【R6.4.13】アーリントンカップの予想

【阪神芝に極端な傾向あり】

 この開催かなり雨が多かったことや、そもそものクッション値の設定が平均的な阪神よりも低めの9前半だったせいか、例年に比べてかなりパワーが求められるというか、欧州的なタフな血統の馬が非常によく走っているのが今の阪神芝。
 大阪杯が母父ハービンジャー、父ハービンジャー、母父フランケルの3頭で決着したのがかなり象徴的な結果ではあるが、先週の桜花賞も掲示板内の5頭中3頭が母父ダンチヒ系になるなど、欧州系ノーザンダンサーでも特に単距離に対応できるようなスピード血統が猛威を振るっている。
 逆にクッション値が高い時ならば、スピードの持続力が活きて活躍が目立つ米国系血統が大苦戦。先週の阪神では芝レースが10R行われたが、父か母父に米国系血統をもって馬券内に好走したのはレッドバリエンテとスピードリッチの2頭のみでともに1番人気、人気薄ではまったく走れていない。
 今週も金曜日時点で芝のクッション値はかなり水を撒いて9.4までということで傾向はそこまで変わらなさそうであり、この極端な血統傾向は重視していきたい。
 しかし、残念なことにアーリントンカップ出走馬で今の阪神に最も相性の良さそうなダンチヒを父か母父に持っている馬はゼロ。父母父、母母父までに拡大したとしても該当するのはディスペランツァ、アスクワンタイム、オフトレイルの3頭のみ。そのなかでもディスペランツァは母父がメダグリアドーロで米国系ということで一つ割り引いて考えると、アスクワンタイムとオフトレイルは血統的にはかなり面白そう。
 ざっくり分けると
◎かなり良さそう
 アスクワンタイム、オフトレイル
〇良さそう
 ポッドテオ、シヴァース、タイキヴァンクール、ワールズエンド、セレスト、ジュンヴァンケット、タガノデュード
▲良くも悪くも
 アレンジャー、ディスペランツァ、グローリーアテイン、チャンネルトンネル、トップオブザロック
×傾向的にはマイナス
 シンドリームシン、ケイケイ
 こんな感じだろうか。
 少なくとも本命にする馬は◎か〇から選んでいきたい。

【上がりも重要そう】

 欧州質のスピード血統が台頭しているというだけあって、直線でのスピード力がかなり求められる状況となっており、メンバー内で上位の上りを使った馬の馬券占有率がかなり高くなっている。後方からの差もかなり差さっており、先週の桜花賞でもそこまで差に有利なタフな展開でもなかった中で、上がり1位~4位がそのまま1着から4着を独占、内がまずまず荒れているコンディションということもあり、前に行ってそのまま粘り込むというのはハードルが高そう。
 今回も早い上がりを使える馬を高めに評価していきたいが、前走で上がり1位を使った馬を機械的に並べると
〇アレンジャー
〇ディスペランツァ
・トップオブザロック
・ジュンヴァンケット
〇ケイケイ
〇オフトレイル
 の6頭で、〇にしているのが1勝C、・にしているのが未勝利ないし新馬戦。今回のメンバーであれば33秒台後半の上りが使えれば十分足りそうな感じがするが、これまでのキャリアで33秒台の上りを使ったことがあるのは
〇ポッドテオ
〇ディスペランツァ
・シヴァース
・グローリーアテイン
〇チャンネルトンネル
・ジュンヴァンケット
〇オフトレイル
 の7頭。〇と・の区別は上と同様に1勝C以上か、新馬未勝利か。
 ということで、1勝C以上で上がり最速33秒台の上りで勝利しているのはディスペランツァとオフトレイルの2頭のみ。上がりが求められることを前提に考えるならばこの2頭はかなり面白そう。

