【R6.2.18】フェブラリーSの予想

【はじめに】

 週の頭に「フェブラリーSを考える」を書きまして、週頭時点の予想では展開面で重要視していたサンライズホークが(薄々そうなるんじゃないかなと思っていたけれど案の定)回避。除外対象にも関わらず1人気想定だったオメガギネスが無事出走となりました。
 そこから調教映像を確認したり、枠順を見ながら頭を悩ませていましたが、予想の途中段階で本命候補として残ったのがセキフウ、ペプチドナイル、キングズソードの3頭。
 まずは何故この3頭に至ったかについて書いていきたいと思います。

【枠順を踏まえての展開予想】

 逃げ候補はイグナイターかドンフランキー、まあ恐らくドンフランキーが行く形になると思っていましたが、枠順はイグナイターが最内、ドンフランキーが8枠15番と内外大きく離れる極端な枠並びになりました。
 この2頭の間で逃げ先行を見る位置、2列目が欲しいであろう馬は内から4ドゥラエレーデ、5オメガギネス、7ガイアフォース、9ペプチドナイルあたりかなと。
 さらにその後ろに着けそうな馬は……2シャンパンカラー、3ミックファイア、6カラテ、11キングズソードはある程度前目に構えたいのかなと思いますが、そこまでポジション取りにこだわりもなさそうでスタート次第で枠なりに入れ替わる感じになるのかなと想定しています。

 今回の予想のキーポイントとして重要視しているのは、ドンフランキーとイグナイターの動き。
 東京1600は芝スタートということもあり、内よりも外枠から勢いをつけた馬の方がポジションを取りやすい。イグナイターが最内となってしまったので、強引に押してハナまで狙いに行くとなると、ポジション争いでかなり足を使うことになってしまうのでハナ争い自体はあっさりイグナイターが譲って、逃げドンフランキー、番手イグナイターにはなると思います。
 イグナイターが最内からしっかりポジションを取れるのかという点で少し不安はありますが、これまでの競馬内容から考えてテン乗りの西村騎手も「とりあえず前に行かなければ」と腹をくくって多少無理してでも取りに行ってくれるとそこは信じます。
 この隊列になった時に、展開としては前に有利になるのか。後方からでも差届く展開になるか、これは私の結論としては”逃げ先行は残らないけれど、後方からも届かない。中団有利の流れになる”と思います。
 カギを握るのがイグナイター。
 改めてイグナイターの過去レース等を見直したり、調教映像を見ていて感じたのはこの馬の武器がスピードと”コーナリングの上手さ”にあるということ。スピードを活かしてスッと逃げ馬の後ろを取り、コーナーで逃げ馬が減速するところを早めに捕まえて先頭に並びかけ、直線はそのまま粘り込む。これが最大の勝ちパターンとなっている。意図せずとも馬がこれまでそういう競馬をしてきている故に、今回も、コーナーでドンフランキーを捕まえに行く、少なくとも足を使わせるようプレッシャーをかけに行くという可能性はかなり高い。しかし、舞台は直線の長い東京コースということでコーナーで動く形になってしまうと流石に終いまで前で粘り切ることは困難。前は残らないという考え。
 まとめると、
①ポジション争いではそこまで争わずあっさり隊列が確定
②隊列が早めに決まるのでコーナーの入りから中盤までは息の入るタイミングがある。
③直線を向くまえの早めのタイミングで攻防がはじまるので逃げ馬は厳しい
【結論】
 早めのタイミングから前が動きそうなので逃げ馬には厳しい展開になると思うが、中盤で息が入るタイミングがある分最後方から追い込んでも差さり切らない
→中団から末脚を伸ばせる馬に有利

 ということで、展開想定からはイグナイター、ドンフランキー、「極端な追い込み馬(タガノビューティー、レッドルゼル、アルファマム)」は軸候補からは外したいと思います。

