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ガス代

おはようございます、ヒヨコロです。🐤

ガス代について簡単にちょっとじっくりめに説明します。

イーサリアムにせよPolygonにせよ、ブロックチェーンの資金を動かす時には「ガス代」というブロックチェーン利用料が必要です。

この利用料は、コンピュータやネットワークなどの資源を提供してブロックチェーンの運営を維持する人たちに報酬として渡ります。

ブロックチェーンを道路のようなインフラに例えると、ガス代は税金みたいなものです。OpenSeaなどのマーケット運営者や、NFTのクリエイターに渡る手数料とはまた別のものです。

このガス代は、今のところ「利用者」が支払うのがブロックチェーンの文化です。

これまでのサービスの利用料は利用者に見えにくい

これまでのサービスの多くは利用者に手数料が見えにくいしくみになっていました。利用者は「手数料を支払う」というよりは、クレジットカードで支払うと手数料無料でむしろポイントがついてお得になるように感じます。

これらの手数料は実はお店側が負担していました。その方がお客さんが多く集まるからです。

もちろん過渡期には「現金支払い」のお店の方が安いので、一部の「現金派」の人たちは現金で支払いを続けたのですが、クレジットカードやPayPayの普及が進むにつれて、「クレカのが得じゃん」という考えが世間の多数派になり、お店の側でも「クレカ払いの方が人件費削減できるじゃん」と気づきだすと、「現金のみ」のお店がどんどん少なくなってきます。

現金のみの最後の砦となっていた「サイゼリヤ」でも2021年8月からカード支払いを取り入れましたし、「二郎系」のラーメン店も徐々にPayPay支払い可能なお店が増えてきています。

そうなると、すべてのお店が「カード払いの手数料を商品価格に上乗せ」するようになります。ということは、カード会社への手数料を支払っているのは間接的にお客さんになります。

僕たちは、自分で3%~5%上乗せの価格を支払っておいて、1%のポイント還元に喜んでいるちょっとアレな人たちなのです。

残りの2%~4%はどこへいくのかというと、クレジットカード会社の設備費や通信費、人件費、土地建物代、そして利益になります。

まとめると、「手数料は間接的に僕たちお客さんが支払っている」というのが見えにくい事実だということです。

ブロックチェーンの利用料は誰からも見えやすい

一方、ブロックチェーンの利用料は、そのしくみ上、運営者にも利用者にも全て公開されています。

https://etherscan.io/

ブロックチェーンの利用料は次のような特徴があります。

  1. 運営するのは企業ではなく個人の集団で、彼らに利用料が渡る

  2. ブロックチェーンで価値のやり取りができるので、既存の金融ネットワークが不要

  3. 透明性が高い

このへんが金融革命なところです。

そして、ブロックチェーンの運営にはコンピュータとネットワークは必要ですが、既存の古い金融ネットワークに支払う手数料が不要になったり、ATMや設備費、窓口のための土地建物、人件費などが不要になります。

ガス代のしくみ

ガス代は取引が複雑であるほど高額になります。例えば、ただの送金よりもトークンの交換にかかるガス代の方が高いです。

https://etherscan.io/gastracker

ガス代のしくみをもう少し見ていくために、イーサリアムでOpenSeaの作品を買うときのトランザクション(取引)を例にだしてみます。

「ガス(見積)=0.00302303 ETH」と表示されています。その上にキツネのマークと「市場」と書いてあります。これは「ガス代は市場の平均価格」という設定であることを表しています。

もう少し詳しく見るために「市場>」をクリックしていきます。

「ガス代を編集」画面になり、「低」「市場」「積極的」という三つの選択肢がでてきます。

  • 低(Low):ガス代は安いが、取引に時間はかかる

  • 市場(Market):標準的なガス代

  • 積極的(Agressive):ガス代は高いが、優先して取引が実行される

さらに、「高度な設定」画面に進んでみましょう。

一番上の「最大基本手数料(Max base Fee)」というのは基本料金の最大値で、ネットワークの混雑具合などからあらかじめ市場で決定されているところなので、基本的には自分で触らなくてもいいです。

次の「優先手数料(Priority Fee)」がネットワークの運営者に支払う報酬部分で、この部分が大きければ取引が優先的に実行されやすくなります。早く取引を処理したいのであればここが一番重要で、ここを大きい数字に編集すると良いです。

上の例では「現在: 0.32 – 5 GWEI」となっていますので、およそこの範囲で設定するのが良いでしょう。

この2つの手数料(Fee)の合計が「ガス単価(Gas Price)」、つまり自動車のガソリンでいうところの1リットルあたりの単価です。

最後の「ガスリミット(Gas limit)」は、プログラムによって提案されている「使うガスの最大量」、つまり目的地までのガソリンを何リットル入れるかというところです。複雑な取引だとここが大きな数字になります。多すぎても少なすぎてもよくないので、ここは触らない方がいいです。※「ガス限度額」という訳はいまいちなので、この説明では言葉を変更しています

最後に、ガス単価×ガスの最大量=ガス代の見積もりとなります。

まとめ

「ガス代」とはブロックチェーンの利用料で、基本的には利用者が支払うものです。

そして、ガス代は自分で設定することができ、高いガス代(優先手数料)を支払うとそれだけ優先して取引が処理されます。取引が通りにくい場合は、「積極的」などに編集すると良いでしょう。

🐤関連項目⇒
・ガス代を節約する方法
・取引を早く通したい場合の設定方法
・ガス代の結果の見方


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