【R6.4.21】フローラSの予想

【どんなレース質になるか】

 フローラSは位置づけとしてはオークストライアル。次走はオークスに出たいという馬が集まるレースではありますが、かなり幅広い適性、ローテから馬が集結します。
 例年大きく分けて3パターン。
①早い内に勝ち上がることが出来るくらいの能力があるので桜花賞を目指していたが出走が叶わなかった
②最初からマイルは短いと見てオークスに照準を定め、長い距離を使ってきた
③何とかここまでに未勝利を勝ち上がることが出来たのでせっかくならばオークスへの出走権を取れるかチャレンジしたい

 今年もこの3つのどれかに当てはめられるが、このフローラSがどういったレースになるかは①のグループに属する馬がどういった馬なのかというのが大きく影響する。
 ①に当てはまる馬が強く、脚質的にも前に行って自分で流れを作るようなタイプであれば②や③に当てはまる馬はまずマイル質の追走スピードへの対応が求められるし、逆に①の馬があまり流れを作るようなタイプでなく、能力的にもそこまで上位という訳じゃないならば②の馬が中心に流れを作り、長距離質なスタミナを要するタフなレースになりやすい。
 今年はどうかと考えると、①に該当するのはニシノコイゴコロ、ラヴァンダ、コスモディナー、サンセットビュー、あとはエルフストラック、マルコタージュとカニキュルが微妙なところという感じかと思うが、この中で先行できる脚質なのは内目に入ったラヴァンダとエルフストラック。特にラヴァンダは1400mでも前目に行けるだけのテンの反応速度は持っているので、内目に入った今回は馬なりに出してもある程度前の位置にはつけられそう。エルフストラックも前走フラワーCで1800mではあるが重賞でもハナを確保できるだけの先行力を持っている。
 一方で②、③のグループで前に行く馬はユキワリザクラとクリスマスパレードだが、どちらも渋った馬場で遅めのペースを制してきているので促せば前に行けるとは思うものの、素のスピードでは流石に上位とは言い難い。
 基本的には内に入った中村厩舎の2頭、ラヴァンダとエルフストラックが流れを作り、マイル経験のある組からするとスローより、2000前後を使ってきた組からするとミドルという感じの60.0~61.0で1000m通過になるのではないかと思う。

【その場合何が求められるのか】

 今回なる確率が高そうな60秒台での1000m通過の場合はかなり例年通りのフローラSなので、求められるのも例年通りイン前を上手く立ち回ってロスなく競馬をすること、あとは、直線で先頭抜け出すことのできるだけのある程度の決め手。
 今回のメンバーはあまり決め手の無い馬が多く、これまでのキャリアで33秒台の上りを使ったことがあるのはニシノコイゴコロ、トロピカルティー、アドマイヤベル、マルコタージュの4頭のみ。どの馬もこれまでのテンのスピードから考えると基本的には中団より後方になりそうであり、33秒台前半ほどのキレを使える馬はいないので、逃げ馬ならば34秒台中盤、先行馬ならば34秒台前半で上がりをまとめることが出来れば勝ち負けの圏内に入ることが出来るかなと思います。

【ある程度は消去法で】

 印を考える前に、上記の内容も踏まえて絞り込めるところは絞り込んでいこうと思います。
・前走で未勝利勝ちで今回「ポジションを取る」「上位の上りを使う」のどちらも難しそうな馬
メアヴィア、コンテソレーラ

・ポジション取りが後ろになりそうだが、33秒台を使うのは難しそうな馬
サンセットビュー、マルコタージュ(実績として33.9で上がってはいるが、どスローの新馬戦で有利な位置からの結果、距離延長ローテでは厳しい)カニキュル(かなり時計が出やすかった11月の東京未勝利戦で34.1、今回8枠から外を回るロスを受け入れつつ更なるパフォーマンス上昇どうか)、ニシノコイゴコロ(33秒台を使ったのは時計の出る新潟の未勝利のみ)

