【R6.4.21】読売マイラーズCの予想

【京都外回りで着順に直結する要素】

 京都外回りの特徴として真っ先に思いつくのは、残り4F地点あたりから始まる下り坂とほぼ平坦の直線。京都で好走するにはこの最後の直線でどれだけスピードを出せるかがかなり重要だと思います。
 そして、予想する側として難しいのはこの下りと平坦は先行馬にも差馬にもそれぞれ有利に働き、勝負所に差し掛かるまでの展開ひとつ、直線でのコース取りの差で大きく有利不利が変わるところ。
 そんな中で私が最近…というか昨年の秋開催くらいから意識しているのが2つ。
・如何に足を余した状態で下りに差し掛かることができそうか。
・下り坂からゴール板までの間にどれくらいの確率で減速要因が発生しそうか(要するにスムーズな進路どりができそうかどうか)

 一つ目の如何に脚を余した状態で直線を向けるかは特に先行馬で重要。京都外回りだと、全ての馬が坂を使って加速しながら直線を向いてくるので上りが出やすく、前にポジションを取っている馬は余力が無い中で、坂でつけた勢いを極力持続させなければ凌ぎ切れない。
 2つ目の進路どりは差馬で重要。京都外回りは平坦区間が長いので、トップスピードに乗った状態から一度詰まってブレーキがかかった馬と坂でつけた勢いにのって加速し続けている馬の差が非常に大きい。一度詰まってしまうと平坦区間から自分の脚力だけでまた加速しなければならないので、たとえ大外を回して多少のロスがあってもブレーキなく加速し続けている追い込み馬に敵わないということが多発する。
 今回に限らず、京都外回りのレースを予想する場合はこの要素をしっかり抑えながら適性等も踏まえて考えていきたい。

【開幕週とあいにくの雨】

 今週から宝塚までのロングラン開催となる春京都の開幕週。ソフトでタフだった年明けの京都からは一変して綺麗で時計の出る、一年前の京都に近い馬場で土曜日は行われていました。クッション値も高く土曜の朝時点で9.9。年明けの開催が大体8後半だったので、1近く上がっています。この馬場状態だと、まず予想の要素として”高速時計への対応力”考える必要があるかなと思っていましたが、日曜日はあいにくの雨予報。強い雨が降る予報ではないですが朝からしとしとと弱い雨が降り続く感じの予報になっているので、土曜日よりはやや水分を含んだ馬場で行われるでしょう。
 弱い雨が降った場合の影響がどれほどかと考えると……もしかしたら良馬場?悪化したとしてもせいぜい稍重?というところなんじゃないかなと思います。というのも、クッション値の高さもさることながら、土曜朝時点での含水率がかなり低く、7%半ばとなっており、これが稍重になるには含水率が約5%は上がらなければ変わりません。他の競馬場だと含水率は稍重の水準でも表面の状況によっては良馬場となっていたりもするので、土曜日時点でかなりパッサパサな状態の京都の芝ならば明日の長く弱い雨で5㎜くらい降ったとしても良のまま耐えられるんじゃないかな?と思います。
 昨年の勝ち時計が1.31.5だったので、多少雨でしっとりしたとしても1分32秒半ばくらいの時計には対応する必要があるんじゃないかなと思います。

 今年の出走メンバーの持ち時計で言うと1分32秒台の水準を満たしているのは
・1.31.6:エアロロノア、ソウルラッシュ、セリフォス、ビーアストニッシド
・1.31.9:セッション
・1.32.0:ノースザワールド、ソーヴァリアント、トゥードジボン
・1.32.1:トランキリテ
・1.32.3:コレペティトール
・1.32.8:リューベック、フリームファクシ
・1.32.9:ボルザコフスキー、ニホンピロキーフ
 の以上14頭。まあ32秒台というところで言えば出走馬のほとんどですが、ここを満たせていないエエヤン、マイルの経験が少ないスパイダーゴールド、アリストテレスは今時期の京都にいきなり対応するのは難しいんじゃないかなと思います。
 また、今回のメンバーは意外と早い上がりを使える馬がそこまで多くなく、レース(3勝C以上)を勝利した際に上がり33秒台を使えているのが
・32.6 エアロロノア
・32.8 セリフォス
・33.2 リューベック
・33.6 トゥードジボン、ソウルラッシュ
・33.9 ソーヴァリアント
 の6頭しかいません。他にもトップスピードとして33秒台を出せる馬はいますが、それだけ時計が出るコンディションでは勝ち切れていないという馬も多く、時計が出る条件でしっかり上がりを使って勝つことが出来ているこの6頭は今回のメンバーでも評価していいのかなと思います。