【調教を見ての雑感】

 今回の調教映像を一通り見て感じたのは、Xでもポストしましたが「これまで中距離を使ってきた馬は中距離向きの走りだし、芝を使ってきた馬は芝向きの走りで、東京ダート1600向きな走りの馬はかなり少ない」ということ。
 今回人気サイドになるウィルソンテソーロ、ドゥラエレーデは昨年のチャンピオンズC、その後の東京大賞典でも好走しているように、今回の調教を見ても東京ダートで求められるごついパワーやスピードよりも、中距離質な柔らかみや器用さを強く感じる。
 初ダートになるシャンパンカラー、ガイアフォースも馬体重としてはこの中に入っても見劣りしない500㎏前後だが、筋肉の付き方などはやはりダートの一線級で戦うには物足りなさがある。
 オメガギネスも能力自体は今後のダート戦線をトップレベルで戦っていけるものを持っていると思うが、適性としてはフェブラリーSよりはチャンピオンズS向き。
 ミックファイアもレベルの高いマイルのレースを使ったことは無く、今回のメンバーに交じるとやや力強さは見劣り(調教後馬体重が前走からほとんど増えていないのも然り)
 今回の出走メンバーで調教の動きから東京マイルに対応して戦えそうだなと思えるのは、やはりダートの短めな距離で実績を残してきた馬か、中距離を主戦場にしていたとしてもトップスピードの高さやパワーを武器に戦ってきた馬。
 バラエティーに富んだメンバーだからこそ、この舞台への適性の高低をしっかり重視して、買う馬を選んでいきたい。

 展開想定と調教から感じる適性を踏まえてまだ残っているのが
・カラテ
・セキフウ
・ペプチドナイル
・キングズソード
・スピーディキック
 の5頭だが、カラテは前走芝2200→今回ダート1600という今回の出走馬の中でも最も極端なローテ。芝も含めて久々のマイル戦ということもあり年齢を重ねた今流れについて行くことが出来るかが半信半疑。
 スピーディキックも前走はマイルとは言え牝馬限定戦で走破時計も1.43.6とタフな白砂が使われていることを踏まえてもかなり遅く、今回同距離を走って時計を8~9秒縮める必要があるというのはあまり現実的ではない。
 前走のレーススピードと今回求められるスピードレンジが違いすぎるという点で一つ割り引いて軸候補からは消し。
 よって最初に述べた通りの3頭が候補として残ったという訳です。

【予想印】

 そして土曜の傾向等を踏まえての結論は
◎8セキフウ
〇9ペプチドナイル
▲11キングズソード
△1イグナイター、13レッドルゼル
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎セキフウ
 3頭の中でどれを選ぶかと考えた時に、まず土曜日の傾向を確認すると、血統と馬体重でかなり極端な偏りが発生していおり、土曜日のダート1600m以下の距離での勝ち馬は
・カルネヴァーレ(ダノンレジェンド×Medaglia d’Oro 518㎏)
・ジョージテソーロ(ベストウォーリア×カジノドライヴ 470㎏)
・ソレルビュレット(MalibuMoon×Curlin 522㎏)
・シークレットマター(ディスクリートキャット×ストーミングホーム 470㎏)
・ユイノイチゲキ(ディスクリートキャット×ゴールドアリュール 516㎏)
・ピックアップライン(ロゴタイプ×ワイルドラッシュ 510㎏)
 と全頭が父か母父に米国系の血統を持っており、メンバー内の比較で重めの馬体重の馬だった。
 これは事前の考察で触れていたフェブラリーSの傾向とも合致しており、やはり例年通りこのバイアスは重視したい。
 これを踏まえて本命候補だった3頭を改めて確認すると
・セキフウ(血統◎ 馬体重△(前走499㎏、調教後500㎏))
・ペプチドナイル(血統× 馬体重◎)
・キングズソード(血統◎ 馬体重〇 でもマイル実績無し)

 となり、セキフウの馬体重がギリギリ足りてないことを許容するか、マイル実績の無いキングズソードの可能性に賭けるかの2択。
 決め手となったのは前走距離と内容。
 今回はレースを引っ張るのが前走1200を走ってきた2頭になるので、前半ではスプリント質のスピードへの対応が求められる。
 セキフウは前走兵庫GTで1400を後方のポジションから、前有利の流れになりそうなのを見て早めに捲っていったが最後伸びきれず5着まで。道中でスプリント質のハイペースを捲って行けるだけのスピードを見せたものの外回しで強引な競馬となってしまい、かなり負荷の大きい内容で、今回上昇に期待できる。
 一方でキングズソードは2000で控えての競馬。ウシュバが強すぎただけで一頭だけ後方から差し切ったが、レースとしては前が止まらない展開。
 JRAで1700mを使っていた時は前目からでも競馬が出来ていたので、潜在的にはマイルの流れ自体には対応できるとは思うものの、前走距離、ポジション取りが、今回、あまりプラスには働かなさそうだなということでセキフウを上位に評価。

