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「ブライダル業界 今後のM&A展望」

2022年は多くのブライダル企業に於いて、復活のタイミングと考えていた矢先、再び心配なニュースが多く飛び交っています。さかのぼるコト2年前、当初は短期で収束すると思われていた事態そして、それに向けた資金対策を行っていた経営者の皆様も、この2年相当なご苦労とともに、あらゆる手を講じて企業・雇用、パートナー企業、そして顧客・結婚式を守ってこられました。個人的に思うところは、現場ももちろんかつてない事態に直面し、長期間踏ん張っています。そして、それは経営者の皆さんに於いても、かつてない事態であり、一方で経営者のご苦労は決して表には出せません。年末年始で、久しぶりに直接お目にかかる予定だった数人の経営者の方とのアポイントも、先送りになってしまいました。特に想い入れのあるブライダル業界に於いて、お役に立てるように、今後もM&A支援事業そして、コンサルティング事業を展開してまいります。

ブライダル業界 M&Aの展望について

ブライダル業界のM&Aについて5つ目の投稿になります。もともと他の産業に比べM&Aがあまり積極的に行われていなかった業界ですが、この大きな危機であり転機を過ごす中で、多くの企業がM&Aを選択肢として視野に入れておられます。ここ半年間でご相談をいただくケースは以下の2つが中心になっています。

Ⅰ.「セルサイド」経営の選択と集中×「バイサイド」成長戦略(近接業態・近接エリア・強化事業) 
Ⅱ.「バイサイド」経営の効率化・強化の為の買収(近接業種)

Ⅰ.「セルサイド」経営の選択と集中×「バイサイド」成長戦略(近接業態・近接エリア) 
 経営のスリム化の為に、複数事業、或いは複数拠点の内の一つを、売却されるご相談が増えています。これまでのM&Aの流れと大きく異なるのは、この情勢前を平時と置いた場合、M&Aのこれまでというのは「不採算店舗が売却されたら幸運」という温度感でした。正直、売却希望額と買収側の試算に大きなギャップがあったのも少なくありません。それが、直近の傾向としては「極めてポテンシャルの高い施設が対象となり、そして売却金額もある種、適正」と言える状況になっていると感じます。
 
 そうした背景もあり、この情勢でも成長(出店)戦略を続けている企業にとっては、良縁に巡り合える可能性が高まっています。おそらくこの情勢がなければ、絶対に繋がることがなかった企業同士の良縁というケースも見られました。この流れは、おそらく情勢にもよりますが、あと1~2年は続くと思われます。その後、情勢が落ち着くと、上記ポテンシャルの高い施設が対象になることは、おそらくなくなります。

Ⅱ.「バイサイド」経営の効率化・強化の為の買収(近接業種)
 
ブライダル業界ですべての企業が、コスト体質の見直しを迫られました。M&Aにもこの流れは現れています。具体的には、業界全体が「自社集客」にフォーカスしている最中、マーケティングや制作会社の自社化(グループ企業化)、そして列席人数の減少による売り上げ減を見据え、高利益率アイテム企業の内製化の検討など、これまでのトレンドとは異なる動きが出てきています。この流れは、今後拡大するとみています。また更に派生した見立てで、私自身も業界セミナーにてお話しさせていただいたこともあるのですが、同一エリアの企業連合で業務提携、または合弁会社を設立し、コストを圧縮するという流れも生まれると考えています。特に、コスト圧縮の為に、業務提携・合弁会社というのは、最も効果的が大きいのではと考えています。近い組織として、地域のブライダル協議会で連携する動きも活発化になっています。今までは、いくつかの協議会を除いては、情報交換、顔を合わせることが目的になっていた協議会自体の在り方を、より有機的にそして効果的な組織にしようという表れだと思っています。今は、企業の垣根を超えた一手も重要になるのではと考えております。

今回の投稿は以上です。M&Aは、世の中のトレンドが反映されます。この情勢を超える為に、そして、超えた先の未来の為に、お役立ていただけることがあれば、まずはご相談から承ります。お気軽にご連絡ください。

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