・調教時計が悪い
アドマイヤベル(いつも時計目立つタイプではないが、6F87.3から終い12.6は流石に緩すぎる。)クリスマスパレード(映像からは併せるために我慢させたような意図は感じられるものの、CWで終い12.8-12.2は緩い。今回のメンバーに交じってスピードに不安がある中でこの内容はマイナス。

 結果的には真ん中から外はユキワリザクラを除いて全消し、調教だけを理由に人気の2頭を切ってはいますが、正直後方脚質の馬に展開が向かなさそうな中で仕上げも目立たないアドマイヤベル、近10年でも短縮ローテの馬は1頭しか馬券になっていないほど向かないローテで、しかもスピードが求められない稍重の中山で今回大外のクリスマスパレードは人気を考えると買いづらいです。
 それでは残った馬から印を打っていきたいと思います。

【予想印】

◎3ラヴァンダ
〇4エルフストラック
▲11ユキワリザクラ
△6トロピカルティー
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎ラヴァンダ
 前走のチューリップ賞こそ7着となってしまいましたが、それ以外は馬券内を外していない堅実な成績。
 短い距離でも前に行けていたスタートの良さはこのメンバーに入っては魅力的で、内枠を取れたのも良く、良いポジションで流れに乗れる確率が高い。(前走中団からの競馬になった要因が、スタートで伸びあがり気味になってしまったというのは不安ではあるが…)
 前走は7着ではあるものの着差は0.7、3着とは0.4しか離れておらず悪くないパフォーマンス。映像を見れば分かるが、スタートでスムーズさ欠く+7枠14番で先行できず→直線では詰まりどおしでまともに進路を確保できたのはラスト1Fもないという力を出せていない内容でこれならばむしろ評価できる内容。稍重のタフな馬場で外々を回しながらハイレベルなラップへの追走経験があるというのは一つアドバンテージであり、今回距離延長をこなすことさえできれば上位の能力を持っている。
 その延長がどうかという点では、まず気性面の心配はこれまでのレースを見てもなさそう。1週前追切がCWだったが、あらためてそこで走りを確認してもストライドはゆったりとしており、むしろこれまでのレースから見ても短い距離ではトップスピード不足、距離を伸ばした方が適性にはまりそうにも見える。
 最終追切でも坂路で50.8から11.7-12.1の猛時計を出しており、今回に向けてのかなり勝負仕上げをしていそう。
 馬主は違えど同厩舎2頭出しで3枠に納まり、脚質的にも近いところで競馬ができるというのも一つアドバンテージと考えられそうで、10倍以上オッズが付くこの人気ならばこの馬から狙ってみたい。

〇エルフストラック
 前走はフラワーCで逃げて5着、かなりタフな馬場コンディションで荒れた内を通しながらの逃げだったのでスタミナ的には厳しく、この馬のペースに付き合って先行していた馬は壊滅しており、展開が向かないなかで掲示板内に残せたというのは評価できる。ラップてきにも後半1000mが11.8-12.0-12.0-12.0-12.0で59.8のレースラップとなっており、タフな馬場でもこれだけ持続的な足を使えるというのは舞台が東京2000に変わっても対応できそう。
 内目の偶数枠からポジションも確保しやすそうであり、逃げ争いのライバルが外に寄ったのも嬉しいところ。
 調教もラヴァンダ同様かなり負荷をあげて調整されており、最終追切は坂路で51.9から12.3-12.3。和生騎手への乗り替わりというのも決め打ちでスタートから積極的に前を取りに行ってくれそうであり、展開利に期待しやすい。
 また、未勝利抜けはある程度クッション値も高く時計が出ていた昨年秋の京都だったので、近3走中山でタフな馬場を走らされてきたところから、時計の出る綺麗な馬場コンディションの東京に舞台が変わるのもプラスに働きそう。ここは厩舎でのワンツーに期待したい。