【セリフォスとソウルラッシュ】

 今回のメンバーだとどうしてもこの2頭が抜けた人気になってしまうのは仕方ない。
 馬券を組む上でこういったオッズになった時点で2頭とも来ると見て絞って買う、どちらかを軸にして片方を疑う、この2頭以外を軸にして配当を狙いに行くのどれかを選択しなければなりません。
 そこで考えた結果、私は今回セリフォスを切って、ソウルラッシュを抑えまでにしてまでにして、配当を狙っていこうと思います

 まず、セリフォスを消す理由ですが、2走前のマイルCSの内容が良くない(京都外回りへの適性に疑問)と今回の追切の内容がほとんどです。まずマイルCSですが、積極的にポジションを取って先行の位置から直線早々に押し切ろうとしたものの、直線を向いた時点であまり余力が無く伸びあぐね、上がり34.4と大失速、8着まで着順を下げてしまいました。古馬になってから唯一馬券内に好走した安田記念は内枠からレーン騎手が完璧にロスを抑えて乗って2着にねじ込んだ内容であり、上がりもメンバー内では上位ではなく好エスコートと立ち回り力が好走要因。重い斤量を背負った時に3歳時にマイルCSで見せたような鋭い切れは見せられておらず、爆発力に欠ける現状。
 前走香港で後方から競馬をした次走というローテも悪く、今回ポジションを取ったとしても足が溜め辛く、控えたとしても、折角内枠を取れた利点をなげうって気持ちよく末脚を伸ばせる進路どりをしなければならない。
 そんな中迎えた5歳初戦でなんと最終追切は坂路で失速ラップ。時計は52.7から12.0-12.2と悪いものではないが、これまでがCWでかなり早い時計を出しての仕上げがメインだったところから厩舎としても頻度が少ない坂路仕上げかつ加速もできていないというのは気になる。このタイミングで抜けた2強と評価されるならば、馬券的には嫌ってみてもいいのかなと思う。

 そして、本来であれば外枠から多少ロスを受け入れても長く足を使って加速させることが出来るソウルラッシュを軸にと考えていたが、土曜日の落馬負傷で痛恨の松山騎手乗り替わり。タダでさえ近2走がモレイラ騎手だったところからの乗り変わりは誰になってもマイナスだったところを完全テン乗りでは信用しづらい。ソウルラッシュ自体誰でも簡単に乗れるタイプの馬ではなく、上手く減速要因を生まないような進路どりをすることが必須。(だからこそ馬郡の中に入れることを避けがちな松山騎手と合っていた)
 深く考えずに大外をぶん回してくれれば足りるだけの能力は持っていると思うが、テン乗りの人気馬でそんな大雑把に乗ってくれるかは団野騎手が上手いだけに不安。更にこれまでつけていたブリンカーを前走の香港で外してから今回もつけないというのも怪しい。
 この舞台への適性は高いので、切りはしないが、軸にはし難い。

【予想印】

◎5エアロロノア
〇8トランキリテ
▲14ソウルラッシュ
△4リューベック
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎エアロロノア
 まず前提として先行馬は展開的に厳しそうと見て差せる馬から選びたい。
 という視点で出走馬を見渡した時、持ち時計も上位かつ末脚の爆発力も持っているこの馬が目に着いた。
 今回は去勢明け初戦なので、これを書いている時点で11番人気40倍超とかなりの人気薄になっていますが、追切の動きからは去勢明けのマイナスは感じられないどころか、昨年の動きと見比べても良いくらいに感じる。7歳になったこのタイミングで去勢するくらいなので、この馬の力を信じて10か月も長い休みを取ってしっかり馬を作ってきていそうで、この仕上がりでも人気を落とすなら狙ってみたい。
 血統的にもキングカメハメハ×ロックオブジブラルタルというのはいかにも時計が出る時期の京都にマッチしていそうで、昨年の同レースではある程度ポジションを取った分もあって終い伸びを欠いての8着だが、今回は休み明けの短縮ローテということで、ゆったり後方に構えて差しに徹してくれればすべてを差し切れるだけの爆発力は持っている。