【予想印】

◎15オフトレイル
〇9ワールズエンド
▲5シヴァース
△16タガノデュード
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎オフトレイル
 ここまで並べておいて、注目条件に完璧に該当したオフトレイルを本命にしないのは流石に嘘でしょう。
 キャリア4戦で2-1-1-0と馬券外なし。その内3戦が京都1600mであり、特に前走のこぶし賞が評価できる内容。京都内回りのマイル戦で、最初の直線は坦々と馬のリズムで足を溜め、コーナーで少しずつ押し上げて前を射程圏に入れるポジションに、コーナーを曲がりながら徐々に加速して勢いがついた状態で直線に、クッション値が低く馬場もタフな時計のかかるコンディション、それを直線の短い内回りで上がり最速の33.7で差し切れたのはかなり価値が高く、足を溜められた時のトップスピードはかなりのものであり、今回のメンバーに入っても見劣りしない。
 今回新馬戦で騎乗している武豊騎手に手が戻るのもかなり良く、馬のリズムで走らせて、外差をさせれば現役騎手でもトップレベル。内がそこまで良くないので外枠もそこまで気にならない。
 また、調教の動きもかなり良く1週前がCWで79.4から終いまで加速して11.3の猛時計。最終追切も坂路で53.3から終い12.5-12.3の加速ラップであり、メンバー内の最終追切時計では3番目に早く、加速ラップという点で見れば最も早いのがこの馬。この53.3はこれまでの最終追切では最も早く、重賞挑戦に向けてしっかり仕上げられてきたのも好感が持てる。

〇ワールズエンド
 調教での動きがかなり好みで良く見えた点をかなり高く評価して対抗に。
 時計としては坂路で55.1から終いの身12秒台の12.6とそこまで目立たないが動きは目を引く、集中した活気ある走りでじわっと加速しながら坂を上ってきて、ラスト1Fあたりで追われたのに反応して手前を替えて力強く加速。後肢が非常に力強く、坂でもしっかり状態を起こしながらストライドを伸ばすことが出来ており、トップスピードはかなり速い時計を出せそう。
 前走の内容も新馬戦ながら評価できるもの。こちらもオフトレイルと同様に時計がかかっていたタフな年明けの京都で勝利しているのをまず評価。2着に下したシュガークンはその後すぐに未勝利を勝利し、その次走で大寒桜賞を連勝と強い相手にしっかり勝ち切れたのは評価できる。
 ラップ的にはスローからの瞬発力勝負で新馬戦らしい感じではあるが終いの2Fは11.4-11.2と鋭い切れを発揮。京都内回りだったので、ラスト2F勝負だったこともあり、上りは34.8と時計的には目立たないが余裕たっぷりでここまで終い2Fを刻めているので、今回の阪神1600ならば自分の能力通り走ることさえできれば33秒台、メンバー内でも上位の上りを使える可能性は十分。
 母はリラヴァティということで母母にはデルマーオークスを勝利した名牝シンハリーズ、近親にはシンハライトもおり、血統面からの素質も十分。阪神1600との舞台相性も良さそうで、この人気ならば積極的に狙いたい。

▲シヴァース
 前走はきさらぎ賞で3着。3着ではあるものの1~4着まで着差なしの大接戦なので既に重賞を勝利できるだけの能力は見せていると言っていい。しかもその4頭の内後方から差してきた馬が3頭で、この一頭だけが前目から積極的に競馬をして馬券内に残すことが出来ておりかなり評価できる内容。
 ラップ的にも後半4Fが12.2-12.0-11.1-11.3としっかり鋭い上がりを使うことが出来ており、前にポジションを取りながらこの切れ味勝負に対応できたのは能力の証左だろう。
 新馬戦はかなりのどスローからの瞬発力勝負だったので、そこから一気にペースが詰まりつつ距離延長だった前走でも最後まで止まらなかったというのはも評価できるポイントであり、今回距離短縮ローテで、先行勢手薄なメンバー構成というのはアドバンテージが大きい。
 先週の阪神競馬場では欧州質のノーザンダンサー系を持っている馬が特に目立ってはいたが、エピファネイア産駒が主ではあったがロベルト持ちもかなり相性が良さそうだったので、モーリス産駒のこの馬にも追い風があっていい。
 調教的にも前走から引き続きのポリトラック。前走の動きがかなり目立たなかったので、そこから比べると幾分上昇していそうで、ここは人気サイドにはなると思うが逆らわずに高めの評価で。

