母の日は、私を産んだ母を恨む日。

今日も泣きながら化粧する。
私が産まなければ、あの子たちは苦しむこともなく、足掻く事もなく無で居られたのに。
私が義務のように結婚し、子どもを産んだばかりに、あの子たちには発達障害とかいう余分な苦しみが生れてしまった。
あの子たちは、自分が納得出来ない事には動けない。発達障害の特性。
分かってるよ。だから私が何を言っても届かないのね。
だけどさ、私にはあの子たちを支える義務が在る。産んでしまった以上ずっとずっとずっとずっと消えない義務。
世の中の当正論は通じない、あの子たちには届かない。分かっているわよ。だから私の言葉はどこまでも無意味。だけど、あの子たちを支える義務だけはいつまでも消えない。
応援といえば聞えも良いけど、ただ黙ってあの子たちの生活を支えるだけ。機嫌よく立ち振る舞い、あほ口を叩きケラケラ笑いながら朗らかなふりして義務を果たす。それだけ。
悲しいなぁ、私の心は永遠に届くことはないんだわよ。
それでも、あの子たちの生活を支える義務だけがある。
誰も手伝ってはくれない。
私の気持ちも理解されることない。
当然、特性上の子どもたちには永遠に理解されないよなぁ。
いつまでも、いつまでも、いつまでも、ただ支える義務だけが続く。

私が産まれてこなければ、あの子たちの苦しみは生まれなかった。あの子たちのしがらみは生まれなかった。
私が産まれなければ良かったのにな。

今更しがらみを断ち切る事も、振り捨てて死ぬことも許されない。

あの子たちは、今楽しいから良いよ。と言う。好きにさせてもらえて楽だと言う。自分の信じる事だけがわが道だからね。それが特性だからね。私は理解してるよ。
それでもね。
私が産まれてこなければ、あの子たちを産むこともなかったのにと何度も何度も考えるよ。
母の日。私を産んだ母を恨む日。

発達特性の子どもたちに母の日なんて無い。
あるとしたら、あるとしたら、あるとしたら、世間が騒ぐ疎ましい日、位かな。

あぁ。明日も泣きながら化粧するんだ。
誰か早く終わらせてくれよ。頼むわ。

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