 セキフウは近2走で+13㎏+11㎏とここに来て大きく馬体重を増やしており成長期到来。2走前の武蔵野Sでは8着に負けてしまっているものの、藤岡兄騎乗で過剰に控えて上がり36.1で追い上げるもポジションの差で届かなかったという内容。
 負けるときは控えて末脚不発のパターンが多いが、キャリア的には絶対に控えなければ競馬ができない馬ではなく、今回自分よりテンの脚が遅いメンバーもそれなりの数が居るので出たなりに構えれば、中団からスムーズな競馬が出来そう。
 前走が強引に捲ってロンスパと負荷の高い内容だったので、今回多少レースが早仕掛け気味のタフな展開になっても他の馬より対応しやすそう。

 例年だと根岸S組の好走が多いフェブラリーSだが、その理由は
・東京コースは1コーナーまでの入りが長い芝スタートのコース。そこでのG1となるとポジション取りが激しくハイペースになりやすい
→前走マイルより短い距離でタイトなラップを経験している馬に有利に働きやすい!
 かと考えられるので、今年の根岸Sが世紀のどスローだったことを考えると、唯一”前走がタイトなペースの1400m戦”であるセキフウに有利になってもおかしくない。

 更にメンバー内で数少ない前走から斤量据え置きというのもかなり熱く、考えれば考えるだけ買い要素が湧き出てくる。
(斤量据え置きはセキフウとレッドルゼルだけ、スピーディキックはー1㎏)

 最終追切は坂路で併せ馬。全体52.1から終い12.2-12.7と失速ラップだが、残り2F地点で併せ馬の前に出ている分そこが早くなっているためであり、終いでばてたわけでは無いので割り引く必要はない。好内容で仕上げられており、状態面でも期待できる。

 本命を打たざるを得ませんね。

〇ペプチドナイル
 血統バイアスに反するので本命にはしなかったが、逆に言うとそこ以外はすべて満たしている。
 前走の東海Sは最初から控えるつもりのポジション取りで、本来のスピードレンジより抑えた追走となってしまった分力みがちの走りになってしまい、終いのキレを欠いた。
 今回距離短縮で求められる追走スピードが上がるのは前走内容を考えるとむしろプラス要素。先行の位置で折り合って進めることが出来れば展開利は大きい。
 東京マイルでの実績は無いものの、上りが出づらい函館1700の良馬場を逃げて上がり36.1でまとめるなど、十分マイルのスピードに対応できる時計の裏付けはある。
 血統面のマイナスも、米国血統が入っていない馬で馬券内に来ていたのは父ミスプロ系が多いので、父キングカメハメハであるこの馬は許容できる。
 土曜の傾向も踏まえると、とにかく先行できるスピードのあるでかい馬に向きそうな馬場コンディションになっているので、ここはマイルで素質開花に期待したい。
 調教も、10日土曜に坂路で52.0から12.3-12.3と好時計を出してら水曜にも坂路でしっかり加速ラップ。前走比較で動きにも迫力増しており、今回に向けての勝負気配かなり高く、最終追切から更におかわりで金曜に坂路で59.7から加速ラップを刻んでダメ押ししているのも好感。
 ここは対抗評価で激走に期待したい。

▲キングズソード
 メンバー内でも有数に条件が揃っているとは思うが、前走で経験しているスピードレンジが遅めなのがどうしても引っかかってしまい、鞍上もスタートから決め打ってポジションを取りに行くタイプでもないので、ちょっと後手に回って勝ち切るイメージが湧かなかったので▲まで。
 調教も厩舎の得意パターンでしっかり仕上げられており、動きも良いんですが……どこか信用できない。