△タガノデュード
 前走のフローラルウォーク賞は3着ではあるが、評価を下げる内容ではなかった。中京の内枠で、これまでより幾分前のポジションを取って内の2列目で坦々と追走。直線では手ごたえ悪くなかったが、最内で進路が無かった分、外にいた馬をやや強引にはじき気味に進路を確保したが、その進路を確保している内に前が伸びて終いその差を詰め切れずの3着。
 その前走はオフトレイルが勝利したこぶし賞だが、最内から馬郡の中で追走、直線では悪くない足を使ていたが前の馬と足色が変わらずで詰め切れずの4着。そもそもマイル路線に切り替えたのが4走前からで、阪神FSも含めて掲示板を外していない安定感は評価できる。
 元々坂路ではかなり動ける馬だが今回も時計が良く、最終追切こそあっさり目の時計で終い重点という内容だったが、日曜日に52.7から終い11秒台の好時計を記録しており、入念な仕上げ。かなり動く馬なので、この時計自体は驚かないが、日曜日に好時計を出してからの終いあっさりというのは新しいパターン。これで変化があればここでも面白く、近2走最内で揉まれて力が出しきれなかったところから外枠替わりで思い切り末脚を伸ばすことに集中できれば激走に期待できるかもしれない。

【無印の各馬】
 人気サイドで無印の馬について少々。
・ディスペランツァ
 調教時計も良く、前走のパフォーマンスも高い。血統的にも悪くはないという感じでここは無理に嫌う場面ではないと思うものの、前走が距離短縮かつ、よどみない流れだったので展開がハマった感も強く、同距離2戦目の今回で前走ほどハイパフォーマンスは期待しづらい分、人気を背負うなら印は薄くしたいところ。

・チャンネルトンネル
 福永厩舎での転厩初戦となる今回、既に福永厩舎の定番パターンとなりつつある坂路で好時計連発で仕上げられてはいるものの、最終は終い12.7-12.9と僅かに失速、映像で動きを見ても伸びきれていない印象。
 11月19日の東京が9.7、1月6日の中山が10.3、2月18日の東京が9.5、3月17日の中山が9.7。これまで常に高めのクッション値で走り続けてきており、グレーターロンドン産駒的にも高めか低めの極端なクッション値の方が好み。9前半で走るのは今回が初めてになることを考えると人気サイドで手を出したいタイミングではない。今回は切りで。

・ジュンヴァンケット
 3月3日の未勝利戦を快勝して臨む今回だが、3月に入ってからの未勝利戦ということもあり、相手のレベルはあまり高くない。一月たった今でもメンバーから勝ち上がりが出ておらず、着差ほど評価できるパフォーマンスではない。
 直線での末脚の伸ばし方も、ストライド短めの回転数が高い走りであり、長くトップスピードを維持するのは難しそう。
 ピクシーナイトが兄に居る血統という点や、友道厩舎であることなど、過剰に人気している感もあり、ここでは積極的に狙いたいタイミングではない。調教も見栄えせず。

【まとめ】

 ここは血統と上がりを重視してオフトレイルから勝負していきたいと思います。馬券としては
〇単勝 オフトレイル
〇馬連 オフトレイル-〇▲
〇3連複 15-5.9.16-1.2.3.5.8.9.10.12.13.16
 こんな感じで行きたいと思います。
 オフトレイル頭で狙いつつ、3連複を広めにとって高め期待という組み立て。パドックで印をうった馬がかなり良く見えればオフトレイル頭固定から印3頭にながす3連単6点も期待を込めて買うなどしたいです。
 今週も競馬がまた始まっていきますが、まずは何よりも全人馬の無事を祈りながら、グッドレースになることを願っています。
 頑張っていきましょう!

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