバー構成で決め打ち気味にスタートから出していったアレグロブリランテがあっさりハナを確保。すぐにコーナーに入るコース形態も相まってそのままペースは流れずにこのラップに。
 ルメール騎手が3番手につける隊列になったもの大きく、マイル質の鋭い決め手を持っていたシックスペンスはスローからの瞬発力勝負を拒む必要が無く、前を射程圏にとらえたままの位置関係であとは3F勝負。直線では切れの違いで突き放し快勝。
・皐月賞に向けて
 勝ち馬のシックスペンスは不在。
 アレグロブリランテはこのペースでも34.3の上がりだったので、良馬場だと基本的にトップスピード不足でメンバーレベルが上がると厳しい。ルカランフィーストは能力あると思うものの、スプリングSで前半1.04くらいの追走だった分、次走で距離延長かつ相当ギアをあげて追走しなければならないことを考えるとパフォーマンスはをあげることは考えづらい。
 スプリングS組は軽視で良いのではないかなと思う。

【毎日杯】

・出走メンバー
 メイショウタバル(1着)
・レースラップ
 12.6-11.2-11.4-12.1-12.3 前半59.6
 12.0-11.6-10.9-11.9    後半46.4 全体1.46.0
・回顧
 
重馬場で衝撃のタイムをたたき出した毎日杯。
 テンのスピードは重馬場ということもあって10秒台のラップは挟まらず、比較的楽にメイショウタバルが主張。坦々とした流れで59.6は重馬場であることを考えても極端に早いわけではない。ポジション優位のままラチ沿いを通してロスを抑えつつ直線では他の馬が馬場の良いところを求めて外に持ち出す中一頭最内をついて圧勝。
・皐月賞に向けて
 非常に評価が難しいレース。
 タイムが良いことは間違いなくそこは素直に評価すべきだが、着差は坂井騎手の好騎乗と他の馬に絡まれずにマイペースで逃げられた展開があってのもの。
 直線を向いてスムーズに仕掛けてから勝負がついたのはラスト2F地点の10.9。内回りとの合流点は全くあれていないポイントなので、そこで外に持ち出した各馬と最内一頭分のあまり荒れていないポイントを求めて突き進んだタバルとで決定的な差がついた。
 完璧に自分の競馬が出来ての快勝ではあるものの、ポジション争いで2F目に10秒台を経験してきている先行勢がそれなりにいる今回、ハナを確保するのは結構ハードルが高く、前に馬を置いての追走で同じようなパフォーマンスを発揮できるかは微妙なところ。
 強い走りを見せた近2走はいずれも長い直線と下りのある京都と阪神の外回りであり、小回りコースへの適性も未知。コース適正は調教の動き等含めて判断したいが、素直に手は出しづらい。

【まとめ】

 出走予定各馬の前走全ての回顧をしてみましたが、今年の皐月賞の出走馬は皆それぞれに個性があり、展開読みと最も恵まれる馬を見極めることが的中に近づける唯一の道かと思う。
 予想をする上で気を付けたいこととして、今年の前哨戦は共同通信杯、スプリングSのような極端な例があるせいでスロー戦が多かったようなイメージがあるが、案外ポジション争いから早いラップが挟まっているレースも多く、ローテによって経験してきた追走スピードに大きな差がある。
 今のところ気になっているのはダノンデサイルとシリウスコルト、スタートを決められればエコロヴァルツも適性的にはかなり良さそう。人気サイドは……どれも長所と短所がはっきりとしている感じで、完成度高めのジャンタルマンタルは血統的に中山2000への対応がかなり課題。枠並びを見なければ何とも言えない感じかと……
 雨の日が多かったせいで例年以上に傷んでいる中山の馬場状況への適性判断、強力な複数の差馬が展開に与える影響などを考えるのもかなり面白そうで、また楽しい一週間が過ごせそうです。

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