▲ユキワリザクラ
 前走未勝利戦を逃げ切っての勝利ではあるが、評価できるラップ。稍重のタフな馬場状況で前半61.1-後半60.4と後半の方が早い。テンのスピードも12.5-10.9-12.4としっかり2Fに10秒台を入れてハナを確保しており、今回のメンバーでもこのスピードは通用。後半1000mも12.3-12.3-12.2-11.6-11.9と、コーナーで被せられながら早いラップを強要されつつ、坂でも躱させない根性とタフさを見せた。今回も上手く外目の枠からハナか番手に納まることが出来れば十分好走に期待できる。
 最終追切で鬼時計を出しているのも魅力で、CW単走で馬場の内側を回したとはいえ6Fで76.0、5Fで61.5から終い11.9というのは実践並みの猛時計。それも気性面で難しさが出ての暴走という感じでもなく、気持ちよく走らせて最後は少し追って反応できる余裕もあった。
 これで走られて「あー調教すごい時計だしてたもんねー」で外したくないという気持ちもあり、ここはしっかり評価して▲で。

△トロピカルティー
 差さって来るならばここかなぁと思い△に。
 前走の若竹賞は不良馬場の特殊条件ではあったが、先着されたルカランフィーストとアレグロブリランテはその後スプリングSでも馬券内好走しておりレベルが低くない相手だった。その牡馬に交じってそこまで差の無い競馬ができたというのは経験として大きい。
 未勝利戦の内容も良く、スローで前有利な展開を、7枠13番から外々を早めに押し上げつつ直線上がり最速の33.9で差し切っての勝利と、能力の違いで強引に勝ち切ったという感じ。長い直線でロスがあってもこれだけの脚が使えるというのは今回のメンバーでも一つ光るものがある。
 調教の動きも悪くなく、枠もまずまず。ここは高めに評価していきたい。

(抑え)
・バロネッサ
 前走の未勝利戦のパフォーマンスは良かったが、それまでに2度取りこぼしているのも事実。新馬未勝利でこの馬に勝った馬もその後特に活躍が目立っているわけでもなく、未勝利戦を抜けるのに3戦かかったというのは一つマイナス材料。
 前走も、これまでポジション取れていなかったところを、ルメール騎手への乗り替わりで一発回答の番手先行競馬。そのまま未勝利戦らしいスローからの瞬発力戦で前有利の流れをつかんでおりそこまで評価をあげる内容というか、今回重賞で1人気を背負うほどの内容ではないと思う。
 東京2000の最内枠というのも良いとは言えず、スタートから決め打ち気味に押していかなければ第一コーナーまでに被せられて後ろに押し込まれる可能性もあるので、そこでテン乗りもマイナス。
 調教からは素質感じる動きが出来ていたので、抑えはするが、過剰人気感は否めない。

・コスモディナー
 マイル路線では思うように好走できていなかったが、2歳時の走りから考えてもマイルは少し忙しかったように感じる。トップスピードもテンのスピードも世代上位のマイラーと戦うには少し足りず、今回の距離延長で一変という可能性もある。
 テンのスピードもここに入れば早い方であり、この枠から出たなりのポジションでも近走よりはいい位置から競馬が出来そう。
 調教の動きも最近の中だと一番良く映るので、全く人気が無いのであれば、抑えておきたい。

【まとめ】

 ということで、今年のフローラSは中村厩舎2頭出しで先行有利の流れを作ってワンツーしてくれないかなというところに期待したい。そんな予想です。ラヴァンダも前走は全く力を出せない中で強い相手にそこまで差の無い競馬が出来ているので、ここに入れば十分上位の能力を持っていそうなのに、なんとなく人気していないというのは絶好の狙い時に見えます。
 馬券としては
〇単勝 ラヴァンダ
〇ワイド 3-4.6.11
〇3連複 3-4.6.11-1.4.6.7.11
 これで絞って仕留めていきたいと思います。
 昨年はゴールデンハインドを本命にして気持ちよく的中できたレースなので、今年も上手いこと的中してくれると嬉しいです。
 また、土曜も競争中止や落馬が多く、何か嫌な流れが続いていますが、まずは日曜は全人馬無事に怪我無くレースが行われてくれるよう祈っています。

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