【R6.5.4】京都新聞杯の予想

【逃げ馬不在でスロー濃厚】

 逃げ馬が不在で、先行脚質という感じの馬も少ないメンバー構成。
 先行して好走経験のある馬は何頭かいますが、先行したくて先行しているというよりは相手関係起因でのスピードの違いで自然と前目のポジションになってしまっただけという感じの馬が多く、ほとんどの馬が「上手く前に馬を置きながら好位で折り合って、足を溜めながら勝負所まで行きたい」という最初の直線になりそうな気がします。
 そんな中で明確に前に行こうとするであろう馬は10ハヤテノフクノスケ、あとは前走のスタート直後の挙動で見ると3オールセインツ、9プレリュードシチー、15キープカルムあたりがある程度押しながらポジションを求めて上げて行きそうですが、どれもそこまで早いわけではないし、枠もやや外目となってしまったので少し時間をかけながら被せ気味に上がっていって、レースラップ的には12.5-11秒前半-12.0で36秒行くかどうかみたいなゆったりした入りになると想定。
 そのまま向こう正面で仕掛ける意味もないので、それぞれがそのままのポジションで坦々と足を溜めて1000m通過が61.0前後、ラスト4F下り坂から11秒台になるロンスパ勝負が濃厚と想定します。
 この場合求められるのは3つ
・ある程度は前目にポジションを取れること。
・内を回すこと。
・4Fのロンスパでも最後までキレる足を使えるだけの持続力。
 これを重視していきたいと思います。

【持続力戦の経験がある馬が少ない】

 今回のメンバーの過去走を確認した時に持続力戦というか、ラスト4F地点から11秒台が続くレースを経験している馬はほぼいない。
 ほぼ11秒台が4F続いたのが、すみれS、若葉S、毎日杯、アザレア賞の4つ。あとは未勝利戦ながらタフなレースになったライフセービングの4月14日阪神2200とかなりハイレベルなラップと走破時計になったウエストナウの阪神1800。
 この中だと特に評価したいのは前半1000mが60.2でありながらサンライズアースの捲りが入った影響でラップが緩むまもあまりなく、ラスト5Fが12.0-11.5-11.2-11.8-12.0と持続力比べになったすみれS。
 そしてウエストナウの未勝利戦。レースラップが12.6-10.7-11.1-11.8-12.1-12.1-11.5-11.6-11.9で走破時計1.45.4は相当早い。それをデビュー戦ということでスタート出遅れ気味の8枠から追走し、中団から馬郡を捌いての上り最速は相当能力が無ければできない走り。血統的に当時の馬場とマッチしていたとは言え評価できる内容。
 この2レースは高く評価したい。

【予想印】

 ということで予想印は
◎4ギャンブルルーム
〇5ウエストナウ
▲1ジューンテイク
△8べラジオボンド
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎ギャンブルルーム
 この流れでギャンブルルームなんかい!という感じではありますが、高く評価したい理由は3つ。
・単純に実績に反してオッズがそこまで。
・前走かなりロスがある内容も勝てたのは価値がある。
・調教の動きがかなり良い。
 まず実績。新馬戦を快勝後、札幌2歳Sでは距離延長とタフな馬場でもなんとかこなして3着確保と重賞好走実績あり。その後今世代屈指のハイレベル戦となった京都2歳Sでは馬郡の前目の位置で前後左右に馬がいるスタミナの消耗が激しい位置で競馬。4Fしっかり足を使うラップを前受け、勝負どころでは接触もあり手前も替わらずで伸びることが出来ず11着と大きく負けた。
 そこから休みを挟んで復帰戦となったアルメリア賞では1着としっかり巻き返し。重賞実績あり、1勝クラスも人気に応えて勝利している馬がここであまり人気が無いというのはシンプルに狙いたいところ。
 そして前走の内容が悪くない。小頭数で行われたレース、タイムとしては1.48.0と決していいとは言えない。レースラップが12.6-11.6-12.1-12.1-12.5-12.5-11.4-11.3-11.9とスローからの直線勝負をギャンブルルームは大外7番から終始外々を回す競馬。これは今回の予想ともリンクしてくるが、スローからの瞬発力戦だと内をロスなく回すということがかなり重要になってくるが、それに完全に逆行した競馬で勝ち切っている。しかも、このレースではスタートの出が悪く、後方からの競馬になりそうだったところを1コーナーまでにじわっと押し上げており、他の馬が足を溜められるタイミングでスタミナをロスする展開不利もあり、コースロス、展開不利の二つを受け入れての勝利は能力が無ければできない。
 そして追切の上昇度。前走の最終追切ではCWで6F81.9から5F66.9、終い11.7-11.7と悪くない内容ではあるが、今回はそこから一回り良くなったという感じでCW6F81.1から5F65.6、終い11.7-11.4としっかり加速する好時計。前走時というかこれまでのレースで感じていた四肢の連動性の弱さというか、後肢が上手くハマり切っておらず推進力を引き出しきれなかったところがかなり解消されており、併せ馬の内側から簡単に突き放すいい動きが出来ていた。単純に前走との比較でかなり上昇が感じられる内容であり、ロスを受け入れつつ勝ち切った前走から状態面で大幅な上昇が見込めるのであれば、相手関係が上がる今回でも十分通用。
 また、先行したい馬が少ないメンバー構成で好枠と言っていい3枠4番を確保できたのも大きく、スローの展開を見越して、スタートを決めてラチ沿いを確保しに行くことが出来れば展開面での利も期待できる。
 ここはギャンブルルームから勝負したい。