△イグナイター
 展開であまり恵まれなさそうなので軸からは外したが、逃げの2頭で上位に取るならばこっちかなと。
 調教の動きを見ても、前走以上の状態に映り、ここに来て調教後馬体重も大きく増えるなどJG1を勝利したことで更に能力に奥行きが生まれた印象。

△レッドルゼル
 後方から差さるならばこの馬かなということで抑え。
 今回4回目のフェブラリーS挑戦だが、前走から同距離で出走してくるのは今回が初めてであり、昨年は調教内容でマイルへの対応を工夫して来ていたが、今回はローテで工夫してきた。
 実績的にも最上位。安田調教師もラストG1ということで十分すぎるほどに仕上げられている。能力的な衰えも感じさせない活気ある動きが出来ており、昨年並みに走れば展開次第では十分好走可能。

【無印の各馬】
(抑えたい)
・ドゥラエレーデ
 適性的にはチャンピオンズC向きだと思うが、調教で猛時計を出してくるなど、マイルへの対応を意識した仕上げになっているかなと。
 先行した上で上位の上りを使うイメージが湧かなかったので印まで回せなかったが、馬券内には滑り込み得る。
 土曜に改めて思い知らされたがムルザバエフ騎手はちょっと強すぎる。

・ドンフランキー
 軽度の骨折からの休み明けだが、最終追切の動きからは「ちょうど間に合った」という印象であり状態面では絶好調とまでは行かずとも十分戦えるかと思う。
 大外から勢いをつけて前を取りにいく分、最後まで粘り込むにはハードルが高いが、イグナイターが最内から出負けたりしたときに、一気に恵まれる可能性があるので抑えまで。

・カラテ
 週頭の予想でも注目馬にあげていた通り、前走ローテが不安なこと以外はかなり条件が揃っている。
 馬体重もメンバートップで血統傾向にも合致。調教も坂路で加速ラップと良好に仕上げられており厩舎の好走パターンとも合致。
 全く人気が無いので紐でちょろっと抑えておきたい。

(軽視)
 基本的にはこれまでで軽視理由は書いてあるが追記したい馬だけ
・オメガギネス
 一番人気ですが、良馬場の東京マイルは初、斤量58㎏も初。
 これまでのキャリアでは揉まれながら足を溜めて、直線で馬郡を捌きながら進出する競馬の経験が無く、内目の枠から自分より大きな馬に囲まれながら競馬をしなければならない今回、もろさを見せる可能性は大いにある。

・スピーディキック
 前走から斤量減は魅力的、昨年6着の実績も評価できるが、昨年以上にスプリント質のスピード能力が求められそうな今回、ちょっと上位には評価しづらい。年齢が上がって昨年以上の成績を期待できるかと言われると疑問で。

・ウィルソンテソーロ
 ダートでは舞台問わずそこを見せておらず、コース実績もあるが、どうしてもマイルのG1を走るには馬体が華奢。調教後馬体重も490㎏と前走からほぼ増えておらず、当日はマイナス体重になるのかなと。
 一頭外がドンフランキーというのもマイナスであり、ハナを取るために巨体が外から切れ込んでくる影響でスタート直後に進路がカットされる可能性も高く、位置取りは後方になりそう。
 パワーが求められる良馬場で35秒前半を出せますかね?

・前走根岸組
 やはりちょうどスローだった根岸Sを前走で走っているのはマイナス。
 脚質が追い込みの2頭なので、前走から斤量増&距離延長なのに、前走よりも早い追走スピードを求められるという最も足が溜まりにくいローテになってしまっている。ここはばっさり。

【まとめ】

 穴から行くつもりではなかったんですけれどねぇ、結果的に穴からになってしまっているんですねぇ……
 馬券としてはセキフウが馬券内に好走することを本線に
〇単複 セキフウ
〇ワイド 8-1.9.11.13
〇3連複 8-4.9.11-1.4.6.9.11.13.15
 をベースに行きたいと思います。ワイドは当たればそれだけで万馬券なのでBOXにしてもいいかも……
 まあ、なにはともあれ、今年初のG1はセキフウでの武兄弟タッグG1制覇に期待したいと思います!!荒れろ!!

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