 さらっと書いてしまったが展開想定として前は今回苦しいと思う。逃げ候補は複数いて、トゥードジボン、ビーアストニッシド、セッション、エエヤン。テンのスピード的には4頭とも変わらないくらいなので、普通に枠なりに行けばトゥードジボンがハナだが、一番気性的に怪しいエエヤンが大外になってしまった。
 こうなると自然と隊列が決まって落ち着きたいタイミングでエエヤンが掛かり気味にハナに上がっていくような展開になりそうで、落ち着かないままに上り、下りからスパートと先行勢が息を入れるタイミングが無さそう。それに引っ張られる形で前目に着けそうなソーヴァリアント、セリフォスなども大して足を溜められないまま勝負所を迎える……という感じになる可能性が結構高そうなので、馬券的にはその展開に巻き込まれず、後方でどっしり構えて後半末脚を爆発させることに賭けられる馬を上位に評価して狙っていくというのがコンセプトになっています。

〇トランキリテ
 差馬で次に選びたいのはこの馬。
 近2走の走りから京都の適性は高そうで、控えて外を回しながら長く加速できる脚質は武豊騎手ともぴったり合っている。
 今回は末脚の爆発力の差と前走から斤量+2㎏という点で割り引いての対抗評価だが、できればエアロロノアと一緒に突っ込んできてほしい。

▲ソウルラッシュ
 これ以上は評価を下げられません。

△リューベック
 マイルの経験値は少ないながらも、持ち時計はまずまずの物を持っており、足が溜まった時のトップスピードもこのメンバーに入って見劣りしない。馬郡の中で足を溜めながら加速するまでにかかる時間が短いので、差馬ながら内枠を活かしやすい脚質というのも魅力。
 ハービンジャー産駒というのも京都外回りとは相性が良く、最終追切も同厩舎のフリームファクシと併せての仕上げで上々の動き、早い時計を出しておりマイルように調整されていそう。
 前走同コースで人気を裏切っての10着ゆえに評価を大きく下げているが、映像をみれば分かるとおり、スタートもいまいちで枠なりに外々追走、直線では終始進路が無くほぼほぼ何もできないままゴールと全く力を出せていない。今回内枠代わりで、上手くインをつきながら末脚を活かすことが出来たりすれば一変の可能性もあり得るので、前走3人気の馬が今回相手強化もあるとはいえ単勝万馬券級ならば高めに評価して狙ってみたい。

【無印の各馬】
(抑え)
・ニホンピロキーフ
 京都適性高そう。加速には時間がかかるが追えば追うだけ加速していく走りであり、外回しで不利なく加速させられればチャンスあり。

・コレペティトール
 斤量+3㎏とは言え京都金杯勝ち馬。舞台適性は悪くなく、単距離の岩田騎手はいつだってインから伸びてくる可能性を秘めている。

・セッション
 関西圏では堅実。溜めても競馬ができるので、坂井騎手のエスコート次第では。

・フリームファクシ
 長らく結果は出ていないが状態自体は悪くなさそう。ポテンシャルはあるのでマイル3戦目でそろそろ…

 あとは逃げ先行で展開不向き。もしくは持ち時計・末脚のトップスピード不足とみてバッサリ行きたいと思います。

【まとめ】

 重賞勝ちもない7歳の去勢明け初戦なんかを本命にすな!と言われそうな気もしますがエアロロノア本命で行きます。
 が!流石にいつものような馬券の組み方で単勝メインで勝っても流石に分が悪いので今回はワイド等をメインに本命に軸足を置き過ぎずに考えたいと思います。
〇単勝 エアロロノア(少な目)
〇ワイド 印4頭BOX(ここがメイン)
〇3連複 4.5.8.14-4.5.8.14-4.5.8.9.10.13.14.15
 こんな感じで単勝を少額抑えつつ、印4頭のうち2頭来てくれたらでかめの配当という感じで行きたいと思います。
 頑張れエアロロノア!!君ならやれるはずだ!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?