〇ウエストナウ
 本命のギャンブルルームは時計意外のところを好評価したが、こちらはシンプルに時計を評価したい。前段でも書いたがよどみないラップを中団追走から上がり最速で勝ち切ったというのはシンプルに価値が高く、デビュー戦なりの立ち回りの拙さもありながら脚力で勝ち切ったのは優秀の一言。
 血統的にもキズナ×Frankelというのは京都外回りコースとの相性の良さに期待できるところであり、1戦のキャリアしかないその1戦で下り坂&直線の長い右回りを経験できているというのは大きい。
 調教の動きも良く、新馬戦から更なる上積みがあれば、一気に相手関係の上がるここでも十分通用の素材だろう。甘めのオッズで買える内に狙っておきたい一頭。

▲ジューンテイク
 やはり内を活かして有利に立ち回れそうな馬を高めに評価したいので最内枠は高評価。
 そして、2走前のすみれSを上がり最速の2位というのは今回のレースに向けて評価が高く、後半1000m12.0-11.5-11.2-11.8-12.0を後方から上がり34.4と勝ち馬に詰め寄っているので、残り4Fしっかり足を使うことが出来ている。ある程度ポジションを取った上ですみれS時と同等のパフォーマンスを発揮できれば十分勝負になる。
 調教の動きも良く、調教の内容もかなり良く、前の土曜日に坂路で52.1と好時計を出してから最終追切は緩めて55.3から終い12.9-12.5の加速ラップで併せ先着。このパターンは同厩舎でG1を勝ったペプチドナイルとも同パターンで、藤岡騎手への乗り変わりのタイミングでダービーへの最終切符をかけてこの調教に切り替えてきたのは興味深い。

△べラジオボンド
 新馬戦はかなり強い勝ち方をしたが、共同通信杯では最内で上手く立ち回れずポジションなりに瞬発力勝負では馬券に絡めず。前走の毎日杯もスタートは馬なりにある程度のポジションを取ることが出来たが、完璧な競馬をしたメイショウタバルには離され、ノーブルロジャーを躱せずの3着。力は見せているが臨んだ結果が得られなかった。
 前走は余裕をもってG1に進みたかったのかやや余裕残しのつくりにも映ったが、今回はダービー行きは絶対だと言わんばかりに調教時計も上げてきており、日曜に坂路で52.9から12.3-12.3の好時計を出しながら、最終もCWで3頭併せ馬の真ん中でしっかり負荷をかけ、動きも良い。
 血統的にはメンバーの中でそこまで向いているとは思えないが、まともに能力を発揮できればメンバーでも上位だろうと思うので、これ以上は評価を下げられない。

【無印の各馬】
(紐で抑えたい)
・スカイサーベイ、オールセインツ
 繰り返しになるが、内を上手く立ち回れそうな馬を高く評価したいので2枠の2頭は人気もないし抑え。どちらも1戦1勝馬ではあるが初戦の内容悪くない。血統的にもこのコースは合いそう。

・ヴェローチェエラ
 期待している馬ではあるが、今回の展開想定だとポジションを取れない場合かなり厳しい。スタートがあまり良くないのでその点割り引いたが、逆に言えばスタートであっさりある程度前を取ることが出来ればあっさりもあり得る。

・プレリュードシチー
 京都2歳S2着馬。ハイレベル戦で好走しているので実績的には上位に評価すべきではあるが、長期の休み明けで調教を見ても仕上がり途上感があり、枠もやや外に入ってしまったので抑えまで。

・ハヤテノフクノスケ
 先行馬が少ない中で主導権を握れそうな脚質というのは大きい。
 近2走も展開的にもう少し上がりの鋭さが求められてしまったので、非根幹距離のロンスパ戦になればより適性に合いそう。調教の時計も良い。

(今回は軽視)
・ファーヴェント
 負傷の松山騎手復帰初日。調教の動きを見ても状態が上がってきている感じがせず、前走の仕上げが結構良さそうに見えた中での4着だったので今回上積みに期待しづらいと見て軽視。人気が割れている中でここまで抑えていたら馬券的にも厳しい。

・インザモーメント
 この馬に限らず外枠はかなり不利が大きいと見て軽視だが、人気濃厚なのでこの馬の理由だけ。
 未勝利勝利後ホープフル、きさらぎ賞と重賞挑戦するも結果はでない中で人気以上に好走と力を見せた。前走は1勝クラスで着差をつけての圧勝ではあるが、前走はかなり展開的に恵まれた感が強い。まさに今回想定されるようなスローからの瞬発力戦で終始内の2列目をロスなく回りながら足を溜めて、勝負どころでは内で追い出しを少し待ってから進路を確保して最短距離で加速。完璧な立ち回りが出来ての快勝なので過剰に評価はできない。
 今回は同じような展開が想定される中で一変して外枠。前走のような完璧な競馬には期待しづらく逆に外を回す不利を受け入れてどこまで着順を確保できるか。
 ここを軽視することで馬券的には勝負。

【まとめ】

 大混戦ですね。
 優秀な日本の競馬ファンでも決めかねているのか、予想を書いている内にもオッズが乱高下しており、ギャンブルルームを本命にしようと思った時点では11番人気28倍とかだったのが今3人気6.5倍です。流石にレースが行われる頃にはインザモーメント、ヴェローチェエラ、べラジオボンドあたりが1~3人気、それにファーヴェントが続いてという感じで、ギャンブルルームは人気したとしても7.8人気15倍くらいはついてくれると信じていますが……どうなるでしょう。
 馬券的には
〇単勝 ギャンブルルーム
〇馬連 ギャンブルルーム-1.5.8
〇3連複 4-1.5.8-1.2.3.5.7.8.9.10
 今のオッズならばこれで行きたいと思いますが、いざレース直前にならなければオッズがどうなるか読めないので、直前までパドック含めて考える必要がありそうです。
 頑張れギャンブルルーム!!

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